今年の鍼灸師国家試験を振り返る
2023.03.24
芦野 純夫
元厚生労働教官 (財団国試評価委員)/横浜医療専門学校 学術顧問
東洋療法研修試験財団に委託された鍼灸師の国家試験も31回目を迎え、試行錯誤的に始まった発足当初から関わってきた私から見ても、今回は他の医療系国試と比べて遜色ないレベルに昇華されており、一応の安堵感が得られたが幾つかの問題点も見られた。 (さらに…)
今年の鍼灸師国家試験を振り返る
今年の鍼灸師国家試験を振り返る
2023.03.24
芦野 純夫
元厚生労働教官 (財団国試評価委員)/横浜医療専門学校 学術顧問
東洋療法研修試験財団に委託された鍼灸師の国家試験も31回目を迎え、試行錯誤的に始まった発足当初から関わってきた私から見ても、今回は他の医療系国試と比べて遜色ないレベルに昇華されており、一応の安堵感が得られたが幾つかの問題点も見られた。 (さらに…)
千葉裁判とは何? オンラインイベント『第9回政治×鍼灸』
千葉裁判とは何? オンラインイベント『第9回政治×鍼灸』
2023.03.24
原告団長・息才氏、当時振り返る
鍼灸師がZoom(オンライン)を通じで語り合う『政治×鍼灸』が2月3日に開かれた。9回目の今回は、あはき療養費の受領委任を認めないのは不当だとして2000年に国などを訴えた、いわゆる「千葉裁判」の原告側団長・息才博氏(轟はり灸治療院)がゲストに招かれ、裁判当時を振り返りつつ、そこからの教訓などが伝えられた。
あはき療養費の受領委任は2019年から導入され、現行認められているが、それ以前は各保険者と個々に交渉し、協定・契約を交わして委任払いを行っていた。保険者によっては恣意的な判断で委任・支払いが拒否されるケースも少なくなく、そんな状況下の2000年1月に全国保険鍼灸師マッサージ師連合会(全国保鍼連、現・一般社団法人全国鍼灸マッサージ協会)と、有志で集まった125名のあはき師が、柔整師には認められている受領委任をあはき師にも一律に認めるよう求めたのが千葉裁判だ。
息才氏は、当時の状況として、 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』25 接骨院に通所型サービスを 併設する運動を!
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』25 接骨院に通所型サービスを 併設する運動を!
2023.03.24
柔整療養費が毎年100億円規模で減り続けています。私は、柔整業界に30年以上いますが、このような異常事態を経験したことがありません。また、「療養費では経営できない」と言って、自費治療や物販に力を注ぐ接骨院も増え、まるで柔整師が整体師やエステシャンであるかのようになっていて、この業界の衰退が日々加速しているように思われます。 (さらに…)
中外医学社から新刊 図解 経絡と解剖学
中外医学社から新刊 図解 経絡と解剖学
2023.03.24
鍼灸師の吉田啓氏(はりきゅう治療院伍行庵)の新刊『図解 経絡と解剖学』が発刊された。B5判、 260頁、3,960円(税込)。
東洋医学の医学的根拠に深く興味を抱き、定期的に海外の解剖実験にも参加する著者が、自身が感じてきたジレンマを解決するテキストとして制作。
日本では最も東洋医学に精通しているのが鍼灸師であるが、「現代医療とは別の角度から病と人を診る」強みと、西洋医学の良さの両方を充分発揮できていないとの課題に長年向き合った臨床経験から、中医学を「現代医学との共通言語で」説明することに重点を置き執筆、イラストも手がけた。
中医学の基礎に始まり、経絡の順に従い臓腑と経脈、経筋と可能な限り現代医学的な視点で解説する、身体に関わる全ての人、東洋医学を学ぶ人に向けた一冊。
(さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 広告ガイドライン発出後、 「〇〇柔道整復治療院」は認められるよね?
Q&A『上田がお答えいたします』 広告ガイドライン発出後、 「〇〇柔道整復治療院」は認められるよね?
