「19条違憲ではない」、晴眼者のあマ指師課程新設で初の司法判断
2019.12.16
あはき法19条の規定により、晴眼者のあん摩マッサージ指圧師養成課程の新設を国が認めなかったとして、学校法人平成医療学園がその処分取消を求めた訴訟で、東京地裁は12月16日、視覚障害者の職域優先の観点から19条は憲法に違反しないとし、原告の学園側の訴えを棄却する判決を下した。
主張を退けられた学園側は控訴する構えだ。(今後発行の弊紙で、判決内容などを詳述)
「19条違憲ではない」、晴眼者のあマ指師課程新設で初の司法判断
「19条違憲ではない」、晴眼者のあマ指師課程新設で初の司法判断
2019.12.16
あはき法19条の規定により、晴眼者のあん摩マッサージ指圧師養成課程の新設を国が認めなかったとして、学校法人平成医療学園がその処分取消を求めた訴訟で、東京地裁は12月16日、視覚障害者の職域優先の観点から19条は憲法に違反しないとし、原告の学園側の訴えを棄却する判決を下した。
主張を退けられた学園側は控訴する構えだ。(今後発行の弊紙で、判決内容などを詳述)
帝国データバンクが整骨院等の経営状況を発表 2018年度収入高が2,000億円超
帝国データバンクが整骨院等の経営状況を発表 2018年度収入高が2,000億円超
2019.12.10
―前年度4.8%増、療術業者含む約2,000社調査―
整骨院・療術・マッサージ業者1,888社の2018年度における収入高合計が2,038億4,800万円で、前年度比4.8%増――株式会社帝国データバンクが、2019年10月時点の同社の企業データファイル(147万社収録)を用い、治療院等の経営実態に関する調査を行った結果を11月11日に発表した。調査対象は整骨院・マッサージ院のほか、療術業者も含まれ、同様の調査は初めてという。
「収入高合計」は、2016年度から3期連続で収入高が判明した1,888社を対象としている。2018年度は2,038億4,800万円で増加傾向(下表参照)を示しており、収入高トップはリラクゼーション大手の「株式会社りらく」で、次いで整体サロン『カラダファクトリー』運営の「株式会社FJG」、整骨・鍼灸院『げんき堂』運営の「株式会社GENKIDO」と続いた。帝国データバンクは「中堅・大手業者は新規出店で増収につなげており、小規模業者では高齢者を中心としたリピーターを確保できた業者が多くみられた」と分析している。
2018年倒産85件
競合激しく、淘汰も
倒産動向についても調査結果を公表。2018年の倒産件数は85件で、2000年以降、最多を記録し、また、ここ10年間で3倍超と増加傾向が続いている。2019年も10月までの倒産件数が既に78件発生しており、2018年に迫るペースで推移しているほか、「負債1,000万円~5,000万円未満」の小規模業者の倒産が目立ったという。帝国データバンクは、自費メニュー(骨盤矯正など)のシェア拡大に注力する整骨院が増える中、今後リラクゼーション業者と競合し、淘汰が加速する可能性を指摘している。
第64回日本生殖医学会学術講演会 JISRAMの徐大兼氏が登壇
第64回日本生殖医学会学術講演会 JISRAMの徐大兼氏が登壇
2019.12.10
―生殖医療「国内最大級」の学会で―
第64回日本生殖医学会学術講演会が11月7日、8日、神戸国際会議場・展示場(神戸市中央区)で開催された。同学会はヒトと動物の生殖医療に関する学術の発展を目的として活動しており、医師や獣医師、研究者など、数千名の会員を擁している。今回の学術講演会は演題数600弱、参加者2,500人以上という「国内最大級」の規模となった。統合医療をテーマとしたシンポジウムではJISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)代表理事の中村一徳氏が医師と共同で座長を担当し、シンポジストの一人として、鍼灸師の徐大兼氏(アキュラ鍼灸院、JISRAM事務局長)が講演を行った。
