連載『食養生の物語』144『功の多少を計る』
2025.07.23
「自宅で野菜を育てている」と聞くことが増えました。自分の手で育てる楽しさと、採れたて新鮮なものを食べられる嬉しさも相まって、より美味しく感じることができるでしょう。
家庭菜園の良いところは、食糧の保存や輸送などにエネルギーが使われない点で、ここは大切なポイントです。「フードマイレージ」という環境問題での観点からすると、輸送距離がゼロということは地球環境には負荷をかけていないことになります。 (さらに…)
連載『食養生の物語』144『功の多少を計る』
連載『食養生の物語』144『功の多少を計る』
2025.07.23
「自宅で野菜を育てている」と聞くことが増えました。自分の手で育てる楽しさと、採れたて新鮮なものを食べられる嬉しさも相まって、より美味しく感じることができるでしょう。
家庭菜園の良いところは、食糧の保存や輸送などにエネルギーが使われない点で、ここは大切なポイントです。「フードマイレージ」という環境問題での観点からすると、輸送距離がゼロということは地球環境には負荷をかけていないことになります。 (さらに…)
日本疼痛学会が「認定鍼灸師」制度を開始
日本疼痛学会が「認定鍼灸師」制度を開始
2025.07.22
一般社団法人日本疼痛学会(牛田享宏理事長)において令和7年度から「認定鍼灸師」を設け、登録受付を開始している。
認定鍼灸師になるには、①日本疼痛学会の正会員になること、②一般財団法人日本いたみ財団が実施する試験に合格し合格書を取得することが必須となる。
鍼灸師の参入を進めたのは、令和4年から同学会の理事を務める明治国際医療大学の伊藤和憲氏。背景には、疼痛は世界的には医師以外を含む他職種で診ることが標準であること、令和3年度版『慢性疼痛診療ガイドライン』において鍼灸治療は「推奨度2」とされていることがある。
今後鍼灸治療を紹介される慢性疼痛患者が増えると考えられるが、医師はどこの鍼灸師と連携してよいのかが明確ではなかった。 (さらに…)
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』244 腱に対する超音波観察装置を用いた症例
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』244 腱に対する超音波観察装置を用いた症例
2025.07.21
田中正樹(筋・骨格画像研究会)
日常の診療業務の中で超音波観察装置 (以下、US装置)を用いることはそんなに多くはないが、患者さんのケガ全般において、骨折の有無や軟部組織損傷の病変を確認するのに非常に威力を発揮する。その中でも腱損傷や靱帯損傷は比較的多く遭遇する病変である。
腱や靱帯といった縦方向に走る線維束は、US装置を用いて観察すると線維が積み重なった層構造を示しfibrillar patternという特徴的な線状高エコー像が描出される。 (さらに…)
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』6 「悪化する」と言ったつもりが、まさかの宇宙戦争に⁈
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』6 「悪化する」と言ったつもりが、まさかの宇宙戦争に⁈
2025.07.18
「悪化する」と言ったつもりが、まさかの宇宙戦争に⁉
宮口先生/宮 鍼灸師の佐藤さん/佐
佐:「先生、痛みの増悪因子を聞きたくて習ったフレーズを使ってみたんです! "What makes the pain worse?" (何が痛みを悪化させますか?) って。そしたら、外国人患者さんにすっごく不思議な顔をされちゃったんです」
宮:「お、早速チャレンジしたんですね! 素晴らしいじゃないですか。でも、不思議な顔って……。うーん、どうしてでしょうね」 (さらに…)
報告受付をポータルサイト上で開始、オン資の協力金5万円
報告受付をポータルサイト上で開始、オン資の協力金5万円
2025.07.17
施術所に来院した患者に対し、マイナンバーカードを健康保険証として利用するよう促した場合、国が推進する医療DXに協力したとして支給される協力金について、各施術所が実際に利用促進を図ったことを報告する「専用フォーム」がこのほど開設された。
専用フォームは施術者等向け総合ポータルサイト上に設置され、 (さらに…)
「脳腸相関を踏まえた鍼灸治療とは」京都府鍼灸師会の生涯研修会
「脳腸相関を踏まえた鍼灸治療とは」京都府鍼灸師会の生涯研修会
2025.07.17
公益社団法人京都府鍼灸師会(熊野利明会長)の『令和7年度第1回生涯研修会』が6月29日、京都市内の同会会館とオンライン配信のハイブリッドで開催された。岡田岬氏(宝塚医療大学保健医療学部講師)と伊佐治景悠氏(SR鍼灸グループ総院長)が、それぞれ脳腸相関と男性不妊について解説した。
「機能性ディスペプシア」など脳腸相関疾への対応を解説
岡田氏は、『脳腸相関と鍼灸』と題して、腸と脳の密接なつながりに注目し、鍼灸治療の役割と可能性を解説した。最初に、腸は「第二の脳」と呼ばれていると紹介し、その理由として、腸は脳から独立して活動していること、腸が産生するホルモンや神経伝達物質が脳に影響を及ぼしていることを挙げた。この脳と腸が双方向に影響し合う「脳腸相関」は、臨床でもしばしば意識すべき視点であると強調した。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』オン請で各施術所へ振り込むとなれば保険者負担は膨大!?
