明治国際医療大学鍼灸学部 40周年記念公開講座
2019.03.10
鍼灸学のフロンティア、矢野学長「唯一生き残るのは変化できる者」
明治国際医療大学鍼灸学部は2月10日、「設立40周年記念講演」として、京都府南丹市の同学内で公開講座を開いた。1978年に国内初の高等教育機関における鍼灸師養成校として明治鍼灸短期大学鍼灸学科が開設されてから、昨年で40周年を迎えたことを記念した事業。テーマは『明治醫新―鍼灸×医療×スポーツ×?』。 (さらに…)
明治国際医療大学鍼灸学部 40周年記念公開講座
明治国際医療大学鍼灸学部 40周年記念公開講座
2019.03.10
鍼灸学のフロンティア、矢野学長「唯一生き残るのは変化できる者」
明治国際医療大学鍼灸学部は2月10日、「設立40周年記念講演」として、京都府南丹市の同学内で公開講座を開いた。1978年に国内初の高等教育機関における鍼灸師養成校として明治鍼灸短期大学鍼灸学科が開設されてから、昨年で40周年を迎えたことを記念した事業。テーマは『明治醫新―鍼灸×医療×スポーツ×?』。 (さらに…)
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』11 公開講座の意義
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』11 公開講座の意義
2019.03.10
今回は、私たちの活動を紹介させていただきます。私たちは2012年、「不妊鍼灸ネットワーク」として活動を開始しました。年3回の研修のうち1回を公開しており、2014年度の第1回公開講座には全国から百人を超える鍼灸師が集まりました。その後も毎年開催し、2017年度、「一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)」に組織変更してからの新たな第1回公開講座(通算第5回)は、初の高度生殖医療施設での開催となりました。
第2回となる今年のテーマは「男性不妊のA to Z」。近年問題となっている男性不妊について、基礎、臨床、最先端の知見まで俯瞰的に網羅する内容となっています。夫婦間の性交渉の頻度が低下している上に、NHKで『精子力クライシス』などという特番が組まれるほど、日本人の精子は危機的な状況を迎えています。精子の状態を良くするためには、6時間以上のきちんとした睡眠、肉より魚、長時間の座位を避ける、ブリーフよりトランクス、熱い長湯を避ける、などが根拠のある生活指導として推奨されています。私たちのライフスタイルの変化の多くが、悪化の手助けをしているのは一目瞭然ですね。精子の状態を良くするのに生活指導が大切なのは、精子が「常に作り続けられている」からです。おおよそ74日間かけて完全な精子になるのですが、そうすると治療の効果判定には、またもや長い加療観察期間が必要となります。更に精子の状態は日々刻々と変化しているので、2、3回の検査で正しい判断はできません。そこで私は、産婦人科で使われているものと同等の位相差倒立顕微鏡一式を導入し、挙児を希望される男性の精子を観察しています。このレベルの設備は鍼灸院では例が無いと思います。精子の成績はランダムに変動しますが、繰り返し細かく観察を続ければ、改善の傾向がしっかりと把握できます。
また、男性の精子力を確認せずに女性不妊を扱うことはできません。「タイミング(性交渉)を取ってくださいね」と言っても、ご主人の精子が不良な場合もしばしばあります。以前、来院された男性不妊の方の場合、当院に来られる前に1年以上通院しておられた鍼灸院では精子の成績には一切言及されず、体調を整えていただけとのことでした。この方の精巣容積は実は7㏄ほどで、造精能力下限でした。器質的に改善不可能なのに1年以上も治療を継続されていたことに驚きました。例えば肩が痛くて腕が上がらないとして、日々の改善の程度を、普通の鍼灸師なら必ず診ると思います。精子の数や運動率などから治療の効果を確認せずに、どうして漫然と治療が行われるのでしょうか。知識も無く検査を推奨もせず、自分でも調べられないなら、そういった患者を安易に引き受けるべきではありません。その間に配偶者の加齢は進み、妊娠しにくくなっていくのです。その重大さを全く理解していません。観察スパンが非常に長い生殖領域ではその精査がとても困難、しかし極めて重要なのです。巷の不妊鍼灸の実技公開は、その効果まで検証しているものはほとんど無いそうです。今回の公開講座で発表する本会の精子研究グループは、何と全員が自分の精子(女性の場合はご主人の精子)で効果を検証しています。まずはそういった姿勢が重要です。
公開講座では、私たちの研究や観察のエッセンスをお届けします。また最先端の研究を行う講師を招聘します。その意義を理解している方々は、毎年受講されています。公開講座は3月24日(日)京都にて。詳細はJISRAMのサイト(http://jisram.com/contents/activities/learning/)で。
【連載執筆者】
中村一徳(なかむら・かずのり)
京都なかむら第二針療所、滋賀栗東鍼灸整骨院・鍼灸部門総院長
一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)代表理事
鍼灸師
法学部と鍼灸科の同時在籍で鍼灸師に。生殖鍼灸の臨床研究で有意差を証明。香川厚仁病院生殖医療部門鍼灸ルーム長。鍼灸SL研究会所属。
あマ指師課程新設非認定処分取消裁判・大阪地裁 学園側、関係者の証人尋問を申請
あマ指師課程新設非認定処分取消裁判・大阪地裁 学園側、関係者の証人尋問を申請
2019.03.10
晴眼者のあん摩マッサージ指圧師養成課程の新設申請を認めなかったとして、学校法人平成医療学園らが国を相手取って処分取消を求めている裁判の12回目となる口頭弁論が2月1日、大阪地裁で行われた。
