Q&A『上田がお答えいたします』 「殿部挫傷と大腿部挫傷は近接部位?」に決着を
2020.06.25
Q.
殿部挫傷と大腿部挫傷で保険請求をすると、問題なく支払われる場合もあるのですが、中には「上部なのか、下部なのか」の記載を求められたり、柔整審査会から近接部位であることを理由に不備返戻されたりします。
A.
私は、殿部挫傷と大腿部挫傷が近接部位を理由として認められないとの認識には立っておりません。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 「殿部挫傷と大腿部挫傷は近接部位?」に決着を
Q&A『上田がお答えいたします』 「殿部挫傷と大腿部挫傷は近接部位?」に決着を
2020.06.25
Q.
殿部挫傷と大腿部挫傷で保険請求をすると、問題なく支払われる場合もあるのですが、中には「上部なのか、下部なのか」の記載を求められたり、柔整審査会から近接部位であることを理由に不備返戻されたりします。
A.
私は、殿部挫傷と大腿部挫傷が近接部位を理由として認められないとの認識には立っておりません。 (さらに…)
連載『食養生の物語』85 感染症の温故知新
連載『食養生の物語』85 感染症の温故知新
2020.06.25
緊急事態宣言の解除から日常へ戻りつつある中での梅雨入り。なんだか早いような気がしていますが、実際には平年よりはやや遅めのところが多いようです。とはいうものの、暑さに身体が慣れていないこともあって季節の移り変わりがすごく早く感じる中で、熱中症や食中毒といったこの季節特有の心配が出てきます。熱中症対策には水分補給と言われますが、あながちそうとは言い切れません。東洋医学では「水毒」といって、過剰な水分が溜まることで冷えを始めとした様々な不調の原因とも考えられています。 (さらに…)
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』20 『汗をかこう』
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』20 『汗をかこう』
2020.06.25
閉じこもっていた間、あらゆる種目のスポーツが練習さえできない状況でしたが、少しずつ再開しはじめたという明るい話が増えてきました。 (さらに…)
今日の一冊 精神科医が教える聴く技術
今日の一冊 精神科医が教える聴く技術
2020.06.25
精神科医が教える聴く技術
高橋和巳 著
ちくま新書 880円
「聞き上手」と呼ばれる人は、適度な相槌を打ち、話し手に「賛成してもらえた」という安心感を与えながら、自分も不全感を溜めないようにするものだ。だが、プロはそれではいけないと著者は言う。複雑な悩みに寄り添うには、賛成と反対、両方の気持ちを理解する必要があり、実は非常に高度な技術だからだ。本書では、カウンセリングを「黙って聴く」「賛成して聴く」「感情を聴く」「葛藤を聴く」の4ステップに分けて解説。「心は深いレベルでは論理的に動いている」と語る精神科医の著者が教える「聴く技術」。
『医療は国民のために』296 柔整業界側が送り付けていた医科併給に関する「問題文書」の顛末に思う
『医療は国民のために』296 柔整業界側が送り付けていた医科併給に関する「問題文書」の顛末に思う
2020.06.10
柔整団体、主に日本柔道整復師会(日整)と健康保険組合連合会(健保連)との間でトラブルが発生している。原因は、以前に本欄で取り上げた「日整が保険者や行政に送った医科との併給に関する文書」だ。この文書で日整が主張したのは、①厚労省通知で示された様式例や国会答弁には法的拘束力はない、②留意事項(医療課長通知)に併給を制限する規定が存在しない、の2点の根拠を基に「併給は認められる」というもの。そして、この主張が誤りであったことは既に解説済みなので割愛し、ここでは「文書をめぐる事の経緯」に触れたい。
まず昨年のうちに、文書は日整から傘下の47都道府県柔整社団の会長宛てに送られ、周知されたようだ。次に、これを原案にし、昨年12月10日付で、日整と全国柔道整復師連合会(全整連)の会長連名で健保連の都道府県連合会長宛てに送付され、その後、東京の健保連本部にその内容が伝わった。最後に、今年2月20日付の文書が日整の保険部長の名で、地方厚生(支)局指導総括管理官宛てに発出された。二つ目の文書は第16回柔整療養費検討専門委員会に、三つ目の文書は第17回同委員会にそれぞれ保険者側から提出資料として出され、表沙汰になった。
(さらに…)
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』26 サピエンス全史
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』26 サピエンス全史
2020.06.10
まだ続く5月のヒマさの中で「ジタバタしても仕方ない」と、ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史 上下巻』を3週間で読了したのですが、固定観念が根底から揺さぶられました。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』140 医療は戯言か?