徐氏は、近年、米国ではART(高度生殖医療)と鍼灸を併用する患者が増えていると説明。マサチューセッツ州の高度生殖医療施設「ボストンIVF(体外受精)」のドマール博士の研究によると、対象患者の30%がIVF前に鍼灸治療を受け、47%がIVF中に利用していたと解説。現在鍼灸を現場で提供している、または鍼灸院と提携している施設は米国の高度生殖医療施設全体の50%以上に上るのではないかとの、博士の推論を紹介した。
反復不成功例でも鍼灸で妊娠率向上
また徐氏は、自身が責任者を務める京野アートクリニック高輪の鍼灸ルームで行った、不妊患者への鍼灸治療の効果についての調査結果を発表した。調査では、2002年にPaulusらが不妊に対する鍼灸治療で有意な結果を示したプロトコールに星状神経節へのレーザー照射を追加。鍼灸を実施しなかった群の妊娠率が33.4%で流産率が28.3%だったのに対し、鍼灸群では妊娠率54.3%と大きく上回り、流産率は15.8%と低く抑えられたと述べた。対象となった患者のうち凍結胚移植3回以上の反復不成功例の患者については、鍼灸を実施しなかった患者の妊娠率は24.8%だったのに対して、実施した患者の妊娠率は54.5%に上ったと説明した。
シンポジウムにはほかに、著書『The Fertility Diet(邦題:妊娠しやすい食生活)』で知られるジョージ・E・チャヴァロ氏(ハーバード大学公衆衛生大学院栄養免疫学准教授)、太田邦明氏(福島県立医科大学産科婦人科学講座ふくしま子ども・女性医療支援センター)、古賀文敏氏(古賀文敏ウイメンズクリニック)が登壇、栄養学などの観点から妊孕性について語った。
日本伝統鍼灸学会第47回学術大会 ICD-11における経脈病証の使用状況
日本伝統鍼灸学会第47回学術大会 ICD-11における経脈病証の使用状況
2019.12.10
―ICD-11における経脈病証の使用状況
最多は膀胱経、次いで胆経など―
日本伝統鍼灸学会の第47回学術大会が11月23日、24日、東京都内で開催された。テーマは『日本伝統鍼灸の確立に向けて―日本の鍼灸の発想と継承』。
JLOM委員会報告では明治国際医療大学大学院特任准教授の斉藤宗則氏が登壇し、国際疾病分類第11版(ICD-11)に伝統医療分野が導入された経緯と現状を概説した。中国や韓国はICD-11の活用のために国を挙げて症例集積を行っていると指摘。日本でもその作業が急務であるとして、昨年10月から12月にかけて行った『国際疾病分類第11版における経脈病証の鍼灸臨床使用状況の調査』の結果を発表した。症例数2,617(調査協力者213名)のうち最も多かったのが膀胱経(811例、31.0%)で、次いで胆経(447例)、腎経(431例)などとなっており、奇経八脈は正経と比べると少ないと説明。主訴は腰痛が447例(17.1%)と最多で、膝痛、肩痛が続いたとし、上位10主訴(49.5%)は「痛み」と「こり」が占めたと述べた。斉藤氏は、このようなデータを集め続ければ鍼灸受療患者の実態を明らかにできるだけでなく、主訴や西洋医学的病名と経脈病証との関連性も追求できるとして、協力を呼び掛けた。
学生限定のセミナーでは同学会会長の形井秀一氏(洞峰パーク鍼灸院院長)、長野仁氏(森ノ宮医療大学大学院教授)、寄金丈嗣氏(六然社)が講演や実技を行った。形井氏は、触診では「圧痛があるということを、圧痛を感じさせる前に分かるのが理想」だと説明。触診の練習の際には、術者側はとにかく手の感覚を磨き、被術者側は常に、左右差などの感覚を言語化して術者に伝えなければならないと学生らに説いた。長野氏は、押手で鍼を回旋させて刺手で送り込む古法による刺鍼法を、寄金氏は散鍼を披露した。