Q&A『上田がお答えいたします』オン請で各施術所へ振り込むとなれば保険者負担は膨大!?
2025.07.15
Q.
療養費のオンライン請求(オン請)がどうも医科の仕組みを踏襲しそうですが、そうなれば、医科と同様に、審査支払機関がそれぞれの施術管理者の口座へ療養費を振り込むことになりますよね。その場合、誰がこの振込手数料を負担するのですか?
A.
まず結論として、療養費の振込手数料は、当然ながら「保険者」が負担するものです。
現在、柔整療養費のオン請については、厚労省の設置する専門委員会と、その下の作業部会であるワーキング・グループで議論が行われており、オン請実施後の請求・審査・支払い業務を国保連と社会保険診療報酬支払基金に担わせる方向で検討が進んでいますが、もしそうなれば、国保連や支払基金が申請書の審査後、各施術管理者に療養費を振り込むことになります。
そして、その振込手数料の負担額を、後日保険者に請求することになるでしょう。この点については、 (さらに…)
『ちょっと、おじゃまします』夫婦それぞれの専門性を持ち寄って 京都市中京区<うちだ治療院>
『ちょっと、おじゃまします』夫婦それぞれの専門性を持ち寄って 京都市中京区<うちだ治療院>
2025.07.14
京都市中京区にある『うちだ治療院』は内田康介先生・明日香先生の夫婦が営む治療院。別々の場所で治療院を開業し、専門性を磨いた2人が改めて合流し、新たな一歩を踏み出しました。それぞれの経験や専門性を活かしながら、バランスの取れた治療を実践しています。
康介先生は高校卒業後、治療家を志して専門学校に進学し、あマ指師、鍼灸師、柔整師の免許を続けて取得。複数の免許を生かした多角的な視点を強みに、28歳で京都市伏見区にて治療院を開業しました。治療の軸は、解剖学に基づいた構造的なアプローチで、骨格や筋肉のバランスを丁寧に観察し、一人ひとりの症状に適した施術を提供。プロアスリートから近隣で暮らす高齢者まで、どんな患者さんにも変わらぬ真剣さで向き合います。
その傍らで支えてきたのが、妻の明日香先生。治療の現場を間近で見続けるうちに、自然と自身も治療家を目指すようになったといいます。鍼灸師・あマ指師の免許を取得すると、康介先生の治療院とは別に女性専門の治療院を開業しました。 (さらに…)
『鍼灸師・柔整師のための痛み学―UPDATE』5 エビデンスに伴う治療と電子カルテ
『鍼灸師・柔整師のための痛み学―UPDATE』5 エビデンスに伴う治療と電子カルテ
2025.07.12
痛みの診察では、問診によって大まかな原因を探り、どの組織に問題があるのかを、感度・特異度・尤度の高い検査によって絞り込みます。そのうえで、痛みの中心が末梢・脊髄・脳のいずれのレベルにあるのかを調べます。この一連の流れは、適切な治療を行うために不可欠な過程です。
治療の成果は正確な病態把握の上に成り立っており、病態把握こそが最も重要です。実際に「診療ガイドライン」では、診断と治療がセットで記載されています。そのため、ガイドラインに示されたエビデンスは、その中に記載された診療基準を満たした場合にのみ有効です。 (さらに…)
「在宅医療・介護で実践が進むACPとは?」病鍼連携連絡協議会の出張特別講座
「在宅医療・介護で実践が進むACPとは?」病鍼連携連絡協議会の出張特別講座
2025.07.11
「ACP=人生会議」を普及啓発に取り組む大河内氏が解説
病鍼連携連絡協議会(長谷川尚哉世話人代表)が5月31日、出張特別講座『鍼灸マッサージが繋げる地域包括ケアとACP―地域と人を活かす起点としての役割を考える』を名古屋市内で開催した。
テーマのACPとは「アドバンス・ケア・プランニング」の略で、将来的に意思決定能力が低下した場合に備え、「必要に応じて信頼関係のある医療・ケアチーム等の支援を受けながら、本人が現在の健康状態や今後の生き方、さらには今後受けたい医療・ケアについて考え(将来の心づもりをして)、家族等と話し合う」プロセスのことをいう。
講師には、ケアマネジャー業務を行うかたわら、ACPエバンジェリストとして国立長寿医療研究センターや医師会と協働でACPの普及啓発に取り組む大河内章三氏(クリエイティブケア研究会代表)が登壇し、在宅医療・介護分野を中心に実践が進むACPを概説した。
まず、ACPを国が推進する背景として、地域包括ケアが導入されたのがターニングポイントだと挙げた。従来の医療において患者対応などは (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』251 Want to Burnish
