『ちょっと、おじゃまします』 ~20年以上を一つの院で~ 大阪市東淀川区<ニシノ整骨院>
2019.10.10
親族に柔整師がいたものの、自らの進路としては考えていなかった井戸内先生。転機は大学時代、柔道部の試合中に頚を捻挫、一人で歩けないほどの痛みで、部員に肩を貸されて近隣の整骨院に運び込まれたことでした。的確な処置のおかげで自力で帰ることができたことに感動し一念発起。大学卒業後、その整骨院でアルバイトをしながら専門学校に通い、鍼灸・柔整の免許を取得しました。そして、実はこの整骨院こそ、今も働き続けるニシノ整骨院。アルバイト期間を含めて勤続年数は実に24年、人生の半分以上をこの院で過ごし、2年前に新たな院長として院を受け継ぎました。「患者さんを治すだけではなく、その後の生活の向上を図るという前院長の理念に共感したからこそ、ここまで来られました」と話します。
ニシノ整骨院には現在8人の施術者が勤務し、患者さんは1日100人弱。傾向としては外傷がやや多く、骨折の固定に包帯を多用することが最大の特徴です。特に腰の固定にサラシ包帯を使うのは珍しいとかで、コルセットより負担が少なく、早い治癒が期待できるそうです。伝統技術だけにこだわるわけではなく、院内にはパルス療法や酸素カプセルといった機器も。もちろん、理念の通り、治癒後の運動指導にも力を入れており、院内の運動スペースのほか、別フロアに併設したグループのデイサービスとも連携して患者さんのサポートに当たります。
柔整師は骨折を含めた外傷を診られて一人前と考えるニシノ整骨院では、新人施術者は3年間の修業期間を経て、ようやく患者さんを任されるとか。もちろん井戸内先生も、この修業期間を経験。教育プログラムのアップデートも重ねつつ、「今後も業界のため、技術と経験を兼ね備えた新人育成に努めていきたいです」と語ってくれました。
井戸内 学先生
平成10年、明治東洋医学院専門学校鍼灸学科卒業。同年はり師、きゅう師免許取得。平成13年、同校柔整師科卒。同年柔道整復師免許取得。46歳