原告の学園側は前回(昨年11月の口頭弁論)、国があはき法19条の正当性を主張する根拠に用いた、筑波技術大学教授・藤井亮輔氏らによる「あん摩業に関する実態調査」(以下、藤井調査)に反論を行ったが、今回、これに意見を補充する形で、「社会調査方法論並びに社会統計学」に関する見識等を指摘する文書を追加提出。また裁判所に対して、本件を裁く上で、視覚障害者の教育状況に加え、あはき師の資格制度や業界の歴史等の理解を深めてもらうため、原告代表者(平成医療学園理事長・岸野雅方氏)を含めた3名の証人尋問請求と、その3名の陳述書(証人尋問で話す主な内容)も提出。原告代表者以外の2名については、元厚生労働教官で横浜医療専門学校学術顧問の芦野純夫氏、東京都在住の全盲のあはき師。今後、証人尋問を認めるか否かは裁判所の判断となるが、仮に認められれば、岸野氏からは訴訟を提起した経緯や理由等が、芦野氏からはあはき師の免許制度やあはき法19条制定の歴史的経緯等が、全盲のあはき師からは視覚障害者の立場からあマ指師を取り巻く現状の問題点や証言することを引き受けた理由等が語られる予定とされている。
当日の口頭弁論では、「藤井調査」を統計学的に信頼性が無いと指摘した原告側の主張について、裁判所が被告の国側に反論をするように求めていた。
次回弁論は、4月10日を予定している。
東京地裁、証人尋問不要と判断
「法廷に呼ぶまでもない」と原告側
本裁判は同様の内容で、東京地裁と仙台地裁でも係争中であり、進行具合もほぼ同じような状況にある。そんな中、2月下旬に東京地裁が前出の原告側による証人尋問請求を却下した。これについて、原告弁護団は「東京地裁は、不要と判断をするに当たっては陳述書を読んでおり、そもそも最も多忙な裁判所という点からも、法廷で聞くまでもないと判断したのだろう」と話している。
なお、東京地裁、仙台地裁ともに、次回弁論は5月中旬で予定されているという。
泉北鍼灸マッサージ師会、和泉市と災害時の支援協定を締結
泉北鍼灸マッサージ師会、和泉市と災害時の支援協定を締結
2019.03.10
「無資格者の活動への抑止力」にも
泉北鍼灸マッサージ師会(吉田崇生会長)と大阪府和泉市は1月29日、「災害時における支援協力に関する協定」を締結した。災害時に多数の避難者が発生した場合、同市内の避難所で鍼灸マッサージの施術を行い、療養上の相談も受け付ける。また協定には、傷病者に対する応急救護に関する衛生材料等の提供なども盛り込まれている。
同師会は10年にわたり、同市で行われてきた3,000人規模のウオーキングイベントで参加者のケアに従事。更に、泉北地域のさまざまな健康イベントに出展し続けるなど、「普段からの地域貢献が今回の協定締結につながった」と吉田会長はみている。また、北海道の地震の被災地などでは無資格者の活動への対価の授受などでトラブルも生じているとの報告もあり、自治体と公式な協定を締結している国家資格者の団体が支援に従事すれば、そのような無資格者への「抑止力にもなるのではないか」と吉田会長は話していた。
今年のあはき師国家試験を展望する 芦野 純夫
今年のあはき師国家試験を展望する 芦野 純夫
2019.03.10
芦野 純夫 前厚生労働教官(元国家試験評価委員)/横浜医療専門学校学術顧問
あはき師国家試験は平成5年に医療関係では初の民間委託となり、今回で既に27回を迎えている。現在は公益財団法人東洋療法研修試験財団が更に試験業者に外注して行っているが、当初そんな孫請けは認められず、全国の試験場に厚生省職員・OBまでもが動員され、私なども試験官を務めさせられたりもした。
さて、今回の試験問題を見て驚いたのは、前日のあマ指師試験が教科書をほとんど開かずとも解答できるので、元々あマ指は福祉的意味合いから三割方易しめの方針があり、それが徹底してきたのかと思った。しかし、翌日のはき師試験でも午前の試験が終わって出てきた受験生達が「スラスラ解答できた」と口々に言うので、後で問題を見せてもらうと確かに昨年度に比べ明らかに易しい。
思えば鍼灸・柔整とも第1回は合格率が90%前後でスタートし、平成10年の福岡裁判を経て15年の第11回から受験生数が急上昇し、その5年後に鍼灸は倍に膨らんでも合格率は80%前後を保ってきた。それが、はり師で一昨年67.0%、昨年57.7 %と総量規制的な厳しい合格率となっていた。これで打撃を受けるのはボーダーの6割前後に集中している視覚障害者たちだ。ただ、2年後に始まる新カリキュラムでの国試前に、積み残しをできるだけ少なくさせる必要がある。幸い今回試験委員長が交代した。お名前は伏せるが、通例どおり医師で大学教授でもお父さんが盲人のあはき師で、ご自身も経絡テスト法を確立するなど盲人・鍼灸の立場を十分理解されておられる方だ。従って、今まで不合格になってきた者は今回・次回で是非とも合格する必要がある。本欄でも以前取り上げているが、実技を廃止する見返りに施術の理論として別採点となっていた「はり理論・きゅう理論」のほとんどが施術と関係ない、生理学や病理学的な問題で占められており、総合点方式になってからの悪しき傾向である。施術の理論は知らなくても6割取れれば鍼灸師、などと揶揄されないよう望みたいものだ。今回の「はり理論」でも2番鍼の太さと刺鍼中の手技のたわいもない2問だけであった。「きゅう理論」の問題160「足三里へ多壮灸をして、すぐ全身倦怠感を訴えた」というのは、出題者の意図はストレス学説の警告反応期での最初のショック相だと思うが、ラットを氷水に浸けるような実験の場と違い、お灸の感受性も人によって様々であっても、足三里に半米粒大の良質艾を上手に据えて、全身の交感神経が一瞬ダウンするショック状態を来すことはない。考えさせる問題としては良いが、鍼灸師のアイデンティティーを左右する教科だけに、試験委員は慎重に良問を選択して欲しいものだ。
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』111 薄利多売の日本医療に破壊的イノベーションを
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』111 薄利多売の日本医療に破壊的イノベーションを