ほかに会頭講演『易と鍼灸』(小林詔司氏・積聚会名誉会長)や教育講演『「黄帝内経」千年の定説を覆す』(松田博公氏・日本内経医学会)、特別対談『脈診と経絡治療について』(篠原孝市氏・日本鍼灸研究会/浦山久嗣氏・経絡治療学会)、実技講演『散ずる鍼を尋ねて』(南谷旺伯氏・旺針療所)、一般口演などが行われた。
現代医療鍼灸臨床研究会 第50回記念大会 現代医学的視点の追求、25年
現代医療鍼灸臨床研究会 第50回記念大会 現代医学的視点の追求、25年
2019.12.10
―設立当初は業界の反発も―
現代医療鍼灸臨床研究会の第50回記念大会が10月27日、東京大学鉄門記念講堂(東京都文京区)で開催された。25周年の節目を記念して、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣の橋本聖子氏が講演を行うなど、盛大に催された。
坂井友実会長(東京有明医療大学教授)は講演で、会の成立を振り返った。現代医学的な視点から病態を把握すること、治療の方針は鍼灸にも現代医学にも限定しないことを特徴とし、平成7年に設立。会の名称は、発足当時は医師からの鍼灸の理解がないだけでなく、鍼灸界にも「病院のメニューに組み込まれるのは業界の不利益」という空気が蔓延していたため、業界内の反発を抑えるため、あくまで臨床研究に限定した会だと説明するために決めたと語った。現在も続く、一つの疾患や症状をテーマと定め「テーマについて解説する基礎講座」「第一線で活躍する鍼灸師を集めたシンポジウム」「専門医による教育講演」を行う三部構成も発足当時からだと説明。テーマの内訳は、節目の記念回を除く45回中、23回が運動器で、うち腰痛が6回と最多。神経内科(6回)、婦人科(5回)、癌(2回)が続くと述べた。
また、小内愛氏(埼玉医科大学東洋医学科)は、平成29年に埼玉県医師会と合同で行った、4地方(北海道、東北、近畿、九州)の医師会会員を対象にした鍼灸への意識調査、及び先に実施した関東での調査結果を報告。「先生の施設で鍼灸治療を実施していますか」には九州・近畿・北海道が3%、東北地方は0%で、関東の7%と比べて低く、「特定の鍼灸施術所と連携している、またはしたことがありますか」には東北4%、九州・近畿6%、北海道16%、関東9%。一方、効果や安全性が理解できれば推奨したいとの回答は、4地方よりも埼玉県内が多いことに触れ、地域による意識差を示唆した。
山口智氏(埼玉医科大学東洋医学科)はこうした歴史的経緯や調査を踏まえ、改めて、鍼灸師には日常の臨床のために現代医学的な視点を身に付け、東洋医学的な視点と併せ持つ必要があると指摘。医療連携の推進は鍼灸師の資質にかかっていると呼びかけ、同研究会の活動を推し進めていくことを宣言した。
このほか、東京有明医療大学学長の本間生夫氏による呼吸機能に関する基調講演、特別企画『専門医が語る鍼灸師との連携の成果』が行われた。
晴眼者のあマ指師課程新設めぐる裁判 仙台地裁も結審で、来年4月に判決
晴眼者のあマ指師課程新設めぐる裁判 仙台地裁も結審で、来年4月に判決
2019.12.10
東京、大阪、仙台の各地裁で争われている、晴眼者のあん摩マッサージ指圧師養成課程の新設をめぐる裁判が終盤を迎えている。12月2日に仙台地裁で15回目となる口頭弁論が開かれ、全ての審理が終了(結審)。判決の言い渡し日時が令和2年4月27日の15時と決まった。これで3地裁全てが結審し、判決を待つのみとなった。12月16日には、他に先立ち、東京地裁で判決が下される。
フレアス、「人材登録サイト」オープン
