連載『柔道整復と超音波画像観察装置』236 変形性膝関節症の一症例と描出のポイント
2024.11.21
松本尚純(筋・骨格画像研究会)
総務省統計局によると2022年9月15日時点で、日本の65歳以上の高齢者は3,627万人で、総人口に占める割合は29.1%と過去最高を記録している。同時に高齢人口の増加に伴い、健康維持を目的としたスポーツやウォーキング、筋トレなどに励む人も相対的に増加し、荷重関節である膝痛に悩む来院者は増加傾向にあるように感じている。繰り返し使用することにより発生する軽度~重度の膝関節の負傷も散見する中で、今回は変形性膝関節症(以下膝OA)について紹介する。
80歳男性。歩行中、右膝崩れを起こし負傷。両側の膝OA。歩行痛および内側裂隙部周辺の疼痛、軽度腫脹。徒手検査による前、後十字靭帯並びに内外側側副靱帯の損傷なし。有痛性跛行。
【画像①】のようにO脚で明らかな変形がある場合には、大腿骨内側顆もしくは脛骨内側顆に骨棘がみられる。また内側側副靱帯より中心部に腫脹や水腫の状態も確認した。
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