2019.03.10
つい先日、タイへ行ってきました。チュラロンコン大学との契約と、一般社団法人健康情報連携機構のタイ支部の件、そして、ワット・ポー寺院との会議で、いつものことながら弾丸出張でした。タイはいまだに貧富の差が大きく、中間層が存在しないという点で日本とは大きく異なります。医療についても、富裕層が利用する非常に高価なサービス等が揃っているのが特徴的な一方、マッサージの価格が1時間1,000円ぐらいからと、物価も人件費も非常に安く、日本の医療を考える上で大変参考になります。
日本の医療は、「国民が毒されていて、ほとんどタダと思われていると考えた方が良い」と、とある医療機関の経営者から言われたことがあります。全くその通りで、日本人は医療を保険ありきで考えているために、今後、その呪縛をどのように外していくのかが、大きな課題といえます。鍼灸マッサージや柔整の業界に目を向ければ、今後保険が厳しくなって、自費へと移行するのは疑いありません。ただ、その際に、どの市場で、どういう展開をすればよいのかが、問題であり、重要です。医療の破壊的イノベーションが起きつつある今が、生き残りをかけた大事な時期だと思います。
タイを見て強く思うのは、日本の市場は中間層ばかりだということ。ところが医療に関しては、保険があるため、貧困層でも自由に受けられる素晴らしいシステムとして存在しています。そのため、中間層の購入価格よりも低く設定しなければ売れないような市場になっているのが現状です。さらには、世の中のデフレの流れに乗り、保険点数の適正化という名目と価格競争によって価格が下落していき、薄利多売の状況がずっと続いています。そんな中、保険に依存した業界はそのことにまだ気が付いていません。気付いていたとしても、何とかなると思っているかもしれません。しかし、ヘルスケアの領域で、一部の富裕層に対するサービスを除き多くが安価になり、施術者の利益が下がっているのは、今後保険が厳しくなって適用がもっと制限されてきた時に、多くの病院やクリニック、治療院が破産に追い込まれるリスクとなっています。「集患」や「集客」は価格の抑制ではなく、新しい価値観の創出や、破壊的イノベーションによる抜本的な改革が必要だと思います。
今回のタイ渡航で、6月22~23日に開くチュラロンコン大学での健康情報連携機構主催の解剖実習を実施する契約が済みました。この解剖実習は、私を含めた医師・歯科医師5名による解剖の指導にとどまらず、上記で書いたような医療市場や集患の話、事業展開などのセミナーも内包したイベントとなります。先日、NHKで放送された鍼灸特集の内容を実際の人体で確認する企画も盛り込んでいます。ぜひご参加ください。お問い合わせは、taizo.wakitani@health-info.or.jpまで。
【連載執筆者】
織田 聡(おだ・さとし)
日本統合医療支援センター代表理事、一般社団法人健康情報連携機構代表理事
医師・薬剤師・医学博士
富山医科薬科大学医学部・薬学部を卒業後、富山県立中央病院などで研修。アメリカ・アリゾナ大学統合医療フェローシッププログラムの修了者であり、中和鍼灸専門学校にも在籍(中退)していた。「日本型統合医療」を提唱し、西洋医学と種々の補完医療との連携構築を目指して活動中。
連載『中国医学情報』168 谷田伸治
連載『中国医学情報』168 谷田伸治
2019.03.10
☆癌性疼痛でWHO方式と鍼併用治療を比較
陝西中医薬大学・恵建栄らは、癌性疼痛患者には、WHO方式(鎮痛薬)単独より鍼併用治療が有用と報告(中医雑誌、19年2期)。
対象=同大付属病院の入院患者80例(男42例・女38例)、平均年齢約55歳(43~75歳)、平均罹患期間約123日。内訳:肺癌23例・肝癌10例・乳癌15例・食道癌9例・胃癌9例・前立腺癌6例・その他8例。これをランダムにWHO群・鍼併用群各40例に分けた。
治療法=治療期間2週間。両群ともWHO方式三段階鎮痛法(注)を行った。
<鍼治療>取穴―阿是穴(疼痛範囲内で2カ所以内)、大椎、合谷・大杼・陽陵泉・太衝(以上4穴左右)。操作―0.30×25/40/50mmの鍼で得気後に状況に応じた手法、毎日1回、置鍼30分(5分ごとに刺激1回)。
観察指標=①NRS(症状の程度を数値化:0~10)―完全緩解(完全無疼痛、NRS:0)・部分緩解(NRS減少率50~75%)・軽度緩解(NRS減少率50%未満)・緩解なし、②鎮痛開始までの時間、③鎮痛持続時間、④鎮痛薬服用量、⑤不良反応。
結果=<WHO群>①6.45→3.98(完全緩解12例・部分緩解11例・軽度緩解12例・緩解なし5例・総有効率57.5%)、②3.45時間、③9.43時間、④平均約467mg、⑤悪心15例・嘔吐11例・脱力19例・便秘20例・めまい16例。
<鍼併用群>①6.52→2.90(完全緩解18例・部分緩解15例・軽度緩解6例・緩解なし1例・総有効率82.5%)、②2.21時間、③12.69時間、④平均約198mg、⑤悪心6例・嘔吐3例・脱力4例・便秘5例・めまい4例。
(注)日本ペインクリニック学会HP(https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_keywho.html)参照
☆緊張型頭痛の列欠穴刺鍼治療効果を超音波検査で評価―「四総穴」を検証
広西チワン族自治区柳州市中医病院・郭冬麗らは、緊張型頭痛に対する薬物治療と列欠穴刺鍼併用治療の効果を比較した(上海鍼灸雑誌、19年1期)。
対象=同院脳病科入院患者60例(男28例・女32例)、平均年齢約43歳、平均罹患期間3.72年。これをランダムに、薬物群・鍼併用群各30例に分けた。
治療法=治療期間2週間。両群とも薬物(nimodipine)毎日3回、連続服用。
<鍼治療>取穴―列欠(手太陰肺経の絡穴。四総穴の一つで、「頭頂は列欠に尋ねる」とされる)。操作―上方に向け斜刺0.3~0.5寸、得気後に平補平瀉法、捻転10秒間(毎秒3~5回)を10分ごとに行い、30分後に抜鍼し按圧。
