連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』1 外国人が来院した時の最初の一言
2025.02.27
『外国人が来院した時の最初の一言』
宮口先生/宮 鍼灸師の佐藤さん/佐
佐:「外国人の患者さんが急に来院されて、私、焦って"Why did you come?"(なぜ来たの?)って聞いちゃったんです」
宮:「えっ!(笑)」
佐:「すごく変な顔をされて、『なぜ来たって……診てもらうために決まってるでしょ』とでも言いたそうでした」 (さらに…)
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』1 外国人が来院した時の最初の一言
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』1 外国人が来院した時の最初の一言
2025.02.27
『外国人が来院した時の最初の一言』
宮口先生/宮 鍼灸師の佐藤さん/佐
佐:「外国人の患者さんが急に来院されて、私、焦って"Why did you come?"(なぜ来たの?)って聞いちゃったんです」
宮:「えっ!(笑)」
佐:「すごく変な顔をされて、『なぜ来たって……診てもらうために決まってるでしょ』とでも言いたそうでした」 (さらに…)
現役プロ野球球団トレーナーが答えるキャリアパス
現役プロ野球球団トレーナーが答えるキャリアパス
2025.02.26
一般社団法人TTC(トータルセラピストコミュニティ)主催のWEBセミナー『現役球団トレーナーによるGIANTS×Lionsトークセッション』が1月26日に開催された。読売ジャイアンツ所属の宮坂基也氏と埼玉西武ライオンズ所属の五十嵐航太氏がプロ野球球団トレーナーとしての業務内容やキャリアパスについて意見を交わした。
セミナー参加者には若手や学生も多く、スポーツトレーナーの人気の高まりが表れていた。司会は山根幸男氏(TTC代表理事)が務めた。
プロ野球球団トレーナーへの道のり
宮坂氏と五十嵐氏は、ともに鍼灸・あん摩マッサージ指圧師であり、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(AT)の資格を持っている。両氏はプロ野球選手を目指していたが、怪我や競技レベルの壁に直面し、選手のサポートに携わるトレーナーという道を選んだ点でも共通しており、五十嵐氏は「選手の一番近くで働くにはトレーナーが最適だと考えた」、宮坂氏は「自身の怪我の経験から、予防やリハビリに携わりたいと思った」と振り返り、ともに野球選手としての経験が現在の仕事に大きく役立っていると強調した。
五十嵐氏は、トレーナーを目指す上で (さらに…)
連載『やわらか東洋医学』73 素問・三十五『瘧論』
連載『やわらか東洋医学』73 素問・三十五『瘧論』
2025.02.25
瘧(おこり)は現代医学でマラリアのことです。症状が突然に始まる病で、その様子はまるで虎にいきなり爪で掴み掛かられて襲われるようなので、漢字の中に虎がいます。
岐伯
「発症の始まりはまず細い毛が立ち上がります。次に生あくびが出ます。 (さらに…)
療養費専門委が2月28日に開催、約1年ぶり
療養費専門委が2月28日に開催、約1年ぶり
2025.02.25
柔整・あはきの両療養費検討専門委員会が今週末の2月28日に開催されることが厚労省より発表された。開始時間は柔整が14時から、あはきが14時半から、とそれぞれ30分で予定されている。
同会議の開催は昨年4月末以来、約1年ぶりとなる。議題は公表されていないが、この1年間で政府による医療DXの推進が図られ、それに伴い義務化された「オンライン資格確認」(オン資)に関する現状報告がされるものと思われる。
また柔整においては、昨秋よりオンライン請求導入に向けた議論が非公開の「ワーキンググループ」(WG)で進んでおり、WGでとりまとめられた内容などが公表されることも予想される。
「第6回からだケアEXPO東京’25 健康施術産業展」、施術所向け機器・サービスが多数出展
「第6回からだケアEXPO東京’25 健康施術産業展」、施術所向け機器・サービスが多数出展
2025.02.21
健康施術分野の商談型展示会『第6回からだケアEXPO東京’25 健康施術産業展』が2月3日から3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。主催はブティックス株式会社(東京都港区、新村祐三代表取締役社⻑)。
接骨院・鍼灸マッサージ院向けの治療器、自費施術メソッド、院内DX化サービス、健康関連用品などを出展した多数の企業・団体等が集結したほか、活躍中の治療家が会場内で施術メソッドを披露するコーナーも設けられ、来場者の関心を呼んでいた。3日間の来場者数は「介護」をテーマとした併催展を含め延べ12,357人に上った。
