『ちょっと、おじゃまします』 ~骨折診られる「希望の星」に~ 滋賀県彦根市<ステラ整骨院>
2019.09.10
高校時代、柔道の県大会を前に腰を痛め、出場も危ぶまれていた時、救ってくれたのが柔道整復師の先生だったという伊藤先生。痛みから解放され、見事、優勝するとともに、自分も同じように誰かの夢を守りたいと思うようになりました。
柔整師免許を取得し、勤務先を考えるに当たって最も重視したのは、骨折や脱臼を診る技術の習得でした。一度は病院に勤務したものの、「多くの外傷を診る機会はありましたが、やはり『医師が診断を下した後』が主。それでは指先で体の状態を知る経験は積めないと考えました」とのことで、1年ほどで退職。外傷を多く扱う大阪の整骨院で約8年間、多い日は100人以上もの患者さんを5、6人の施術者で診る日々を過ごし、迅速かつ的確に打撲・骨折を診る技術を身に付けました。ただ、上腕骨大結節骨折を打撲と判断して見逃してしまうといった苦い経験もあり、昨年3月の独立開業時にはエコーの導入を決めたといいます。
開業した立地は、「患者さんをスムーズに紹介できるように」と市立病院のすぐ隣。地域連携室がある病院なら、一般の診療所と違い、紹介後に必ず連絡があり、その後の経過を教えてもらえるだけでなく、固定やリハビリを任せてもらえることも多いとのこと。開業からの1年半で、3件の骨折を紹介したという伊藤先生。その中にはかつて見逃してしまったのと同じ上腕骨大結節骨折の患者さんもおり、「病院から連絡を受けた時は、ようやく柔整師の本分が果たせたような気持ちでした」と話します。
「『整骨院に骨折患者は来ない、骨が折れたら病院に行く』などと言い切る先生もいますが、大事なのは、自覚なく来院した患者さんの骨折を見逃さないことです」と話す伊藤先生。今後は、あくまで柔整師本来の業務を基盤にしながら、勤務時代に取得したケアマネジャーの資格を生かしたデイサービスといった事業にも手を広げていきたいと展望を語ってくれました。
伊藤佑磨先生
平成21年、京都医健専門学校卒業。同年柔道整復師免許取得。平成30年開業。32歳