観察指標=①頭痛―視覚的アナログスケール(VAS)、「制御」:VASが0、「著効」:緩解度50%以上、「有効」:同25~49%、「無効」:同25%未満。②治療前後の前・中・後大脳動脈の血流速度―経頭蓋ドップラー超音波検査(TCD)。
結果=<薬物群>制御11例・著効5例・有効4例・無効10例・総有効率66.7%。<鍼併用群>制御19例・著効6例・有効2例・無効3例・総有効率90.0%。
治療後の血流速度でも、薬物群より鍼併用群が有意に改善した。
☆強直性脊椎炎で薬物治療と鍼併用治療を比較
広州中医薬大学・曽文璧らは、難病の強直性脊椎炎の薬物治療と毫火鍼併用治療を比較した(鍼灸臨床雑誌、18年12期)。
対象=国際的診断基準に合致した患者46例(男38例・女8例)、平均年齢約27歳、平均罹患期間約3.78年。これをランダムに薬物群・鍼併用群各23例に分けた。
治療法=治療期間4週間。両群とも薬物(Celecoxib)毎日1回服用。
<鍼治療>取穴―肺兪・厥陰兪・心兪・肝兪・胆兪・脾兪・胃兪・三焦兪・腎兪・大腸兪・小腸兪・膀胱兪。以上12組計24穴から、腎兪を主穴、その他は毎回交叉取穴で計約10穴。操作―0.35×25mmの毫鍼をアルコールランプで燃焼し、直刺約0.5cm、置鍼各穴約5分間、抜鍼後綿花で按圧約1分間。治療後6時間以内のシャワー禁止。2日1回、1週3回治療。
観察指標=視覚的アナログスケール(VAS)。主要症状。
結果=<薬物群>臨床的治癒0例・著効6例・有効15例・無効2例、<鍼併用群>臨床的治癒1例・著効15例・有効7例・無効0例。主要症状でも、鍼併用群が薬物群より有意に改善した。
(付記)火鍼の詳細は、拙訳の賀普仁著『痛みの症状別針灸治療』(静風社)を参照下さい。
【連載執筆者】
谷田伸治(たにた・のぶはる)
医療ジャーナリスト、中医学ウォッチャー
鍼灸師
早稲田鍼灸専門学校(現人間総合科学大学鍼灸医療専門学校)を卒業後、株式会社緑書房に入社し、『東洋医学』編集部で勤務。その後、フリージャーナリストとなり、『マニピュレーション』(手技療法国際情報誌、エンタプライズ社)や『JAMA(米国医師会雑誌)日本版』(毎日新聞社)などの編集に関わる。
商品紹介 山正『新温灸純艾條』
商品紹介 山正『新温灸純艾條』
2019.03.10
燃焼時間、自社比較で約1.4倍
株式会社山正(滋賀県長浜市)の棒灸『新温灸純艾條』。
ロングセラー『温灸純艾條』の仕様・パッケージ・個装を、価格は据え置きのまま一新した。従来は手作業で行っていた紙巻きの工程を機械化したことで、品質が安定。燃焼時間も自社比較で約1.4倍と、今までよりも長時間の使用が可能になった。艾の重量は従来品と同じだが、密度を一定にする機械工程によって全長は1cm短縮し、コンパクトに。入り数は1箱10本入り。
製品に関しての問合せは同社(0749-74-0330)へ。
Q&A『上田がお答えいたします』 「目薬をさした時に頚椎捻挫」はダメ?
Q&A『上田がお答えいたします』 「目薬をさした時に頚椎捻挫」はダメ?
2019.03.10
Q.
「起床後目薬をさすために頚部を伸展した(顔を上に向けた)際に頚部に損傷が発生した」のが負傷原因だったから「頚椎捻挫」で療養費を申請したところ、健保組合から「そんなことで首を捻挫などしないので支給できない」と言われました。
A.
おっしゃっているケースでは、起床後の筋の虚血状態から頚部伸展動作による筋収縮で筋への血液再環流が発生していたと思われ、整形外科書では、これは筋損傷のメカニズムの一つとして挙げられています。また、点眼薬を注視する姿勢により板状筋、頭半棘筋、肩甲挙筋、僧帽筋など頚部後方の筋群が遠心性収縮しており、筋緊張状態にあったと考えられます。筋腱移行部に負荷許容量を超える張力が加わったのが原因で損傷が起こることがありますが、その際に特に受傷のリスクが高いのは「あらかじめ収縮している、あるいは緊張により血圧が高まっている筋組織である」との説明もあります。
神経筋の誤動作の観点からも考えてみましょう。点眼薬をさす際、点眼薬を注視する頚部屈曲位から点眼するため、頚部伸展動作が行われます。頚部屈曲位を保持する頚部後方の板状筋、頚半棘筋、肩甲挙筋などが頭部前方位保持のために遠心性収縮し、その後頚部伸展のために伸展動作主動作筋として誘導するよう求心性収縮に移行。同時に、拮抗筋である頚部前面筋群も頚部屈曲位では求心性収縮し、伸展動作に移行すると遠心性収縮します。点眼薬をさすという動作は、これら頚部の前部筋群と後部筋群の筋制御によって成立するのです。しかし、そもそも日常において頚部屈曲は多くみられる動作ですが頚部伸展はあまり行われておらず、トレーニングされていない動作であると言えます。そして、重量のある頭部が細い頚部上で移動すると大きな力がかかります。頚部伸展においては、頭部の重さが外力として働くのです。また、柔整師の養成施設で使用されている教科書『柔道整復学・理論編改訂第6版』には、外傷性筋損傷は「準備状態にない時に外力が加わった場合などにも発生する」とあります。ご相談のケースでは起床後でいまだ交感神経が優位な状態でなく、頚部屈曲位から伸展する動作の際は筋が収縮変化する準備状態ではなかったと推察され、筋損傷発生の条件は十分に整っていたと言えます。
以上のことから頚椎捻挫として療養費の支給対象になりますが、今回の事例に限らず、起床後の、洗顔中のうがいや髪を強引に後方へすく、かき上げるといった動作による負傷も同様に支給対象になるでしょう。
【連載執筆者】
上田孝之(うえだ・たかゆき)
全国柔整鍼灸協同組合専務理事、日本保健鍼灸マッサージ柔整協同組合連合会理事長
柔整・あはき業界に転身する前は、厚生労働省で保険局医療課療養専門官や東海北陸厚生局上席社会保険監査指導官等を歴任。柔整師免許保有者であり、施術者団体幹部として行政や保険者と交渉に当たっている。
森ノ宮医療大学大学院学術セミナー エビデンスは正しく伝わっているか?
