令和6年の治療院代は1世帯3,309円、総務省の家計調査
2025.03.07
整骨院・鍼灸院で使った費用4年連続増加で、伸びも拡大
けがや疾患などで、昨年1年間に整骨院や鍼灸院で使った治療金額が、1世帯当たり3,309円だったことが分かった。総務省が2月7日に公表した『令和6年の家計調査』で示された。
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令和6年の治療院代は1世帯3,309円、総務省の家計調査
令和6年の治療院代は1世帯3,309円、総務省の家計調査
2025.03.07
整骨院・鍼灸院で使った費用4年連続増加で、伸びも拡大
けがや疾患などで、昨年1年間に整骨院や鍼灸院で使った治療金額が、1世帯当たり3,309円だったことが分かった。総務省が2月7日に公表した『令和6年の家計調査』で示された。
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「第7回柔整オン請WG」の議事要旨、厚労省公表
「第7回柔整オン請WG」の議事要旨、厚労省公表
2025.03.06
1月29日に開催された「柔道整復療養費のオンライン請求導入等に関するワーキング・グループ」(WG)の第7回会議の議事要旨が、厚労省ホームページでこのほど公表された。
これによると、話し合われた主な議題は、「基本方針」「審査のあり方」「紙請求の取扱い」など。
今回注目すべき点としては、オンライン請求後、請求・審査・支払いの任を引き受けることが想定されている「社会保険診療報酬支払基金」について、「柔整療養費の審査に係るノウハウを一切有しておらず(中略)体制が脆弱な中で審査業務を担うことは極めて困難」や、「療養の給付は支払基金に決定権限があるのと比べて、療養費はそのような法的な整理にはなっておらず(中略)今の法体系の下では困難」といった主張が出されたようで、これまでの議論が振り出しに戻るような意見がみられる。
レセプト審査におけるコンピュータチェックについては、導入する方向でまとまっているものの、その活用の仕方や現行の審査体制(人の目を入れたチェック)との関係をどうするのかといった点で、異なる意見が散見される。
紙請求に関しては、オンライン請求開始時には一切廃止するよう求める意見がある一方で、システム障害の際の業務継続を疑問視する意見もみられる。また、「高齢の施術者、手書きの請求をしている施術者、廃止を考えている施術者、弱視のある施術者など、ある一定数の紙請求は残るものと思っており、不利益となるのは国民であると思っているので、そうならないためにも、復委任団体に関わらせていただきたい」との発言もあったようだ。
議事要旨の全文については下記より。
厚労省ホームページ「第7回柔道整復療養費のオンライン請求導入等に関するワーキング・グループ議事要旨」
『ちょっと、おじゃまします』Baseball5を広め、野球人口を増やしたい
『ちょっと、おじゃまします』Baseball5を広め、野球人口を増やしたい
2025.03.06
大学では体育の先生を目指していたという若松健太先生。世界のトップアスリートをメダルに導いた鍼灸師でスポーツトレーナーの白石宏氏の存在を知ったことをきっかけに、卒後は鍼灸の専門学校に進学しました。鍼灸師、柔整師の資格を取得し、治療家として約10年間経験を積み、湧いてきたのは「データを集積して治療に貢献したい」という思い。30歳を目前に日本体育大学大学院に進学し、研究者としての道を歩み始めました。
そんな中「勉強のために」と応募した東北楽天ゴールデンイーグルス臨時トレーナーに選ばれるという転機が訪れます。実は若松先生は大の野球好き。子どものころから野球を続け、同郷から時を同じくして上京した4名の仲間とともに2007年に「ジャンクベースボールクラブ」という草野球チームを結成。研究も仕事もプライべートも野球を楽しむことが根底にある生活を送っていたそう。トレーナーは3カ月限定でしたが、信頼を築き、選手や球団関係の友人もたくさんできました。