フレアス、「人材登録サイト」オープン
2019.12.10
―採用活動の強化と、あマ指師の雇用機会増を目的―
往療マッサージ事業を全国展開する株式会社フレアス(澤登拓代表取締役社長)が、スマートフォン等からでも登録できる人材登録サイト「フレアス人材バンク」を開設した。同社の採用活動の強化に加えて、あん摩マッサージ指圧師免許を有しながら就労できていない施術者の雇用機会を増やすことを目的に設置。登録は無料で、勤務地のほか、時短勤務等の「働き方」を希望できる。同社は、3月に東証マザーズに上場し、2019年9月現在、往療マッサージの拠点は38都道府県97(FC含む)。
第8回あはき師・柔整師等の広告検討会 ガイドライン案、厚労省が提示
第8回あはき師・柔整師等の広告検討会 ガイドライン案、厚労省が提示
2019.11.25
インターネットは規制の対象外に
11月14日、8回目となる「あはき師・柔整師等の広告に関する検討会」が開かれ、過去の議論を踏まえて、厚労省が「広告ガイドライン案」を初めて提示した。意見が対立している「治療」「整骨院」の文言使用の可否などは引き続き議論を促し、それ以外は厚労省案に対する意見を聴取する形で話し合いがされた。ただ今回、突如として、「無資格施術・無資格者行為」を一括した「非医業類似行為」という用語 (さらに…)
ハリトヒト。マーケット 「教員、学生を支援できていない」?
ハリトヒト。マーケット 「教員、学生を支援できていない」?
2019.11.25
養成校、教員の在り方で提言など
『ハリトヒト。マーケット』が10月27日、関東鍼灸専門学校(千葉市美浜区)で開催された。
鍼灸業界、鍼灸学生向けウェブマガジン『ハリトヒト。』の製本化第二弾を記念したイベント。これまで掲載してきたロングインタビューのインタビュイーの中から、内原拓宗氏(関東鍼灸専門学校副校長)、赤星未有希氏(鍼灸師、がん情報ナビゲーター)、横山奨氏(アイム鍼灸院)、松田博公氏(鍼灸ジャーナリスト、黄帝内経研究家)が講演や対談を行い、企業や団体などのブースも出展した。
内原氏は業団や各流派、保健所、医師、税務署、メーカーといった就業鍼灸師を取り巻く環境について図説。教員は通常の教育だけでなく、これらに対する理解を深めた上で業界の水先案内人として学生をサポートしなければならないと指摘。しかし実際は学校の中にこもっていることが多く、十分にできていない現状にあると述べた。また、看護師やPTなどの他の医療職に比べ業団の組織率が低いことや、学術団体に所属している鍼灸師の数が全体から見るとわずかに過ぎない点に言及。養成校が、業団や学会と卒業生とをつなげられていないのが要因の一つだと説いた。
学生、色々な流派学びたい
内原氏からの「どんな養成校が望ましいか、養成校に何を求めるか」との主旨の質問に対して複数の参加者から意見が挙がった。教員経験を経て開業したという甲野功氏(あじさい鍼灸マッサージ治療院)は、近年の養成校が国試対策を重要視している実態に触れた一方で、臨床の大切さも強調。「国試に受かりさえすればいい」という生徒向けと、「卒後すぐに開業したいので臨床も充実してほしい」というニーズに応える二つのコースを設けるのはどうかと述べた。小貫英人氏(日本伝統鍼灸学会理事)は養成校では実技教育が不足しているとして、「卒後養成校」を提言。関東圏など同じエリアの複数の養成校が共同で、諸流派の臨床家を招いて実技の授業を行う場を設けるといった案を挙げた。鍼灸学科2年生の学生は、通っている学校は授業時間外のセミナーが豊富だが、スポーツや美容といったカテゴリーの内容が多いと指摘。古今の流派や治療法を学んで、自分に合ったものを見つけたいと訴えた。
▲企業などもブースを出展。施術体験も
AMDA、宮城県で鍼灸支援 台風19号