森ノ宮医療大学大学院学術セミナー エビデンスは正しく伝わっているか?
2019.03.10
鍼灸治療と機能性表示食品について
森ノ宮医療大学大学院(大阪市住之江区)の第83回学術セミナーが2月5日、同大学で開催された。テーマは『補完代替医療のエビデンスは医療消費者に正しく伝わっているか』。
同大学鍼灸情報センター助教の大川祐世氏は、特定の疾患に対してどんな治療をすべきか、すべきでないかなどを推奨・勧告するCPG(診療ガイドライン)について説明。現在、上腕骨外側上顆炎や顔面神経麻痺、間質性膀胱炎など13の疾患のCPGにおいて鍼灸治療の推奨度が記載されていると述べた。大川氏らは、これらの信頼性やクオリティーは実際にどれほどのものか、また各CPGにおいて鍼灸治療の推奨度は適切に決定されているかを調査。CPG作成の過程でエビデンスの質を評価するシステム「GRADE」と、CPGそのものの質を評価する「AGREEⅡ」を参照したとした。その結果、13のCPGのうちGRADEを参考にして作成されていたものは2つのみで、AGREEⅡによる評価では全体的なCPGの質は必ずしも高いとは言えなかったと解説した。ただ、顔面神経麻痺、慢性頭痛、過敏性腸症候群のCPGでは鍼灸治療が過小評価されており、上腕骨外側上顆炎と間質性膀胱炎のCPGについては最新の情報に基づいていないため改訂が必要であると指摘した。
同センター教授の山下仁氏は、消費者庁のホームページに掲載されている機能性表示食品の臨床試験論文や研究レビュー報告書を精査。機能性に関する科学的根拠の質には臨床研究の方法論的に問題があるものが少なくなく、特に研究レビューは、査読付き学術雑誌では到底認められないレベルであるにもかかわらず「有効性が示唆される」などと結論しているものがあると指摘した。消費者庁による審査の無い届出制で、事業者の責任において機能性が表示されるものだからこそエビデンスの質や表示の適正性が求められると説き、一方で、表示に対する誤認などを防ぐための、国民のヘルスリテラシーを向上させる教育や活動も必要であると述べた。
光文社から新刊 『ひざ痛は「お灸」で消える!』
光文社から新刊 『ひざ痛は「お灸」で消える!』
2019.03.10
ひざ痛は「お灸」で消える!
東大病院の鍼灸名医が「自宅灸」を初伝授
株式会社光文社から新刊『ひざ痛は「お灸」で消える! 東大病院の鍼灸名医が「自宅灸」を初伝授』が発行された。著者は東京大学医学部付属病院リハビリテーション部鍼灸部門主任の粕谷大智氏。A5判120頁。本体価格1,200円。
梁丘や血海、陰陵泉など膝痛に効 く「奇跡の8つのツボ」を紹介。セルフで施灸できるよう、分かりやすいカラー写真を多用して簡単な取穴法を指南する。膝痛解消のための「こりほぐし」や「お助け筋づくり」、「減痛ウォーキング」といった「粕谷式ひざケア術」も掲載。灸の種類や歴史といった知識も学べる内容となっており、「膝痛に関する書籍は数多く出版されているが、『膝痛にお灸』という切り口で丸ごと一冊という本はほとんどない」と同社。
※読者プレゼントの応募は終了しました。
連載『汗とウンコとオシッコと…』175 弱るが上に
連載『汗とウンコとオシッコと…』175 弱るが上に
2019.03.10
今年は春の訪れが早い。2月の後半にウグイスの声を聞いたのは、筆者は初めてだ。紅梅も白梅も満開で、桃の花すら開花しかけている地域もあるという。局所的大雪こそあったものの、日本では全体として暖冬だった。スキー場は涙目だ。ただ一方で、アメリカでは死人続出の大雪とか……全体で帳尻を合わせる、この星の力には驚きを隠せない。
これだけ春が早いと、決まって感染症が増え、それから横隔膜の下で血管が弛緩して、筋が脱力する、膝痛、ぎっくり腰、少腹痛が増えるか、横隔膜の上で弛緩して眩暈が増えるか、血管の弛緩でアレルギー反応が強く現れだす。あるいは交感神経優位になり過ぎて、血管が収縮して頭痛や肋間神経痛などが出やすくなる。前者のような弛緩性の反応が強く現れる人は、高齢者や女性、運動不足で貧血・低体温・低血圧の人が多い。今回もそんな一例だ。
「先生、最近喉の具合が悪くて……咳や痰が出るんですけど……」
と、80歳に手が届く、やせ型の老婆が来院している。元々、圧迫骨折由来の痛みを楽にしてほしいという理由で来院していたが、その症状は、今はほとんど出ていない。およそ半年前まで手押し車からの通院だったが、今や念のため、疲れた時のためにと杖を持っているだけというところまで回復した。横転先生によれば、それより厄介なのは、時折症状を訴える、間質性膀胱炎だという。
「え~、肺や気管支に影響しだしたんか……歳のせいでもあるけど、本格的な老化突入やな。それで、医者は何か言ってたんか?」
「慢性気管支炎って。でも、本格的な炎症でもないから薬が無いって言ってました……」