連載『汗とウンコとオシッコと…』251 Want to Burnish
2025.07.10
夏至を過ぎてすぐ、6月中に梅雨明けを経験したのは昭和世代でもそうないはずだ。百日紅の花が早くも咲き出し、コスモスまで咲いている。コウロギの声がかすかに聞こえ、バッタは飛んでいるのに、蝉の声は聞こえない。初夏から初秋が混在するようで、バラバラだ。 (さらに…)
2025年上半期の「療術業」倒産、過去20年間で最多更新
2025年上半期の「療術業」倒産、過去20年間で最多更新
2025.07.09
今年1月から6月までの療術業(鍼灸マッサージ院、接骨院、リラクゼーション店舗含む)の倒産件数が55件で、2006年からの20年間の上半期で過去最多を更新した。東京商工リサーチが7月6日に公表した。
前年(2024年)同期比は17%増。倒産した55件のうち、8割超(83.6%)が「売上不振」が原因だった。また、 (さらに…)
大阪府が物価高対策で3万円支援、7月14日申請開始
大阪府が物価高対策で3万円支援、7月14日申請開始
2025.07.08
大阪府がこのほど、府内の施術所に対し、物価高騰対策の支援金として3万円(1施設当たり)を給付することを発表した。申請受付は7月14日から。
療養費の受領委任の取扱う施術所が対象となり、申請は原則オンライン上の専用フォームから行う。同一施設内であはきと柔整それぞれを行っていれば、一つの施術所とみなして重複申請はできない。支援金の支給は、審査を終えたものから順次給付するとしている。
大阪府ホームページ「大阪府医療機関等物価高騰対策一時支援金について」
また現在、他の県でも同様の支援金給付を実施している。既に申請が始まり7月末に受付を終了する自治体として、千葉県(支給額1万円)、神奈川県(同3万円)、石川県(同4万円)、三重県(同1万300円)、広島県(同7,500円)、山口県(同3万円)、佐賀県(同2万円)などがある。
千葉県:令和6年度千葉県医療機関等物価高騰対策支援事業
神奈川県:令和7年度神奈川県医療機関等物価高騰支援金
石川県:物価高騰対策支援事業(医療機関・福祉施設等)
三重県:物価高騰対策支援金
広島県:物価高騰に係る医療事業者支援事業
山口県:山口県医療機関等光熱費高騰対策支援金
佐賀県:医療・福祉・保育施設等物価高騰対応支援金
期限切れの紙の保険証でも「療養費請求は可能」、来年3月末まで
期限切れの紙の保険証でも「療養費請求は可能」、来年3月末まで
2025.07.07
マイナ保険証の本格移行に伴い、今後、有効期限切れで失効する紙などの健康保険証について、整骨院や鍼灸院等の受領委任払いを取り扱う施術所の窓口で、暫定的に2026年3月まで使える措置が取られることが分かった。
厚労省が6月27日付で、医師会などの医療関係団体や自治体に向けて発出した事務連絡「健康保険証の有効期限切れに伴う暫定的な取扱いに関する疑義解釈資料」の中で特例措置を示しており、本紙による厚労省への取材で「施術所も、医療機関と同様の取扱いとなる」との回答を得た。
特に8月以降、多くの自治体で (さらに…)
連載『中国医学情報』244 難治性の顔面神経麻痺の鍼治療 ほか
連載『中国医学情報』244 難治性の顔面神経麻痺の鍼治療 ほか
2025.07.05
☆難治性の顔面神経麻痺の鍼治療―教科書鍼法と「陽性筋結点」刺鍼法併用を比較
黒竜江中医薬大学・李郝婧らは、難治性の末梢性顔面神経麻痺患者で、常軌鍼法とそれに「陽性筋結点」刺鍼法を併用したものを比較(鍼灸臨床雑誌、2024年6期)。
対象=64例(男28例・女36例)、House-Brackmann(H-B)法の重症度:Ⅱ(軽度)5例・Ⅲ(中等度)24例・Ⅳ(やや高度)24例・Ⅴ(高度)9例・Ⅵ(完全麻痺)2例。これをランダムに常軌群・併用群各32例に分けた。常軌群:46.56±14.44歳・罹患期間3.25±1.69カ月、併用群:53.31±16.14歳・罹患期間3.56±1.93カ月。
治療法=毎週5回、計30回。
<常軌鍼法>『針灸治療学』(十三五教材)による。
①取穴―患側の陽白・四白・顴髎・地倉・頬車、左右の風池・合谷、頭頂の百会
②操作―0.25×25mmの毫鍼で刺鍼し平補平瀉手法、置鍼30分間
<陽性筋結点刺鍼法>
①陽性筋結点―仰臥位にし、患者の罹患部と同側の拇指腹で、地倉穴・目の周囲・水溝穴などから筋の走行方向になで・圧し・弾き両側を比較し、 (さらに…)
【大阪・関西万博】9月に期間限定でバーチャル鍼灸院がオープン!