AMDA、宮城県で鍼灸支援 台風19号
2019.11.25
1週間で延べ142人施術
災害時等に医療・保健衛生分野の支援活動を行う「認定特定非営利活動法人AMDA」(アムダ)が、台風19号で甚大な被害を受けた宮城県丸森町の避難所で、10月23日から31日の間、鍼灸支援を行った。AMDA災害鍼灸ネットワーク代表世話人・今井賢治氏によると、「避難所内で日に日に鍼灸が認知され、自宅の片付けや職場から帰宅した避難者などの夕方以降のニーズも少なくなかった」とし、延べ142人に施術したと話す。また、活動終了後も避難者が鍼灸治療を受けられるように、地元の治療院を訪問し、被災状況などの把握に努めた。鍼灸支援チームが避難所を撤退する31日には、業務を再開した治療院3軒に引き継ぎをしたという。
写真:AMDA提供
照会文書の誤送付、52件 滋賀後期高齢、あはき療養費で
照会文書の誤送付、52件 滋賀後期高齢、あはき療養費で
2019.11.25
11月7日、滋賀県後期高齢者医療広域連合が、あはき療養費の照会文書を本人以外の被保険者に誤って送付していたことをホームページで公表した。
対象者は7月に県内の特定の施術所で施術を受けた被保険者で6市・52件。そのうち37件は配達先不明で戻ってきたものの15件は全く違う被保険者に届いてしまったという。同連合は当該被保険者に謝罪するとともに、文書の回収を行った。
委託業者が宛名の住所と氏名の組み合わせを誤って印字したことが原因。同連合は業者にチェック体制の強化を指示し、業者においては文書作成時及び発送時の確認を複数人で実施して、確認が完了したもののみを発送するよう徹底するとしている。
レポート YNSA学会全国大会、盛況に
レポート YNSA学会全国大会、盛況に
2019.11.25
創始者・山元医師が実技を披露、新しい治療点も
10月19日、『第7回YNSA(山元式新頭鍼療法)学会全国大会』がシェラトン・グランデ・オーシャンリゾート宮崎(宮崎市)で行われた。台風19号による飛行機の欠航が相次いだにもかかわらず、全国から100名近い鍼灸師、医師、歯科医師、獣医師らが集まった。
一般口演7題、ポスター発表は4題が行われ、日本国内のみならず、トルコの医師や台湾の中医師からも発表があり、YNSAに対する世界的な注目度の高さがうかがわれた。また初の試みとして、会員によるYNSAシンポジウムも行われた。特別講演は加藤直哉医師による『人は死んだらどうなるのか―死生学研究で学位を持つ日本唯一の医師、加藤が伝える死後世界の科学的研究』。死後の世界や臨死体験などについて、客観的かつ科学的な学術研究を重ねた結果導き出された講演の内容に、全員が熱心に聴き入っていた。最後のセッションでは、YNSA創始者で会長の山元敏勝医師が実技を披露。デモンストレーション患者の様々な症状が山元医師の治療によってみるみる良くなっていくさまに、会場からは驚きの声が上がっていた。また今回も全国大会限定で新しい治療点が披露され、YNSAの更なる発展の可能性を感じさせた。
閉会の言葉として副会長の山元美智子医師が「皆でこれからもYNSAで患者さんを笑顔にしていきたい」と述べ、盛大な拍手とともに全国大会は終了した。(YNSA学会事務局長 冨田祥史)
広告検討会の厚労省担当者「ガイドライン、今年度めどに」 全鍼師会の全国大会で明かす
広告検討会の厚労省担当者「ガイドライン、今年度めどに」 全鍼師会の全国大会で明かす
2019.11.10
昨年5月以降、7回開催されている「あはき師及び柔整師等の広告に関する検討会」の厚労省担当者が、新たな広告規制等を盛り込んだ「広告ガイドライン」を今年度内に策定・公表したい考えであることが分かった。10月20日、21日に横浜市内で開かれた全日本鍼灸マッサージ師会(伊藤久夫会長、全鍼師会)の第18回東洋療法推進大会の中で明かした。また、ガイドライン施行後の展望にも言及した。 (さらに…)