「気の利いた言葉を出す医者やな。それ、ワシが言うんやったら、老人性体温低下性偽物気管支炎やな。『歳やからしゃ~ないし、薬が無いわ、ババア、諦めろ』っていうところを、優しく言ってくれてるだけや。うん。ワシも見習わなあかんな。ハハハ……」
「え? 治らない? マシにならないんですか……?」
「その症状は朝が苦しいわけやな。動き出すとマシ……」
「はい、そうなんです」
「寝てる時のフラット状態で、血管が緩んで血圧が下がる。心臓のポンプだけでは、足に流れた血の戻りが少ないんだわ。つまり、寝てる間に血圧が下がり過ぎるわけやな。そしたら、身体は頑張らなあかんと思って、部分的に気管支が締まる。でも、本物の喘息でもないし、心拍数が上がり過ぎての問題の気管支拡張剤を使うものでもない……っていうことなんや。寝てる時に血圧が下がり過ぎんよう、調整はするけど……」
「けど?」
「ショウベンが出だすとマシになるけど、あかんかったら、寝る時にベッドの上半身を少しだけギャッジアップしてくれ。それでマシになるやろ」
「それって、もしかして……寝たっきりの人の姿勢?」
「そうやな。血液がサラサラになる系の薬も飲んでるやろ。それもまた、歳の弱りにつけ込む副作用になっとる」
「ベッド、ちょっと上げてみます。でも、私、もう、そんな年齢か……」
寂しげにつぶやく老婆だった。
【連載執筆者】
割石務文(わりいし・つとむ)
有限会社ビーウェル
鍼灸師
近畿大学商経学部経営学科卒。現在世界初、鍼灸治療と酵素風呂をマッチングさせた治療法を実践中。そのほか勉強会主宰、臨床指導。著書に『ハイブリッド難経』(六然社)。
連載『医療再考』1 医療は必ず変わる~未来の医療のカタチを想像する~
連載『医療再考』1 医療は必ず変わる~未来の医療のカタチを想像する~
2019.03.10
今、インターネットやAIの普及により、人の暮らしや働き方が大きく変化しようとしています。特に、人口減少が著しい本邦では、AIの活用は急務です。近い未来、AIを積極的に活用した社会システムが構築されていくことは間違いないでしょう。メディアは「AIの進歩によって無くなる仕事」として事務職や受付などを挙げる一方で、「無くならない仕事」として外科医や鍼灸師、柔整師を含む、専門技術を身に付けた職種を挙げています。実際、鍼灸師や柔整師の中にも、「自分たちの仕事は安泰だ」と思っている人は少なくないでしょう。ですが、それは本当なのでしょうか?
AIの技術は日々進歩しています。特にディープラーニングというシステムの開発以来、単純な作業しか行えなかったコンピューターは急速に人間のように自分で考える力を備えるようになっており、将棋では「Ponanza」、囲碁では「アルファ碁」が、プロに勝る能力を証明しました。2045年には、AIは人間の知能を超えるとも言われています。これから、AIの力を利用した自動車(自動運転)や商店(無人コンビニ)などが次々と社会に実装されていくでしょう。これは医療の世界でも同じことだと言えます。既に遺伝子や画像解析など診断サポート、総合診療の支援、さらには健康管理などでは、AIの活用が加速しており、今後、医療はAIの力なしで行うことが難しくなっていくでしょう。我々は、何をAIに任せ、何を自分で行うのかを選択することになるのです。
また、AIが人間の代わりに様々な仕事をしてくれるということは、言い換えれば、AIがお金を稼いでくれるということになります。そのお金を国民に還元し、最低限の生活保障をサポートしようという制度、ベーシックインカム(BI)の社会実験が、フィンランドなどで行われています。こうした取り組みが実現すれば、嫌な仕事をわざわざ人間がやる必要はなくなります。働くことの意味や価値も大きく変化することから、疾病構造さえも変化していくことが予想されますね。
ですがそもそも、AIは人の脳に近付いているわけですから、「AIに奪われない仕事」とは、「AIにはできない高度な仕事」というより、「奪う必要のない、魅力のない仕事」と解釈すべきなのかもしれません。柔整師や鍼灸師の仕事はどうでしょうか。また、さらに深刻な問題があります。AIが社会実装された時、AIが描く世界の社会構造が鍼灸師や柔整師を必要としていなければ、AIが我々を導いてくれることもないということです。
そこで、今回からは新たに「医療再考」というタイトルを掲げ、これからの社会、特に医療はどのように変化していくのか、そしてそのために我々は何を準備しないといけないのかを、国内外のモデルを紹介しながら再考していきたいと思います。
【連載執筆者】
伊藤和憲(いとう・かずのり)
明治国際医療大学鍼灸学部長
鍼灸師