その後も、野球関連組織などが主催した野球を啓蒙するイベントなどを手伝ううちに、野球人口の減少に危機感を強めていったという若松先生。2018年には野球の啓蒙を視野に入れた、軟式草野球クラブと運動教室の運営に取り組むため、チームメイトとともに一般社団法人ジャンク野球団を立ち上げました。
新しいインクルーシブスポーツ、Baseball5を教育や福祉の現場へ
現在、野球団のもう一つの大きな柱となっているBaseball5(ベースボールファイブ)に出会ったのはその少し後。女子野球日本代表で世界大会でもMVPなどを受賞した・六角彩子選手が主導したイベントでのことでした。
男性3名、女性2名の合計5名で18メートル四方のコートに入り、バットの代わりに手でボールを打つという簡易的な野球のようなBaseball5は、コートの狭さゆえのスピード感やコミュ二ケーションの活発さで、男女、年齢の壁なく盛り上がり「これこそ野球の普及につながるスポーツだ」と確信したそう。 (さらに…)
連載『中国医学情報』240 産後腹直筋分離(DRA)87例での常軌リハビリ法と鍼法併用―ランダム化比較 ほか
連載『中国医学情報』240 産後腹直筋分離(DRA)87例での常軌リハビリ法と鍼法併用―ランダム化比較 ほか
2025.03.05
☆産後腹直筋分離(DRA)87例での常軌リハビリ法と鍼法併用―ランダム化比較
江蘇省揚州大学付属淮安市婦幼保健院・張彩侠らは、産後腹直筋分離(Diastasis Recti Abdominis:DRA。白線離開)の患者で、常軌リハビリ法群とそれに鍼法併用をした群を比較(中国鍼灸、2024年2期)。
対象=同院骨盤底リハビリ・産後保健科が募集したDRA87例。いずれも産後6~8週間のエコー検査で腹直筋分離距離>2cm(欧州ヘルニア学会ガイドライン)などの診断基準(中国婦産科臨床雑誌2021年22巻2期)に符合する患者で、これをランダムに常軌群43例・併用群44例に分けた。常軌群:平均年齢28.7±3.2歳・出産回数1.8±0.4回、併用群:平均年齢29.0±3.2歳・出産回数1.8±0.5回。
治療法=両群とも計2週間治療。
<常軌群>治療師の指導でエクササイズ。
①腹式呼吸―仰臥位で両手は臍に置き腹式で吸い、次に腹部を限度まで収縮させて吐いた後、5~10秒間息を止める。これを1呼吸として毎回10分間・1日3回 (さらに…)
『ちょっと、おじゃまします』 本場で磨いた知識と技術、鍼灸にできることはまだまだある 兵庫県姫路市<ながた接骨院>
『ちょっと、おじゃまします』 本場で磨いた知識と技術、鍼灸にできることはまだまだある 兵庫県姫路市<ながた接骨院>
2025.03.03
「大学時代に中国への研修旅行に行ったこと。これが運命の分かれ道でした」。そう語るのは、ながた接骨院の別府浩士先生。高校時代に野球部で怪我をした際に、同院院長の永田勝章先生に診てもらったことでスポーツトレーナーへ興味を持ったそう。どうすればなれるのか尋ねたところ「医療職が有利だから鍼灸師を目指してみるのはどう?」と教えてもらい、明治国際医療大学へ進学。知識・技術を身に付ける日々の中で、友人からの誘いを受けて参加した中国研修旅行が分水嶺となりました。現地での研修を通して「鍼灸はここまで治療できるんだ!」と驚かされたとともに、中国鍼灸の奥深さに魅せられ、それまでスポーツトレーナーを目指していた自身の方向性が一変しました。
中医学にハマった別府先生は卒業後、改めて中国へ留学。留学は4年以上にわたり、現地の語学学校を卒業後、中国中医科学院付属広安門医院で約1年間の臨床実習を受けました。その後、学生時代の研修旅行や留学準備でもお世話になった野瀬眞さん(オリエント出版社元社長)の紹介で、中国鍼灸の大家である張士傑先生に弟子入りし、2年半腕を磨きます。 (さらに…)
『医療は国民のために』404 オン請での「医療助成費の公費負担」はどうなるの?
『医療は国民のために』404 オン請での「医療助成費の公費負担」はどうなるの?