台風19号に伴う特例措置 あはき療養費にも適用
台風19号に伴う特例措置 あはき療養費にも適用
2019.11.10
台風19号の被災者に対し、医科等で講じられている特例措置があはき療養費にも適用される。厚労省が10月30日付の事務連絡で示した。患者の避難先への往療や、被保険者証等の紛失で施術所に提示できない場合でも受療が認められるなど。令和2年1月末の施術まで適用される。
こころ鍼灸協会オープニングセミナー 心身をケアできる鍼灸師育成へ
こころ鍼灸協会オープニングセミナー 心身をケアできる鍼灸師育成へ
2019.11.10
経絡治療や美容鍼、中医学など
一般社団法人こころ鍼灸協会(吉田小百合代表理事)のオープニングセミナーが9月22日、東京都内で開催された。同協会は「こころとからだの両側面からケアができる鍼灸師または医療関係者の育成、仕事支援、社会貢献」を目的に発足。今後の活動の一環として経絡治療や美容鍼、漢方などの様々な講座の開催を予定しており、同セミナーは講師陣の紹介を兼ねたものとなった。
日本伝統鍼灸学会理事で呉竹学園臨床教育研究センターマネージャーの船水隆広氏が『こころの病に鍼治療』をテーマに講演と実技を行った。精神と肉体は一体で分かつことができないという概念を表す「心身一如」は本来、「身」に重きを置いた「身心一如」であったと説明。鬱病などはまず、頭が痛い、だるい、眠れないといった身体症状が先に来るが、これらを改善することで鬱そのものの治療につながると述べ、鍼灸師の得意とするところだと説いた。患者の目を閉じさせた際にまつ毛が震えている、舌診で舌の震えが認められるといった場合は気血両虚、髪がパサついているのは津液不足、腎と深く関わる耳が硬くなっているのは相当な疲労がたまっているから、など診察のポイントを列挙。鬱病の人は胸鎖乳突筋が硬くなっていることが多く、頚部を緩めるのも有効だと話した。実技では、経脈に沿って気を流すため、?鍼を当てて、回して、手で触れる、を繰り返す「さざ波」、2本の?鍼で同時に2カ所を押す「双龍」といった独自のテクニックを披露。セイリン株式会社製のセラミック電気温灸器を?鍼のように用いる使用法も紹介した。
東京医療専門学校専任講師の松峰理真氏は、「Could you fill out this medical questionnaire?(この問診表に記入してくれませんか)」「Could you lie on your back?(仰向けになってもらえますか)」といった、臨床で使える英会話についてレクチャー。また実技では、眼の下のくまが青ければ?血、黒であれば気虚、茶色ならば陰虚、などの知識を交えつつ美容鍼を行った。
心療内科・ベスリクリニック理事長の田中伸明氏は鬱病などの精神疾患の薬物治療に代わるとされる最新の治療法、TMS(磁気治療)を紹介。TMSと鍼灸治療の効果の発生機序を図説して類似性を指摘した。
ほかに、飯田泰久氏(グローバル・ジェロントロジー・センター理事)による『南カリフォルニア大学ジェロントロジー学/美齢学』、針生信氏(株式会社針信代表)の『漢方薬から見る本当の中医学』が行われた。
『お灸フェス』、杉山和一縁の地で 一般参加者交え講談やお灸体験
『お灸フェス』、杉山和一縁の地で 一般参加者交え講談やお灸体験
2019.11.10
東京都鍼灸師会主催の『お灸フェス』が9月23日、東京都墨田区の江島杉山神社で開催された。同フェスは「お灸を通じて鍼灸の良さを知ってもらいたい」と、鍼灸師にとどまらず一般の参加者も募るイベントで、今回で4回目となった。同神社では、管鍼術を考案し、世界で初めて盲人教育に取り組んだ杉山和一検校とともに弁財天が祀られている。参加者らは特別に開放された本殿で、鍼灸講和やお灸体験、講談を楽しんだ。