【大阪・関西万博】9月に期間限定でバーチャル鍼灸院がオープン!
2025.07.03
9月1日(月)~9月7日(日)、大阪・関西万博でバーチャル鍼灸院が開かれる。VRで鍼灸治療を体験することができ、万博で鍼灸関連の催しは初となる。発起人は伊藤和憲氏(明治国際医療大学教授)、出展は同氏が文化観光大使を務める南丹市。
バーチャル鍼灸院は、関西パビリオン京都ゾーン『ICHI-ZA一座きょうと』内、「いのち」の区画で体験できる。このブースでは、京都の市街地がオーバーツーリズムである反面、中部に位置する南丹市は、魅力ある観光資源がありながら人を呼び込めていないという課題を、ICTで解決しようという取り組みを紹介している。「養生」というキーワードのもと観光地と観光客を繋ぐガイド役を果たすのが、伊藤氏の開発したアプリ「YOMOGI+」だ。いくつかの設問に答えると、東洋医学の視点で体調・体質に合わせた観光地や体験のコンテンツが提案される。
そのコンテンツの一つにバーチャル鍼灸院がある。VRゴーグルを装着すると、 (さらに…)
【レポート】第23回世界災害救急医学会(WADEM2025)にあはき業界から初参加
【レポート】第23回世界災害救急医学会(WADEM2025)にあはき業界から初参加
2025.07.02
災害世界学会で「鍼灸マッサージ」アピール、26年ぶりの日本開催で参加者が各国から1,300人超
執筆者:災害支援鍼灸マッサージ師合同委員会(DSAM)代表・是元佑太、同会役員・樽井俊郎
5月2日から6日まで、東京都新宿区の京王プラザホテルで開催された『第23回世界災害救急医学会(WADEM2025)』に鍼灸業界の一員として参加しました。
日本での開催は26年ぶりといい、オープニングセレモニーでは天皇皇后両陛下の長女・愛子さまがご登壇され、挨拶を述べられたこともあり、多くの報道陣が詰めかけ、注目度の高い世界学会として開かれました。大会テーマには『Knowledge叡智、Courage勇気、Solidarity連帯』を掲げ、世界中の災害医療、救急医療に関する経験や研究、提案などが発表されたほか、形式も多種多様なセッションが会場の至るところで行われました。
会期中は82カ国より1,307名が参加し、ここ十数年で最多で、またアジア開催としても過去最多の数だったそうです。ドクターの参加が600名以上で、そのほかコメディカルや行政職員、研究者など。日本人の参加者は200名ほどのようで、日本に居ながらにして海外に行ったような感覚が味わえた学会でした。
DSAMとセイリン社共同で体験ブース、「amazing!」と驚く声も
そんな中、DSAMでは、鍼メーカーのセイリン株式会社様と共同で企業展示ブースに出展し、鍼灸マッサージ体験会を行いました。
2日目から4日目までの3日間で体験ブースに来られた参加者は250名を超え、実際に施術を体験された方は219名と大盛況でした。通りがかりに声を掛けた際、「鍼の経験はあるが、その時は痛くてもうやりたくない」と答える外国人参加者もおられたようで、 (さらに…)
柔整・あはきの業団の令和7年度役員改選、「現体制続投」目立つ
柔整・あはきの業団の令和7年度役員改選、「現体制続投」目立つ
2025.07.01
令和7年は、主だった柔整師・あはき師団体の役員改選の年に当たる。5月から6月にかけて総会が開かれ、役員・執行部が選出されたが、現体制を続投する団体ばかりだった。
日本柔道整復師会(日整)は長尾淳彦会長が再選され、2期目に臨む。副会長には竹藤敏夫氏、山崎邦生氏が就任した。
全国柔整鍼灸協同組合(全柔協)は理事長の上田孝之氏が2期目を続投。岸野雅方氏が会長、塚原康夫氏が専務理事と変わらずのまま。
公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会(全鍼師会)は、前期途中で会長に就いた長嶺芳文氏が、引き続き選任された。副会長には、狩野裕治氏、廣野敏明氏、石川英樹氏、尾野彰氏、往田和章氏が選ばれた。