2025.03.01
現在、柔整療養費におけるオンライン請求(オン請)に向けた議論が重ねられているようだが、請求業務に付随する「医療助成費」について気になったので、少し考えてみたいと思う。
ここでいう医療助成費とは、乳幼児や原爆等の患者に対する公費負担のことで、支給制度が構築されてからもうずいぶん経つ。各自治体(市区町村)の財源の範囲内において、一部負担金の全額または一部を公費で負担している状況だが、既に医科・歯科・調剤の診療報酬明細書(レセプト)ではオン請の運用の中で事務処理が適正になされている。特に医科等では、紙での申請の頃からレセプトが「1枚」だったこともあり、これを単純にオン請システムに載せても何ら支障はないのであった。
一方、「受領委任」である柔整療養費はというと、 (さらに…)
オン資導入率「柔整85%、あはき53%」、柔整・あはき療養費会議
オン資導入率「柔整85%、あはき53%」、柔整・あはき療養費会議
2025.02.28
今春、導入済みの施術所へ協力金支給を
2月28日、柔整・あはき療養費検討専門委員会がそれぞれ開催され、昨年12月2日より原則義務化された「オンライン資格確認」(オン資)の施術所における導入状況などが報告された。2月23日時点でオン資の利用申請を済ませた施術所の割合は、柔整で約85%、あはきで約53%だった。厚労省は今後も補助金支援を継続するなど導入促進を図るが、令和8年末頃までに未導入の施術所には受領委任の中止措置を設ける考えも示した。
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スマホで舌の写真をパシャ! AIが舌診をしてくれるアプリ「Berrow」
スマホで舌の写真をパシャ! AIが舌診をしてくれるアプリ「Berrow」
2025.02.28
AIが舌診をするアプリ「Berrow」を四季鍼灸治療院(大阪市阿倍野区)と森ノ宮医療大学の仲村正子助教らが開発。今話題のAIを東洋医学にも活用する試みとして注目されている。
同アプリは舌を撮影すると、AIに学習させたデータに基づき問診項目を提示し、回答から「証」を導きだすというもの。客観性を強みに、証立てのばらつき防止や望診・問診の補助としての活用を見込んでいるほか、個人のセルフケアツールとしての利用も期待している。
AIに学習させた画像は1910枚にのぼる。15名の鍼灸師が11種類の舌所見に分類し、そのデータをもとに、AIが舌や舌苔の状態を自動判定。必要な問診項目をピックアップするしくみ。患者が問診に5段階評価で回答すると、0~100%で評価する「未病度」と31種類から選ぶ「病証」を提示。患者に話すようなやさしい文章で、東洋医学的に体の状態や症状を解説する。 (さらに…)
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』1 外国人が来院した時の最初の一言
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』1 外国人が来院した時の最初の一言
2025.02.27
『外国人が来院した時の最初の一言』
宮口先生/宮 鍼灸師の佐藤さん/佐
佐:「外国人の患者さんが急に来院されて、私、焦って"Why did you come?"(なぜ来たの?)って聞いちゃったんです」
宮:「えっ!(笑)」
佐:「すごく変な顔をされて、『なぜ来たって……診てもらうために決まってるでしょ』とでも言いたそうでした」 (さらに…)
現役プロ野球球団トレーナーが答えるキャリアパス
現役プロ野球球団トレーナーが答えるキャリアパス
2025.02.26
一般社団法人TTC(トータルセラピストコミュニティ)主催のWEBセミナー『現役球団トレーナーによるGIANTS×Lionsトークセッション』が1月26日に開催された。読売ジャイアンツ所属の宮坂基也氏と埼玉西武ライオンズ所属の五十嵐航太氏がプロ野球球団トレーナーとしての業務内容やキャリアパスについて意見を交わした。
セミナー参加者には若手や学生も多く、スポーツトレーナーの人気の高まりが表れていた。司会は山根幸男氏(TTC代表理事)が務めた。
プロ野球球団トレーナーへの道のり
宮坂氏と五十嵐氏は、ともに鍼灸・あん摩マッサージ指圧師であり、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(AT)の資格を持っている。両氏はプロ野球選手を目指していたが、怪我や競技レベルの壁に直面し、選手のサポートに携わるトレーナーという道を選んだ点でも共通しており、五十嵐氏は「選手の一番近くで働くにはトレーナーが最適だと考えた」、宮坂氏は「自身の怪我の経験から、予防やリハビリに携わりたいと思った」と振り返り、ともに野球選手としての経験が現在の仕事に大きく役立っていると強調した。
五十嵐氏は、トレーナーを目指す上で (さらに…)
デスクトップ(2025年2月20日/1229号より)
デスクトップ(2025年2月20日/1229号より)
2025.02.26
10~20代に多くの時間とそれなりのお金を費やしていたゲームセンターが先月末、29年の歴史に幕を降ろしました。格ゲーで常連と腕を磨き、音ゲーで高みを目指した日々が懐かしいですが、時代とともに家庭用ゲームの進化や娯楽の多様化も進み、晩年は閑散としていました。