2023.03.24
Q.
私たち柔整師の施術所において「整骨院」の表記や広告が認められないこととなってしまいました。残念でなりません。一方で、あはきは「業態+治療院」が認められる予定であれば、私たちも「柔整治療院」が認められ、今後は「柔整治療院」がトレンドとなるのでしょうか? (さらに…)
コロナ禍の受療控えにより 柔整・あはきとも後期高齢が大幅減 厚労省・令和2年度の保険者別療養費
コロナ禍の受療控えにより 柔整・あはきとも後期高齢が大幅減 厚労省・令和2年度の保険者別療養費
2023.03.24
厚労省保険局調査課が1月に公表した『医療保険に関する基礎資料』において、令和2年度の保険者別療養費の状況が示された。 (さらに…)
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』53 素問・十五 『玉版論要』
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』53 素問・十五 『玉版論要』
2023.03.24
王様は上古聖人が見つけた医学の知識が正しく未来に伝わることを願って本を作っています。 (さらに…)
第9回広告検討会の議事録が公開
第9回広告検討会の議事録が公開
2023.03.14
柔整師が開設する施術所の名称に「整骨院を使えない」とする案などが合意された「第9回あはき師・柔整師等の広告に関する検討会」の議事録が、厚労省ホームページ上に公開された。約1時間半の会議の模様が記録されている。
一方、「私たち柔道整復師にこれからも整骨院を使い続けさせてください」という整骨院の使用存続を求める署名運動も起きており、今現在(3月14日10時)で700人以上の賛同者を集めている。
■第9回広告に関する検討会の議事録
https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/001071602.pdf
■整骨院の使用存続を求める署名活動
https://www.change.org/keep-seikotsuin
NHK『東洋医学 ホントのチカラ』、3/20放送
NHK『東洋医学 ホントのチカラ』、3/20放送
2023.03.13
「鍼灸(ツボ)」などの東洋医学の治療効果を最新科学の視点で紹介するNHK『東洋医学ホントのチカラー心と体を整えるSP』が3月20日の夜7時半から放送される。2018年から過去5回に渡って放送され、今回は「季節の変わり目に多い心身の不調」がテーマ。
漢方薬やヨガ、鍼灸、ツボが取り上げられ、鍼灸では弊紙連載中の伊藤和憲氏(明治国際医療大学教授)がスタジオで頭痛を改善するツボ押しのセルフケアなどを紹介するようです。
番組HP『東洋医学 ホントのチカラー心と体を整えるSP』
マスク着脱緩和に伴い 柔整あはき業種別GL見直し
マスク着脱緩和に伴い 柔整あはき業種別GL見直し
2023.03.10
施術時は着用、来院患者に着用推奨
コロナ禍で定着した「マスク着用」について、3月13日から「屋内・屋外問わず個人の判断に委ねる」との政府方針が示されたことで、柔整・あはきの施術所でもその対応を考える必要が出てきた。 (さらに…)
京都府鍼灸マッサージ師会 法人認可70周年記念式典・祝賀会
京都府鍼灸マッサージ師会 法人認可70周年記念式典・祝賀会
2023.03.10
師会の歴史や実績を次世代に語り継ぐ
1月22日、公益社団法人京都府鍼灸マッサージ師会の「法人認可70周年記念式典・祝賀会」を京都市下京区のリーガロイヤルホテル京都にて開催しました。 (さらに…)
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』59 コロナに かからない人
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』59 コロナに かからない人
2023.03.10