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』140 医療は戯言か?
2020.06.10
全国で緊急事態宣言が解除され、コロナ自粛は継続するものの、飲食店などの営業も再開し、都心でも少しは日常に戻ってきた感じがします。
さて最近、友人の医師らがSNS上で話題にしていた書籍があります。 (さらに…)
連載『中国医学情報』183 谷田伸治
連載『中国医学情報』183 谷田伸治
2020.06.10
☆新型コロナウイルス肺炎患者の温灸法―中国鍼灸学会「指導意見」
中国鍼灸学会は、新型コロナウイルス肺炎患者の温灸法を発表(中国鍼灸、20年2期)。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 「他の療法による費用を請求しないこと」とは 「自費」を認めないということ?
Q&A『上田がお答えいたします』 「他の療法による費用を請求しないこと」とは 「自費」を認めないということ?
2020.06.10
Q.
あはき療養費の受領委任の取扱規程19に「請求に当たって他の療法に係る費用を請求しないこと」とあるのは自費メニューを一切認めないということでしょうか。
A.
そうではありません。「あはきの施術を療養費支給申請書で申請するに当たって (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』190 Gravity
連載『汗とウンコとオシッコと…』190 Gravity
2020.06.10
なぜか今、カメムシが多い。元々カメムシには暖かい場所を好む性質がある。家の中に入ってくるのはそういう理由であり、奴らが多い時の冬は豪雪すると言われている。普通は秋口によく見かけるのだが、5月半ばからやたらと家の中に飛来して、悪臭で鼻をひん曲げてきている……。つまり、気候は秋口のようなモノというわけだ。紫外線が強い割には涼風が吹き、皮膚が焼けているのに口渇を感じない、というわけだ。しかも気温差が20度近くになり心臓や循環器に影響する。ましてやコロナ騒動で運動不足が助長させられて放熱がうまくいかず、熱中症のようになり救急車の搬送数が増える……。元気な人では関節腫脹や皮膚の痒みなどが出るか、寝違い様の体表が冷える割に中で熱がこもった腰痛や頸部痛などが現れやすい……。
「先生、昨日の朝から腰が痛くてね。ギックリ腰って感じではないんですけど……。まあ、田んぼに肥料を入れたんだけど、重たいものを持って捻った時のような腰の痛みじゃあないんですわ」
と、40代前半の農家の西田秀長という体格のがっしりした男性が来院した。話を聞くのは横転先生だ。 (さらに…)
連載『医療再考』16 社会構造の変化にどう対応するのか―BI時代における鍼灸治療の意味
連載『医療再考』16 社会構造の変化にどう対応するのか―BI時代における鍼灸治療の意味
2020.06.10
今回はBI、ベーシックインカム(basic income)の話です。BIとは、最低限所得保障の一種で、政府が全ての国民に対して、最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策のことです。最低所得が保証されるなんて夢のまた夢のような気がしますが、人工知能(AI)が進歩・普及すると、仕事の多くは奪われてしまうかもしれません。そうなると、単純作業のような仕事の多くがなくなる一方、その分AIが価値を創出します。AIが普及した世界は「失業者は多いが、生産性が高い社会」となり、AIが稼いだ社会の富を再分配する方法として、BIが注目されているのです。 (さらに…)
今日の一冊 僕は偽薬を売ることにした
今日の一冊 僕は偽薬を売ることにした
2020.06.10
僕は偽薬を売ることにした
水口直樹 著
国書刊行会 1,980円
睡眠薬依存症の減薬に代替品として「偽薬」が役立つかもしれない。偽薬を与えることで「薬を飲み忘れた」と主張する認知症患者を安心させられるかもしれない――。薬学系の大学院を修了し、製薬会社の研究員を経て「偽薬を売る会社」を設立した著者は冒頭のような提案をしつつ、一方で「偽薬には効果があるのだ」とも主張する。プラセボ効果とは何なのか、なぜ「効く」のかを突き詰めていくと科学や科学に依拠する現代医療の限界が見えてくる。科学の申し子が、科学の向こう側を透視する「超問題作」。