閉店当日に訪ねたのですが、店内を歩くのもままならないほどの来客。目を引いたのは年齢層の幅広さで、20代前半から60代以上と思われる人も見かけました。そこかしこで「私が通っていた頃は……」といった言葉が交わされ、多くのゲーマーがお世話になったのだと胸が熱くなりました。
何にでも全盛と引退があり、変わらないものなどないとは分かっているものの、思い出の場所がなくなるのはやはり寂しいものです。(今)
連載『やわらか東洋医学』73 素問・三十五『瘧論』
連載『やわらか東洋医学』73 素問・三十五『瘧論』
2025.02.25
瘧(おこり)は現代医学でマラリアのことです。症状が突然に始まる病で、その様子はまるで虎にいきなり爪で掴み掛かられて襲われるようなので、漢字の中に虎がいます。
岐伯
「発症の始まりはまず細い毛が立ち上がります。次に生あくびが出ます。 (さらに…)
療養費専門委が2月28日に開催、約1年ぶり
療養費専門委が2月28日に開催、約1年ぶり
2025.02.25
柔整・あはきの両療養費検討専門委員会が今週末の2月28日に開催されることが厚労省より発表された。開始時間は柔整が14時から、あはきが14時半から、とそれぞれ30分で予定されている。
同会議の開催は昨年4月末以来、約1年ぶりとなる。議題は公表されていないが、この1年間で政府による医療DXの推進が図られ、それに伴い義務化された「オンライン資格確認」(オン資)に関する現状報告がされるものと思われる。
また柔整においては、昨秋よりオンライン請求導入に向けた議論が非公開の「ワーキンググループ」(WG)で進んでおり、WGでとりまとめられた内容などが公表されることも予想される。
今日の一冊 もしも世界からカラスが消えたら
今日の一冊 もしも世界からカラスが消えたら
2025.02.24
松原 始 著
エクスナレッジ 1760円
カラスの特徴を考えてみると、死肉を含む雑食性、人間の生活圏で暮らす、頭が良いなどが挙げられる。本書ではそんなカラスがいない世界を考察する。生物としてカラスがいないとなれば、どういった動物がその穴を埋めるのか。さらに、カラスの文化的資源としての側面にも触れる。宗教、文学、漫画、アニメなどでカラスは「日常」や「不吉」など、様々なアイコンとして登場する。
生物として文化としてのカラスに迫ると、その役割の多芸ぶりが見えてくる。カラスマニアの著者が送るカラスまみれの一冊。
連載『食養生の物語』141『一日何食?』
連載『食養生の物語』141『一日何食?』
2025.02.23
「胃腸の調子が良くないとき、なにを食べればいいですか?」と尋ねられることがあります。いつも「なにも食べなくていいんじゃない」と返しています。胃腸が優れなければ胃腸を休めるために何も入れないのが一番いいはず。
一日三食食べなければいけないとか、朝食は食べなければならないという思い込みがあるために、「なにを?」とは尋ねても「なにも」という選択肢は出てこないのかもしれません。特に朝食については学校で「朝食を食べていないと忘れ物をする」などと指導されてきた名残でしょう。
日本で朝食を摂るようになったのは300年くらい前からと歴史は浅いようです。もともと農耕民族は夜明けとともに田畑に出て、気温が上がる午前10時くらいに家に戻り、朝と昼を兼ねた食事をしていました。午後にまた作業に出て夕方には戻って夕食、日が沈んで暗くなれば床に就く生活で、一日二食が基本でした。 (さらに…)
「第6回からだケアEXPO東京’25 健康施術産業展」、施術所向け機器・サービスが多数出展
「第6回からだケアEXPO東京’25 健康施術産業展」、施術所向け機器・サービスが多数出展
2025.02.21
健康施術分野の商談型展示会『第6回からだケアEXPO東京’25 健康施術産業展』が2月3日から3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。主催はブティックス株式会社(東京都港区、新村祐三代表取締役社⻑)。
接骨院・鍼灸マッサージ院向けの治療器、自費施術メソッド、院内DX化サービス、健康関連用品などを出展した多数の企業・団体等が集結したほか、活躍中の治療家が会場内で施術メソッドを披露するコーナーも設けられ、来場者の関心を呼んでいた。3日間の来場者数は「介護」をテーマとした併催展を含め延べ12,357人に上った。
低周波治療器の新商品やサブスク特化のサービスなど
医療福祉機器メーカーのオージー技研(岡山市中区)は、新商品となるコンパクト低周波治療器『パルスキュアプロ』を同展示会で初披露した。 (さらに…)
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』239 前脛腓靱帯損傷
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』239 前脛腓靱帯損傷
2025.02.21
竹本晋史(筋・骨格画像研究会)
立位時の重心は内側にあるため、荷重は内側の方が大きい。そのストレスを受けて内側側副靱帯は発達し安定性を高めている。外果は内果より1㎝程度長いために外側の安定性は高くなっている。このように外側の安定性は骨に依存するため、外側の靱帯は弱い傾向にある。