2002年に明治鍼灸大学大学院博士課程を修了後、同大学鍼灸学部で准教授などのほか、大阪大学医学部生体機能補完医学講座特任助手、University of Toronto,Research Fellowを経て現職。専門領域は筋骨格系の痛みに対する鍼灸治療で、「痛みの専門家」として知られ、多くの論文を発表する一方、近年は予防中心の新たな医療体系の構築を目指し活動を続けている。
『ちょっと、おじゃまします』 ~医療過疎地に鍼灸師を~ 西尾竜一さん、田中恵佑さん(鍼灸クリエイティブ集団Nat’s)
『ちょっと、おじゃまします』 ~医療過疎地に鍼灸師を~ 西尾竜一さん、田中恵佑さん(鍼灸クリエイティブ集団Nat’s)
2019.03.10
介護福祉士や薬剤師といった他職種を演者に招いたイベントや小児はりのセミナーなどを主催し、鍼灸の普及啓もうにも力を入れている『鍼灸クリエイティブ集団Nat's(ナッツ)』。鍼灸師の西尾竜一さん(30歳)と田中恵佑さん(33歳)が代表・副代表を務めています。
二人はそれぞれに独立開業していますが、独立前は鍼灸マッサージの往療専門の会社で同僚でした。往療の現場では、介護や福祉関係者とのつながりができたとのこと。飲み会などで親交を深めていったといい、その縁で介護・福祉関連のイベントにボランティアスタッフとして参加するように。昨年、「自分たちも何かやろう!」と、どちらからともなく声を掛け合い、ナッツを立ち上げました。手始めに、スポーツトレーナーとして活躍している鍼灸師や、薬剤師、介護福祉士、鍼灸用品販売業者らが新人鍼灸師へ向けて講演するイベントを開催。今年2月には、西尾さんが得意とする小児はりのセミナーを開きました。イベントの告知はフェイスブックを中心としたSNSのみですが、いずれも40~50人が参加したそうです。遠方は九州からの参加で、事後のアンケートには「西日本ではこういうイベントがほとんどない。もっと開いてほしい」との要望が。こうした声を受け、5月には岡山でのセミナーを予定。また、3月31日に大阪・梅田で一般向けに行われる自閉症啓発イベントに、ナッツとして初めて鍼灸体験ブースを出展します。
ゆくゆくは、「医療過疎地に鍼灸師を送り込みたい」とのこと。昨年、日本海に浮かぶ離島、島根県の中ノ島で催された音楽フェスに鍼灸ボランティアで参加。その島の医療関係者といえば、作業療法士が一人だけだったそうです。地方にはそんな地域がたくさんあり、一方、都市部では過当競争で鍼灸師として食べていけない人が少なくないと二人は指摘します。「鍼灸師を、必要とされる場所へ」。これも、ナッツの活動目的の一つとなっています。
【鍼灸クリエイティブ集団Nat’s】
Facebook https://www.facebook.com/181673392597369/
今日の一冊 なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか――「つながり」と健康格差
今日の一冊 なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか――「つながり」と健康格差
2019.03.10
なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか――「つながり」と健康格差
村山洋史 著
ポプラ新書 864円
昨年、イギリスで「孤独担当大臣」が新設された。「孤独が人の肉体的、精神的健康を損なう」として、「孤独」に困っている人々への総合的な政策を主導するという。「孤独」による経済的損失は約4.9兆円に上るという試算もある。保健学博士の著者は、食事や運動、喫煙よりも、人との「つながり」が我々の健康に影響を与えると指摘。「つながり」が身体や脳、心にどんな影響を及ぼすのか、健康で長生きするために生活において何を意識すればいいのか、最先端の研究などを交えて分かりやすく解説する。
編集後記
編集後記
2019.03.10
▽理事就任を要請されました。理事は組織・団体を代表し業務を管掌する地位にあるもので責任重大。この業界にも活躍する理事さんがたくさんいます。ただ、私の場合は今住むマンションの管理組合役員改選で順番が回って来ただけ。来期は4名の役員が任期満了で大変ですが仕事で遅くなる日は集会を欠席せざるを得ないので断るつもりで理事会へ。「管理代行業者の言う事に首を縦に振るだけでいいから」と説得する理事長。それでも「仕事が忙しい」と首を横に振る候補者達。こんなやりとりにげんなりして、「私は協力させていただきます」とうっかり手を上げちゃった。すると拍手がパチパチパチ。あれっ、いい気分だ。帰って妻に自慢したら、「理事が代行業者の言いなりではアカンよ」と諭されました。(松)
第5回あはき師・柔整師等の広告検討会 景品表示法を議題に、勉強会?
第5回あはき師・柔整師等の広告検討会 景品表示法を議題に、勉強会?