『医療は国民のために』295 柔整療養費の受領委任における「復委任」に思う
『医療は国民のために』295 柔整療養費の受領委任における「復委任」に思う
2020.05.25
昨年末、大阪の整骨院グループが、事実と異なる柔整療養費の請求を組織的に行っていたとの疑惑が報じられ、業界外でも大きな話題となった。このグループ内の整骨院の請求が関連の請求代行会社で一括提出されていたことから、2月に開かれた厚労省の柔整療養費検討専門委員会で「復委任」が俎上に載せられ、今後議論が展開される見通しだ。
そもそも、この「復委任問題」とは何なのか。まず確認したいのが、受領委任の取り扱いとは、療養費の申請権者である被保険者(国保の場合は世帯主)に支給される療養費を柔整師(協定及び契約上では「施術管理者」)が受け取ることを認めた事務処理である。そして、被保険者等が柔整師に療養費の受け取りを委任し、これを受けてさらに施術管理者が自分の属する団体の長に委任することを「復委任」と言っている。
ここで留意すべきなのは、被保険者が窓口では3割しか支払っていない事実と、一部負担金相当額である3割を控除した7割が保険者から支払われることから、柔整師にしてみれば患者に残りの7割の施術料を請求できる債権(残金請求権)がある一方、支給された療養費はあくまで被保険者に帰属するものだから患者に返さなければならない(受領金返還債務)が、この債権と債務が同額であることに鑑みて、柔整師の手元において相殺することで、結果的に療養費が被保険者等に支払われたとする事務取扱いなのである。厚労省の通知によれば、施術管理者の元で相殺処理が完結しているが、実際は、療養費の取り扱いを団体の会長宛てに施術管理者がさらに委任しているのが一般的である。
そんな中、保険者が「団体の長(会長とか理事長とか)が受領することは、国の通知では全く触れていない」ので、冒頭のような不始末が起きたと決め込み、「国の通知どおりに施術管理者の受け取りのみを認め、復委任に基づく組織団体への入金を阻止すべし」と、専門委員会の議論の場で主張し出したのだ。確かに施術管理者が所属団体の長へ受り取りを再度委任することは、厚労省通知のあずかり知らないところで、あくまでも民法の規定に基づくものということになるだろう。協定や契約の当事者として、地方厚生局長や都道府県知事が復委任を認めないと言えるのかどうか、ここは民法上の解釈の問題であることから、法令解釈上許容されるのかどうかが今後議論されることになろう。
とはいえ、「協定」に論拠を置く「包括としての復委任」として、「契約」とは異なることを理由に、協定だけが引き続き各都道府県柔道整復師会(社団)の会長やその傘下に位置付けられる協同組合理事長宛てに療養費の送金を認められるとなれば、同一資格・同一免許にもかかわらず、国が「ダブルスタンダード」を認容することにもなりかねない。このような判断をしないとは思うが、通知に何の規定もない復委任を、この際、明確にしておく必要はあるものと考える。
ちなみに、保険者が「認めない」と豪語しているが、保険者は協定や契約の当事者ではないのだ。
【連載執筆者】
上田孝之(うえだ・たかゆき)
全国柔整鍼灸協同組合専務理事、日本保健鍼灸マッサージ柔整協同組合連合会理事長
柔整・あはき業界に転身する前は、厚生労働省で保険局医療課療養専門官や東海北陸厚生局上席社会保険監査指導官等を歴任。柔整師免許保有者であり、施術者団体幹部として行政や保険者と交渉に当たっている。
連載『先人に学ぶ柔道整復』二十一 吉雄耕牛(中編)
連載『先人に学ぶ柔道整復』二十一 吉雄耕牛(中編)
2020.05.25
耕牛を訪ねた多くの一流学者たち
江戸時代に、オランダ語通詞でありながら「吉雄流外科」を興し、接骨家など多くの門弟を抱えていた吉雄耕牛は、医術(整骨も含む)のほか、天文学、地理学、本草学などを修め、蘭学を志す者にこれらを教授しました。今回は、耕牛の元を訪ねた学者たちを見てみたいと思います。
最も関係が深かったのは、オランダ商館付のスウェーデン人医師であるカール・ツンベリーだと言われています。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』139 「非接触」の新規産業の創出