足関節損傷時に前距腓靱帯だけでなく前脛腓靱帯部に疼痛を訴えるケースは多く、足関節を背屈した際に疼痛が発生する足関節前方インピンジメント症候群がある。これは前下脛腓靱帯の下部線維束が挟まると考えられている。この前下脛腓靱帯は4つのバリエーションがあると江玉睦明氏(新潟医療福祉大学理学療法学科教授)らは言っている。
今回はソフトボールの練習で一塁ベースを駆け抜け、急にストップをかけた時に足関節を損傷した症例を報告する。15歳女性。【写真①患側】【写真②健側】前脛腓靱帯に腫脹があり歩行痛、圧痛を認める。 (さらに…)
兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会 周産期に求められる鍼灸師の役割とは
兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会 周産期に求められる鍼灸師の役割とは
2025.02.20
兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会が2月2日に神戸市産業振興センター(神戸市中央区)で開催された。テーマは『鍼灸師のための周産期ケア講座2024』。
安全な出産のために鍼灸師と協働したい
齋藤いずみ氏(関西国際大学保健医療学部看護学科教授)は、助産師は看護師の国試に合格したのち更に1年以上大学などで教育を受け、国試を受験し取得すると説明した。近年は高齢出産などハイリスクな出産が増えたこともあり、助産師の大多数は病院で勤務する現状があるが、「助産師が雇われるばかりでなく、鍼灸をはじめ他職種と連携し、地域でグループで開業する方法を模索したい」との思いを語った。
周産期で特に鍼灸に期待するのは、妊娠7カ月を過ぎ腹部が増大したころから増える、むくみ、静脈瘤、食欲の低下、気分障害などの対処だという。出産が始まってからは産痛、分娩後は子宮を早く元に戻し、母体を回復させるのにも、鍼灸の技術やセルフケアのアドバイスが必要だと力を込める。
また、「出産は体だけの変化ではない」と齋藤氏。かつてイギリスの大学で産婆指導にあたった際、繰り返し「シアツ」という言葉を耳にしたこと、アメリカの医学研究の拠点機関・アメリカ国立衛生研究所(NIH)は代替補完療法に研究を費やしていることなど、海外では伝統的な療法や代替療法の研究・教育に注力している現状を伝えた。他にも海外では身心両面から「女性らしさ」を守ることにも重点が置かれ、出産後には骨盤底筋を保護し尿失禁や膣のゆるみを防ぐケアが保険診療で行われる国もあると話した。日本において医療の発展で救える命が増えたことに反し、出産後に自殺する母親が増えている現状にふれ、産後ケアは医療者で協力して取り組むべき課題であると強調した。 (さらに…)
【速報】厚労省が「あはき・柔整広告ガイドライン」発出
【速報】厚労省が「あはき・柔整広告ガイドライン」発出
2025.02.19
施術所広告の新規制基準に
厚労省が2月18日、あはき・柔整施術所の広告を対象とした新たな指針となる「あはき・柔整広告ガイドライン」を発出した。6年以上に及ぶ厚労省主導の「あはき師・柔整師等の広告に関する検討会」の議論を経てようやく出された。
厚労省は、「本指針は、地方自治法の規定に基づく技術的助言である」としているが、ガイドライン内で「行政指導に従わない、違反広告を繰り返す場合には、告発を検討すること」といった旨の記載もみられ、広告規制の「新基準」といっても間違いないだろう。
今回のガイドラインでは、広告で使用可能な表記・言葉などが明確化された一方、禁止事項についても併せて詳細に設けられている。インターネット広告の扱いや無資格者に対する言及なども盛り込まれている。
厚労省ホームページ「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師に係る広告等」
2024年のアスレチックトレーナー数5,616人、JSPO発表
2024年のアスレチックトレーナー数5,616人、JSPO発表
2025.02.18
2024年10月時点で、全国のアスレチックトレーナーの数が5,616人であることが分かった。日本スポーツ協会(JSPO)がホームページ上で公表しており、数値は「JSPO公認スポーツ指導者制度」による認定者に基づいている。
アスレチックトレーナーは前年より318人増え5,616人だった。5年前(2019年)より約35%(1,477人増)増加しており、年々その数を伸ばしている。
同じメディカル・コンディション資格に該当するスポーツドクターは6,507人(前年比3人減)、スポーツデンティスト(歯科口腔領域)は807人(同80人増)、スポーツ栄養士は555人(同33人増)となっている。
なお、JSPOが2018年7月に実施した「第1回日本のトレーナー実態調査」(回答数1,294名)で、はり師・きゅう師の免許保有者がそれぞれ430人程度と回答者全体の3分の1に上り、あん摩マッサージ指圧師と柔整師もともに2割弱との結果が示されており、上記のアスレチックトレーナーの数にあはき師・柔整師も多く含まれていると思われる。
参考記事:「トレーナー実態調査 AT1300人中、1/3が鍼灸師免許保有」