昨年末、不妊治療で通院されていて「タイミング指導段階」(注)の方に「年末年始頃に排卵するだろうから、その休暇中に夫婦生活をお願いします」とお伝えしました。その方は、年明けに来院され、12月27日にご主人がコロナ感染陽性となり発熱したとのこと。通常数日間の隔離をすべきでしたが「先生、主人の熱も下がったので29日からタイミングを取り始めました」と。これには驚きましたが、「それから毎日検査していますけど、私感染してないんです」とも。確かにインフルエンザもコロナもワクチンを接種していないのに、感染したことがないという初老の女性がおられました。それって偶然か、と思いきや、実は特定のウイルスに絶対に感染しない人がいるらしいのです。 (さらに…)
連載『中国医学情報』216 橈骨遠位端骨折34例に灸頭鍼併用治療―整復後副木固定治療とのランダム化比較 ほか
連載『中国医学情報』216 橈骨遠位端骨折34例に灸頭鍼併用治療―整復後副木固定治療とのランダム化比較 ほか
2023.03.10
☆橈骨遠位端骨折34例に灸頭鍼併用治療―整復後副木固定治療とのランダム化比較
海南省瓊海市中医院・李順らは、骨粗鬆症性の橈骨遠位端骨折(DRF)患者で、常軌治療群とそれに灸頭鍼を併用した群を比較(上海鍼灸雑誌、2022年11期)。 (さらに…)
小児の4割弱がアレルギー 兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会
小児の4割弱がアレルギー 兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会
2023.03.10
皮膚バリアの低下に注意
兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会が1月22日、神戸市内の兵庫県鍼灸師会館とオンラインで開催された。 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』223 春の抑制
連載『汗とウンコとオシッコと…』223 春の抑制
2023.03.10
「春一番」が吹く前、梅が咲き散ろうとしている時期に妙に暖かな南風が入る。移動性高気圧が到来する前兆だ。そして、その後ろには気圧の谷間があり、雨を降らせるのだ。このように温暖な気候の後、気圧が下がると、春に旺気する肝が気温上昇に伴い一時的に代謝を上げる。だが、気圧が下がった時に血管が弛緩したままの人は、外気の変化で気化して体表が冷え、痛みを呈しやすい。頭痛や局所的な脱水からの浮腫、疼痛など、軽度な風湿の病を生じやすいわけだ。 (さらに…)
連載『未来の鍼灸・柔整を考える』第1回 社会の流れを考える
連載『未来の鍼灸・柔整を考える』第1回 社会の流れを考える
2023.03.10
今回から始まりました『未来の鍼灸・柔整を考える』。本連載では、鍼灸・柔整業界が築いてきた過去、医療そのものが変わりつつある現在、価値観さえも変容するであろう未来について、現代社会の様相と絡めつつ、新たな視点を提案できればと思います。
さて、今回は人口減少と医療について考えてみたいと思います。日本の人口は2004年をピークに急速に減少しており、2050年には1億人を切ることが予想されています。少子高齢化の加速に伴う生産人口の減少、さらには国内の経済規模縮小という課題に直面しているため、これらが社会保障に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。 (さらに…)
【無料レポート】助産師が語る! 産後の心と体とその環境 女性鍼灸師フォーラム第64回学習会
【無料レポート】助産師が語る! 産後の心と体とその環境 女性鍼灸師フォーラム第64回学習会
2023.03.03
見た目以上にデリケートな産後は鍼灸師にできることがたくさんある
女性鍼灸師フォーラムの第64回学習会『助産師が語る! 産後の心と体とその環境』が1月23日、オンラインで開催された。
井上律子氏(助産師・看護師・鍼灸師)は、「妊娠期に配慮が必要なことは周知されているが、産後は見た目以上にデリケートで注意が必要」と話した。医学的に産後は「産褥」、分娩後2時間からの6~8週間を「産褥期」と呼ぶ。しかし、身体が落ちついてもメンタルヘルスケアの視点からは、出産から1年ほどが産後として大切な期間だと説明した。
