養成校卒業生の就職状況調査 全病理調べ
2019.01.10
柔整師、卒後すぐ開業は4%
施術所勤務60%、病院・診療所等10%
養成校を卒業した学生のほとんどが、卒後ただちに開業を選ばない――本紙がこのほど入手した、公益社団法人全国病院理学療法協会(平野五十男会長、全病理)による『養成校への就職状況調査』の結果からその実態が浮かび上がった。調査は、平成27年から平成29年までの3年間の卒業生を対象としている。
1/4以上が医療分野以外へ
全病理は、鍼灸マッサージ関連7団体で組織する「あはき等法推進協議会」の一つで、医師の指示の下で理学療法業務に従事する施術者等で構成される団体。同調査は、昨年5月から6月にわたって、全国の柔整師養成校とマッサージ師養成校(盲学校や晴眼者の専門学校等)に調査票を送付し、卒業生の就職状況を尋ねている。
柔整学科を持つ専門学校については、97校中36校が回答を行っている。平成27年~平成29年の卒業生(4,259人)の中で、「施術所分野」に進んだのは2,690人(全体比63.1%)で、そのうち、「開業」が184人(同4.3%)、「勤務」が2,506人(同58.8%)だった。施術所以外の選択として、病院・診療所・介護施設等の「リハビリ分野」が425人(同10.0%)。また、その他の進路・就職等は1,144人(同26.9%)と全体の4分の1を超えており、多くの卒業生が専門学校で身に付けた技能を発揮できる環境に就けておらず、業界も学生を十分に取り込めていない状況にあることがうかがえる。
マッサージ師養成校の結果では、視覚障害者と晴眼者の養成校間で大きな違いがみられた。視覚障害者では41校(卒業生536人)が回答し、施術所分野が185人、リハビリ分野が120人と、両分野の間にたいした差はなかったが、晴眼者では回答した8校(卒業生1,483人)で施術所分野は991人、リハビリ分野は116人と、その差が顕著に表れた。また、晴眼者養成校の施術所分野のうち、「開業」が79人、「勤務」が912人となっており、柔整養成校の結果と同様に、卒業直後の開業を選択しない傾向がみられた。