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』139 「非接触」の新規産業の創出
2020.05.25
この原稿を書いている時点で、39県で緊急事態宣言が解除されて、残り8つの都道府県が継続しています。解除された地域の治療院は患者さんの戻りはどうでしょうか。ポストコロナの議論は気が早いと言われるかもしれませんが、既に社会では「ポスト自粛」の変化に気がついている人も多いと思います。もう元の世の中には戻らないだろうと感じている人も多いことでしょう。 (さらに…)
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』182 第5中足骨基底部骨折(下駄骨折)②
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』182 第5中足骨基底部骨折(下駄骨折)②
2020.05.25
竹本 晋史(筋・骨格画像研究会)
前回、第5中足骨基底部骨折、いわゆる「下駄骨折」について、超音波画像観察装置(以下、US)を用いて患部を観察した症例を紹介した。今回はその整復と経過観察について報告する。なお患者は50代の男性で、段差に気付かず足を踏み外し、左足関節を内反強制され負傷。昨年の12月13日に来院した。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 「医科の半分」のままでは代わり映えせず
Q&A『上田がお答えいたします』 「医科の半分」のままでは代わり映えせず
2020.05.25
Q.
先日、柔整療養費の令和2年度の料金改定案が示されました。いつも思うのですが、プラス改定の実感が全くないような部分しか上がりませんよね。
A.
従来から「医科の改定率の半分」ということで料金改定枠があらかじめ設定されていて、今回は診療報酬のうち医科の改定率である0.53%の半分の0.27%。これでは思い切った引き上げなど到底できません。いつも影響率の小さな「骨折・脱臼、不全骨折」の整復料や固定料、後療料の引き上げにとどまるのは、引き上げに使える「財源」が少なすぎるからですね。
本来であれば、 (さらに…)
連載『食養生の物語』84 五月病の兆候
連載『食養生の物語』84 五月病の兆候
2020.05.25
五月病が心配な時期になりました。五月病とは、4月からの入学や就職など新しい環境に適応しきれず、5月のゴールデンウイーク明け頃になって、精神的な症状が表れ始めること。医学的には「適応障害」あるいは「うつ病」に当たります。新型コロナウイルス感染拡大防止からの緊急事態宣言は多くの都道府県で解除されたものの、まだまだ前を向きにくい状況が続く今、こうした症状が長引く恐れもあります。 (さらに…)
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』19 『ごはんの食べ方』
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』19 『ごはんの食べ方』
2020.05.25
東洋医学は、天と地に合わせて生きる考え方です。 (さらに…)
今日の一冊 人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差
今日の一冊 人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差
2020.05.25
人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差
詫摩佳代 著
中公新書 902円
なぜ天然痘は根絶に成功し、マラリアとポリオはまだ根絶されていないのか。その背景にはワクチンや治療法の発見といった問題に加え、国際政治上の問題があった――。サーズ、新型インフルエンザ、エボラ出血熱、そして新型コロナウイルス。感染症のパンデミックは今なお頻繁に人類を襲い、恐怖と混乱に陥れている。そうした世界で、人類が健康を確保するために作り上げたのが病に対する国際協力体制、「グローバル・ヘルス」だ。WHO設立の過程、感染症との歴史を追いながら、その役割と限界を論じる一冊。