分娩に要する時間は、初産婦で12~15時間、経産婦で5~8時間といわれるが、前駆陣痛による睡眠不足や、直前までの育児などで、すでに疲労した上で臨む場合も見られると語った。その上、平均500ml~800mlの出血や、産道の裂傷、筋骨格への影響が重なり「全治2カ月ほどのケガ」のようなダメージを受けると例えた。さらには体の変化も起こり、分娩後は女性ホルモンの急激な低下による一時的な更年期のような症状や、悪露、乳房の痛みなど多くのストレスがあると解説し、この不安定な状況での子ども中心生活への変化は、心のコンディションに影響しやすいと述べた。
また、産後の抑うつ感は過半数が経験するといわれるが、2週間ほどで消失する場合が多いと話した。しかし、約10人に1~1.5人は強い抑うつに発展、約1000人に1人は幻覚や妄想など強い精神症状に発展し命を絶つ場合もあると説明し、「メンタル不調は子どもへの虐待にも関わるため、産後だけでなく妊娠中からのケアが重要」と述べた。
エビデンスのある産後のメンタル不調のリスク因子は、①身近な人のサポートや社会的な支援の不足、②精神疾患の既往、③過去の流産や死産、身内の死など精神に影響するライフイベントがあるが、①は対処できるものだと言及。鍼灸師としては、治療院に訪れた人の、うわの空でぼんやりしていたり、何でもないことで涙ぐんだり、自殺や虐待をほのめかしたり、などの様子に注意を払い、「何かありましたか?」など声をかけ、心配していることを伝えるようアドバイスした。また、産婦人科診療ガイドラインでも「妊娠中における精神障害ハイリスク妊産婦の抽出法とその対応は?」の項目で精神疾患の有無や発症リスクの評価の重要性が指摘され、疑わしい場合は精神科医の紹介や行政窓口への情報提供が勧められていると報告した。
行政では、精神科医や小児科医の指示があれば医療保険を適応して訪問看護を受けられるほか、家庭訪問や電話相談、就労支援、家事支援サービスの紹介など産後を支える様々なサポートがあると紹介し、「精神的に問題がなくとも、妊娠していない時より体調が良いはずはないため、積極的に利用できるサービスを探し利用してほしい」と述べた。
鍼灸での産後ケアをエビデンス構築でもっとスタンダードに
最後に、産後の行政サービスに鍼灸が含まれない現状を受け、辻内敬子氏(女性鍼灸師フォーラム代表)が「不妊治療から妊娠中も関わることができる鍼灸師は産後の活躍も期待されている。産後どのような愁訴で訪れ、どんな治療を何日行ったかなどのカルテを集め、皆で力を合わせエビデンス構築に取り組みたい」と呼びかけた。
「整骨院」、施術所名で使用不可に 第9回 広告検討会
「整骨院」、施術所名で使用不可に 第9回 広告検討会
2023.02.24
日整・代表者も容認し大筋合意、今後広告GLに盛り込む見通し
9回目となる「あはき師・柔整師等の広告に関する検討会」が2月13日、都内で開かれた。新型コロナの影響等で約3年ぶりの検討会再開となった。前回の第8回会議(令和元年11月14日)において厚労省が提示した「広告ガイドライン(GL)案」で積み残されていた議論が今回俎上に載せられ、柔整師が開設する施術所の名称に「整骨院を使えない」とする案が大筋で合意された。
(さらに…)
避難所で起きていること 妊産婦への対応は 第5回DSAM災害支援 鍼灸マッサージ師合同育成講習会
避難所で起きていること 妊産婦への対応は 第5回DSAM災害支援 鍼灸マッサージ師合同育成講習会
2023.02.24
昨年12月18日、第5回DSAM災害支援鍼灸マッサージ師合同育成講習会が横浜市中区の横浜市技能文化会館にて開催された。「災害弱者」と「被災地での初動対応」をテーマに報告・議論がなされた。 (さらに…)
愛知鍼灸マ師会が地元看護協会と協定
愛知鍼灸マ師会が地元看護協会と協定
2023.02.24
コロナ奮闘の看護師に施術料割引
1月27日、愛知県鍼灸マッサージ師会(中川徹会長)と愛知県看護協会(三浦昌子会長)が同協会員へ向けた施術料の割引に関する協定を結び、2月1日から実施されている。
事前に登録された188カ所の施術所にて愛知県看護協会所属看護師が会員証・電子会員証を提示することで自費施術に限り10%の割引が適用される。昨年、福岡でも同様の協定が結ばれており、医療連携の足掛かりとなるか今後注目される。