公益社団法人日本鍼灸師会(日鍼会)も中村聡氏が会長2期目を決めた。副会長には小林潤一郎氏、児山俊浩氏、安田政寛氏が選出されている。
『医療は国民のために』408 オン請の「団体宛て一括支払い」は早急な結論を求めたい
『医療は国民のために』408 オン請の「団体宛て一括支払い」は早急な結論を求めたい
2025.07.01
柔整のオンライン請求(オン請)の導入時期については、昨年度末に厚労省より出された「中間とりまとめ」で「当初の令和8年度稼働目標のスケジュールは見直すこと」と先送りが決まり、はたしていつから導入されるかが分からない状況にある。
そんな中で、復委任団体の立場として、オン請導入に際して最も重要と考えるのは、療養費の最終的な支払い先となる「振込口座」について、復委任団体への一括支払いが認められるか否かだ。
話を中間とりまとめに戻せば、この中で、「復委任団体は、療養費の代理請求のみ実施することとし、審査支払機関等からの支払は施術所に対して行うこと」との記載が見られる。その一方で、「今後、復委任団体が関与することのメリット・デメリットを勘案し、適切な仕組みについて検討することが適当である」との旨の記載が続く。つまり (さらに…)
鍼灸師と精神科の連携強化をめざすAPネットワーク、参加呼びかけ
鍼灸師と精神科の連携強化をめざすAPネットワーク、参加呼びかけ
2025.06.30
鍼灸師(Acupuncturists)と精神科領域の医療従事者(Psychiatrists)がつながり、学び、助け合うための非営利団体『APネットワーク』が参加者を募集している。
APネットワークは、精神科医で昭和医科大学発達障害医療研究所副所長の中村元昭氏が、ストレスケア病棟で約10年に渡り鍼灸研究に取り組んだのち、精神疾患の当事者や予備軍に適切に鍼灸が選択できるシステム構築の必要性を実感し、令和3年12月末に立ち上げたもの。
APネットワークで行っている医療協働のための具体的な取り組みとしては、発達障害や慢性疼痛、依存症、緩和ケアなどをテーマとしたオンライン勉強会を2カ月に1回実施。専門家の講義や質疑、意見交換を行っている。
もう一つの主要な活動は、患者を安心して紹介できる「鍼灸院リスト」の作成。リストへの登録には3年の臨床経験が必須となるほか、学会参加及び卒後研修の修了などの基準を設けている。登録後の紹介においては、患者来院後の報告書の作成や適切なタイミングでの逆紹介を促すなど、信頼関係を構築し協力して患者を診るためのルール作りも進めている。
また「鍼灸院リスト」と併せて、鍼灸を分かりやすく解説する「鍼灸パンフレット」作成に取りかかっているほか、鍼灸師と精神科医療従事者がオンラインで個別ケースの相談ができるシステムづくりにも着手する予定。
6月下旬よりCAMPFIREにてクラウドファンディングを開始
6月時点で鍼灸師、医師、看護師、心理師を合わせ800名程の登録があり、さらなる活動の周知や「鍼灸院リスト」の活用を促すためのホームページ制作のため、6月21日からCAMPFIREにてクラウドファンディングを開始している。終了予定は8月11日。
立ち上げから運営に関わっている東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科助教の松浦悠人氏は、
「私たちは、精神科医をはじめとする医療従事者と鍼灸師が連携し、メンタルヘルスの悩みを抱えている人々に鍼灸という選択肢が届くようにするための活動を行っています。現在の活動の中心はオンライン勉強会や鍼灸院リストの作成ですが、今後はさらに活動を展開していく予定です。もしご興味があれば是非ご参加いただき、東西両医学が連携・共創する医療を共に創り上げていきましょう!」とコメント。
APネットワークへの参加は無料で、心の病を持つ人をみる医療従事者に向け広く募っている。登録はこちら
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