鍼灸講和の演者として、元呉竹医療専門学校教員の古海博子氏が登壇した。東京都鍼灸師会が東京マラソンのランナーのケアに利用している、パイオネックスによる「3点刺鍼」を紹介。①圧痛点・硬結を特定し、硬結端に第1点を取る、②第2点は硬結の他方の端を取る、③第1点と第2点から対角に第3点を決めて正三角形を形成させる、といった手順やコツを解説した。
講談は、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』の森雪役や『シティーハンター』の野上冴子役の声優としても知られる講談師・一龍斎春水氏が、『杉山和一苦心の管鍼』と題して一席を披露した。
一般参加者も「鍼灸と和一広めたい」
ボランティアで墨田区の観光ガイドをしているという60代の女性は、「子どもの頃は祖母のお手伝いで、よくもぐさを捻っていました」と語った。女性は、地元の住民ですら和一を知らない人が多いと指摘。今後は「鍼灸の良さと和一の功績を広めていきたい」と言い、現在、海外からの旅行者へのガイドも目指して英会話を習っているので「外国の方にも知ってもらいたいですね」と笑っていた。「日本舞踊をやっているので芸事の神様の弁財天にお参りに来たら、たまたまイベントのチラシを見つけて」と、20代の女性。お灸に興味はあったが体験したのは初めてとのことで、「これからはお灸をセルフケアに使いたい。鍼灸院にも行ってみたい」と話していた。
2019年秋の叙勲・褒章 あはき・柔整業界から5名
2019年秋の叙勲・褒章 あはき・柔整業界から5名
2019.11.10
あはき・柔整業界からの秋の叙勲・褒章は以下の通り。(敬称略・順不同)
◇旭日双光章
市川善章(元公益社団法人茨城県柔道整復師会会長)
中江利信(元公益社団法人滋賀県柔道整復師会会長)
新山二三夫(元公益社団法人全国病院理学療法協会常任理事)
萩原 隆(元公益社団法人兵庫県柔道整復師会会長)
◇黄綬褒章
湯澤茂雄(湯澤鍼灸療院・栃木県)
レポート『「要穴カルタ大会」で学生ら白熱の戦い』 森ノ宮医療学園専門学校、完全優勝
レポート『「要穴カルタ大会」で学生ら白熱の戦い』 森ノ宮医療学園専門学校、完全優勝
2019.11.10
森ノ宮医療学園専門学校、完全優勝
経穴の学習、積極的かつ意欲的に
10月14日、『2019年度 要穴カルタ大会』が森ノ宮医療大学(大阪市住之江区)で開催され、専門学校6校(森ノ宮医療学園専門学校、明治東洋医学院専門学校、大阪行岡医療専門学校長柄校、関西医療学園専門学校、東洋医療専門学校、京都仏眼鍼灸理療専門学校)、大学1校(森ノ宮医療大学)から学生52人が参加しました。主催は(公社)日本鍼灸師会・大阪府鍼灸師会。協力は(公社)全日本鍼灸マッサージ師会、(公社)全日本鍼灸学会、(公社)東洋療法学校協会。協賛はセイリン(株)、(株)山正、(株)医道の日本社。
平成28年度より、日本鍼灸師会の全国大会において鍼灸師養成校の学生による要穴カルタ大会を実施しており、昨年からは大阪での単独開催となりました。要穴カルタは、五行穴(五兪穴)の60穴を使い、読み札には「手(足)の◯経(経絡名)◯穴(井・榮・兪・経・合)(木・火・土・金・水)」が記されており、取り札には対応する経穴名が記されています。後は普通のカルタと同じルールで、例えば、「手の太陰肺経井木穴」と読み上げられたら「少商」の札を取る、「足の陽明胃経合土穴」ならば「足三里」を取る、というわけです。大会午前中は個人戦が、午後は団体戦(学校対抗戦)が行われました。個人戦は1試合4~6名で対戦のトーナメント方式とし、団体戦は1校3名がそれぞれ1対1で対戦して2勝以上した学校の勝ちで、予選リーグと決勝トーナメントを行いました。要穴カルタは、学生が経穴の学習を積極的かつ意欲的に行えるということで参加校では取り組まれています。各校ともかなりの練習を重ねてきたようで、予選からハイレベルな戦いが繰り広げられました。各試合、終盤戦になると取り札も少なくなり、読み上げる途中で取り札を奪い合うという、映画『ちはやふる』を彷彿とさせるシーンも。団体戦では、負けた学校が勝ち進んだ他校を応援するという一体感が会場を包みました。