2019.02.25
消費者庁「包括的でなく、あくまで案件ごとの規制」
2月14日、5回目となる「あはき師・柔整師等の広告に関する検討会」が都内で開かれ、前回までの議論の中でたびたび問題視された無資格業者の広告への対処に関連し、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)が今回議題に上げられた。あはき法・柔整師法の見直しに関する議論・言及は一切なく、当初予定していた「平成30年度中にガイドラインとりまとめ」ははっきりしないままだった。
景品表示法については、消費者庁の表示対策課長補佐が参考人として招かれ (さらに…)
『医療は国民のために』266 諸悪の根源「保発32号」が廃止されても支給対象は何も変わらなかった
『医療は国民のために』266 諸悪の根源「保発32号」が廃止されても支給対象は何も変わらなかった
2019.02.25
鍼灸療養費の支給対象となる疾病は、ご存じの通り、厚生省保険局長による昭和42年9月18日付の保発第32号通知により、「慢性病であって医師による適当な治療手段のないもの」とされてしまい、また「主として神経痛・リウマチなどであって類症疾患については、これら疾病と同一範ちゅうと認められる疾病(頸腕症候群・五十肩・腰痛症及び頸椎捻挫後遺症等の慢性的な疼痛を主症とする疾患)に限り支給の対象とされている」ことと極めて限定的な枠がはめられてしまっている。鍼灸業界で保険を取り扱う者たちからは、これ以降、保発32号は「諸悪の根源の」と長年忌み嫌われる通知となっている。
それが、昨年5月24日付の料金改定に関する厚労省通知で「保発32号は平成30年10月1日をもって廃止する」と明記された。一部の業界関係者は「医師による適当な治療手段のないもの」をうたった32号が廃止され、療養費の支給対象疾病の見直しが図られることを期待した……のだが、ふたを開けてみれば、この諸悪の根源の「表現」は温存されたままとなった。保発32号は廃止されたにもかかわらず、平成30年6月20日付の厚労省通知で、保発32号通知に由来する「箇所」が支給対象としてそのまま引用されたのだ。
では、そもそもなぜ厚労省は、この保発32号を廃止しなければならなかったのか。その理由は、「医師による適当な治療手段のないもの」という記述以外に、保発32号の中には医師の同意書(口頭同意等)に関する記述があったからだ。平成30年10月の施術分以降、医師の同意に係る取り扱いが大幅に変更され、▽同意書は必ず添付、▽口頭同意は認められない、▽支給可能期間が3カ月→6カ月に延長など、これまでの医師の同意の取り扱いを廃止する必要が出てきた。むしろ、通知発出の重要性は医師の同意書の取り扱い変更であり、支給対象には何の変更もないのである。「医師による適当な治療手段のないもの」はどっちみち今後も継続されるというわけだ。そして、もう一つの疑問として、なぜ「医師による適当な治療手段のないもの」の元通知であった保発32号を廃止しても運用を変更しないのか。それは、これこそが鍼灸の保険対象を6疾患に限定しておく砦であって、保険対象の拡大を認めないとする医師会側に対する国が提供できる「担保」であるからだろう。すなわち、「医師が治せないと白旗降参して、さじを投げたもの」だけが鍼灸の保険対象になるという、いわば″はじめに医師ありき〟の西洋医療優先施策を崩せば医師会側が黙っていないことを、国はよく知っているからなのだ。
「医師による適当な治療手段のないもの」との表現が存在する限り、鍼灸療養費の支給対象が拡大していくことは今後もないに等しい。
【連載執筆者】
上田孝之(うえだ・たかゆき)
全国柔整鍼灸協同組合専務理事、日本保健鍼灸マッサージ柔整協同組合連合会理事長
柔整・あはき業界に転身する前は、厚生労働省で保険局医療課療養専門官や東海北陸厚生局上席社会保険監査指導官等を歴任。柔整師免許保有者であり、施術者団体幹部として行政や保険者と交渉に当たっている。
「鍼灸師の機能訓練指導員」で 介護予防研究会が厚労省と協議
「鍼灸師の機能訓練指導員」で 介護予防研究会が厚労省と協議
2019.02.25
「6カ月の実務経験」の撤廃、容易ではない
NPO介護予防研究会(佐藤司理事長)が2月8日、平成30年度より資格要件に認められた「鍼灸師の機能訓練指導員」について、都内で厚労省と協議を行った。同研究会は平成17年に発足し、介護予防に関する調査・研究等のほか、研修事業も実施しており、今春からは介護保険の現場で即戦力として活躍できる機能訓練指導員の鍼灸師等を養成する「認定研修」もスタートさせる。
当日は、佐藤理事長と理事の中川裕章氏、厚労省側からは老健局ら関係部局の7名の担当者が出席。公明党の横山信一参院議員も同席したという。協議に当たっては、同研究会が要望書を提出。▽鍼灸学校において、機能訓練指導員の基礎知識や技術的支援が獲得できる教育カリキュラムの創設、▽現在示されている「6カ月の実務経験」という要件に加え、鍼灸師が現場で活躍できる専門的な知識・技術が得られる研修会、教育カリキュラムを2021年度介護保険改正までに創設、▽現場での研修制度に関して、業界団体なども含めた合意形成ができる場の設置、などを要望として求めた。
これらを受け、厚労省側は、今後の制度改正は、社会保障審議会介護給付費分科会で丁寧に話し合わなければならず、平成30年度に機能訓練指導員要件も緩和したばかりで早急には難しいとした上で、「障害者雇用への影響を統計調査する必要もあり、何らかの調査を進める方針だが、詳細はまだ決まっていない」「6カ月の実務経験については、分科会の意見交換時にそれ以上の期間を求める委員もおり、撤廃は容易ではない」との見解を示した。ただ、同研究会の行う「認定研修」への否定的な意見は無く、また現場の声を聞くという観点から同分科会に同研究会を招聘することは可能だとの回答も得られたといい、「好意的に要望を聞いてもらえた」と中川氏は話す。
同研究会では現在、鍼灸師の機能訓練指導員に関するアウトカム指標(普及率、施設属性、男女比率、雇用率等)を分析・検討しており、他団体とのコンセンサスを図りながら、さらなる認定研修の推進と要件緩和等に向けた取り組みを進めていくとしている。
柔整療養費施術管理者の新要件 新卒者対象の特例、来年度も適用
柔整療養費施術管理者の新要件 新卒者対象の特例、来年度も適用
2019.02.25
今年3月の国家試験での免許取得者
「実務経験1年→実務研修7日間」
今年度より、柔整療養費の受領委任を取り扱う「施術管理者」になるに当たって要件が強化された中、「直近の国家試験で免許取得後、すぐに施術管理者となる計画をしている柔整師」に限り認められていた「特例」が、来年度も延長されることが分かった。厚労省が2月13日付の通知で示した。
従来は柔整師の免許保有者であれば、施術管理者になれていたのが、昨年4月以降、新たに要件として「実務経験」と「研修の受講」が義務化された。ただ、その中で養成校在学中の学生に考慮した対応として、国家試験合格後、柔整師となってすぐ開業して施術管理者となることを計画している者については「特例」が認められており、通常では1年の実務経験(他の施術所での勤務経験)が必要なところを「7日間の実務研修でもよい」との緩和措置を設けている。今回、「延長された特例」に該当する柔整師は、「2019年3月の国家試験で資格を取得した者」であり、5月末日までに施術管理者になるための申出・届出を行う必要がある。