『ちょっと、おじゃまします』 ~鍼灸師と社会をつなぐ~ 次世代はりきゅうレボリューションズ
2017.02.25
鍼灸が「必要な選択肢の一つ」であることを伝えていきたい。鍼灸師と社会をつなぎたい――。そんな思いから、鍼灸師・あマ指師の伊藤由希子さんと、鍼灸師・あマ指師で理学療法士(PT)の白石哲也さんは昨年、「次世代はりきゅうレボリューションズ(はりレボ)」を立ち上げました。医師や看護師、介護士などを招いて多職種で語り合うワークショップやセミナーを開くとともに、教員やトレーナーといった様々な職域の若手鍼灸師にインタビュー取材を行い、彼らの活躍をホームページから発信しています。
伊藤さんは元々、心理カウンセラーを目指して大学で心理学を学んでいました。授業で、心身両面をケアできる東洋医学に触れて大いに惹かれたといい、大学卒業後、鍼灸・マッサージの専門学校へ。一方、学生の頃、陸上競技に打ち込んでいた白石さんは、陸上に関わる仕事がしたいと、PTの免許を取得してスポーツ整形外科に勤務。さらに、競技者時代にお世話になっていた鍼灸・マッサージの資格も取りました。希望を胸に抱いていたお二人ですが、鍼灸の認知度の低さや、受療率が数パーセントに満たないといった現実に直面。現場レベルからの業界の地位向上、発展の道を模索するようになります。杖にすがらなければ歩けなかった祖父が、鍼灸治療によって杖無しで歩けるようになったという伊藤さん。訪問看護事業所でリハビリ職を務めていたこともあり、鍼灸の介入があればQOLの改善が見込めそうな利用者さんを数多く見てきたという白石さん。そんな経験から、「介護・福祉業界にも鍼灸治療を広めたい」とそれぞれに考えていた折、偶然、同じセミナーに参加。お二人の思いを聞いた主催者に引き合わされて意気投合し、はりレボ設立に至りました。
今後は、鍼灸業界の課題や新しい働き方について考えたり、業界のトップランナーの話を聞いて見識を深めたりする場を設けたいといい、さらに、養成学校の学生に、鍼灸師の可能性、職域の多様性について知ってもらえるような活動も行っていきたいとのことです。