結果は次の通り(敬称略)。個人戦▽優勝 堀颯汰(森ノ宮医療学園専門学校 3年)▽準優勝 塩野寿典(同3年)▽3位 大谷亮友(同3年)、学校対抗戦▽優勝 森ノ宮医療学園専門学校A▽準優勝 同B▽3位 大阪行岡医療専門学校長柄校B ▽4位 東洋医療専門学校Bとなり、森ノ宮医療学園専門学校の完全優勝となりました。
要穴カルタを全国の養成校で取り入れていただき、将来的に「要穴カルタ甲子園」を開催するというのも面白いのではないでしょうか。(公益社団法人大阪府鍼灸師会理事・荒木善行)
台風19号、施術所も深刻な浸水被害 業界は被災地支援へ向けて始動
台風19号、施術所も深刻な浸水被害 業界は被災地支援へ向けて始動
2019.10.25
10月中旬の東日本に記録的な大雨をもたらした台風19号で、被災地の柔整・あはき施術所も深刻な被害に見舞われている。
神奈川県川崎市の多摩川沿いの鍼灸整骨院では、治療機器・器材までも水に漬かるなどし、その撤去作業や片付けに追われ、経済的な損害も大きく、業務再開のめどが立っていないという。
福島県郡山市でも複数の施術所が床上・床下浸水の被害を受けている。
全日本鍼灸マッサージ師会と日本鍼灸師会が合同で立ち上げたDSAM(災害支援鍼灸マッサージ師合同委員会)は、鍼灸支援活動に向け、神奈川県、栃木県、茨城県といった被害の激しい地区に先遣隊を送るなど準備を進めているほか、日本柔道整復師会は10月13日に「台風19号災害対策本部」を立ち上げている。
保険証紛失でも施術所で受療可能
厚労省は、台風19号による被害規模を想定して台風上陸の当日である10月12日付で、「被災者が被保険者証等の紛失や家屋に残したまま避難していることにより、保険医療機関等に提示できない場合の取り扱い」について、特例措置(被災者が氏名、住所、事業所名等を申し立てることで受診できる措置)の事務連絡を発出していた。
本紙より、文書内の「保険医療機関等」の対象範囲を厚労省に問い合わせたところ、「接骨院・整骨院はもとより、今年から受領委任が導入されたことで鍼灸・マッサージ院も含まれる」と回答した。
ただ、同事務連絡は医科・歯科・調剤薬局に係る発出文書であり、療養費に係る同様の事務連絡の発出がされていない状況(10月23日時点)では、支払い側である保険者も療養費の支給にちゅうちょするといった事態が危惧される。
晴眼者のあマ指師課程新設を巡る裁判 大阪は来年2月判決
晴眼者のあマ指師課程新設を巡る裁判 大阪は来年2月判決
2019.10.25
東京、大阪、仙台の各地裁で争われている、晴眼者のあん摩マッサージ指圧師養成課程の新設を巡る裁判で、大阪地裁の判決が来年(令和2年)2月25日15時から言い渡される。12月16日に判決が下る東京地裁に続き、判決日時が決定した。
同裁判は、あはき法19条の規定により国が新設申請を認めなかったとして、学校法人平成医療学園らがその処分取消を求めて平成28年7月に提訴した。10月11日、15回目となる口頭弁論が大阪地裁で開かれ、原告・被告ともに主張が出尽くしたことで、全ての審理が終了(結審)した。
仙台地裁についても、12月2日に次回の口頭弁論が予定されており、東京・大阪と同様に結審に至る見込みだ。