低周波治療器の新商品やサブスク特化のサービスなど
医療福祉機器メーカーのオージー技研(岡山市中区)は、新商品となるコンパクト低周波治療器『パルスキュアプロ』を同展示会で初披露した。 (さらに…)
兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会 周産期に求められる鍼灸師の役割とは
兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会 周産期に求められる鍼灸師の役割とは
2025.02.20
兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会が2月2日に神戸市産業振興センター(神戸市中央区)で開催された。テーマは『鍼灸師のための周産期ケア講座2024』。
安全な出産のために鍼灸師と協働したい
齋藤いずみ氏(関西国際大学保健医療学部看護学科教授)は、助産師は看護師の国試に合格したのち更に1年以上大学などで教育を受け、国試を受験し取得すると説明した。近年は高齢出産などハイリスクな出産が増えたこともあり、助産師の大多数は病院で勤務する現状があるが、「助産師が雇われるばかりでなく、鍼灸をはじめ他職種と連携し、地域でグループで開業する方法を模索したい」との思いを語った。
周産期で特に鍼灸に期待するのは、妊娠7カ月を過ぎ腹部が増大したころから増える、むくみ、静脈瘤、食欲の低下、気分障害などの対処だという。出産が始まってからは産痛、分娩後は子宮を早く元に戻し、母体を回復させるのにも、鍼灸の技術やセルフケアのアドバイスが必要だと力を込める。
また、「出産は体だけの変化ではない」と齋藤氏。かつてイギリスの大学で産婆指導にあたった際、繰り返し「シアツ」という言葉を耳にしたこと、アメリカの医学研究の拠点機関・アメリカ国立衛生研究所(NIH)は代替補完療法に研究を費やしていることなど、海外では伝統的な療法や代替療法の研究・教育に注力している現状を伝えた。他にも海外では身心両面から「女性らしさ」を守ることにも重点が置かれ、出産後には骨盤底筋を保護し尿失禁や膣のゆるみを防ぐケアが保険診療で行われる国もあると話した。日本において医療の発展で救える命が増えたことに反し、出産後に自殺する母親が増えている現状にふれ、産後ケアは医療者で協力して取り組むべき課題であると強調した。 (さらに…)
【速報】厚労省が「あはき・柔整広告ガイドライン」発出
【速報】厚労省が「あはき・柔整広告ガイドライン」発出
2025.02.19
施術所広告の新規制基準に
厚労省が2月18日、あはき・柔整施術所の広告を対象とした新たな指針となる「あはき・柔整広告ガイドライン」を発出した。6年以上に及ぶ厚労省主導の「あはき師・柔整師等の広告に関する検討会」の議論を経てようやく出された。
厚労省は、「本指針は、地方自治法の規定に基づく技術的助言である」としているが、ガイドライン内で「行政指導に従わない、違反広告を繰り返す場合には、告発を検討すること」といった旨の記載もみられ、広告規制の「新基準」といっても間違いないだろう。
今回のガイドラインでは、広告で使用可能な表記・言葉などが明確化された一方、禁止事項についても併せて詳細に設けられている。インターネット広告の扱いや無資格者に対する言及なども盛り込まれている。
厚労省ホームページ「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師に係る広告等」
2024年のアスレチックトレーナー数5,616人、JSPO発表
2024年のアスレチックトレーナー数5,616人、JSPO発表
2025.02.18
2024年10月時点で、全国のアスレチックトレーナーの数が5,616人であることが分かった。日本スポーツ協会(JSPO)がホームページ上で公表しており、数値は「JSPO公認スポーツ指導者制度」による認定者に基づいている。
アスレチックトレーナーは前年より318人増え5,616人だった。5年前(2019年)より約35%(1,477人増)増加しており、年々その数を伸ばしている。
同じメディカル・コンディション資格に該当するスポーツドクターは6,507人(前年比3人減)、スポーツデンティスト(歯科口腔領域)は807人(同80人増)、スポーツ栄養士は555人(同33人増)となっている。
なお、JSPOが2018年7月に実施した「第1回日本のトレーナー実態調査」(回答数1,294名)で、はり師・きゅう師の免許保有者がそれぞれ430人程度と回答者全体の3分の1に上り、あん摩マッサージ指圧師と柔整師もともに2割弱との結果が示されており、上記のアスレチックトレーナーの数にあはき師・柔整師も多く含まれていると思われる。
参考記事:「トレーナー実態調査 AT1300人中、1/3が鍼灸師免許保有」
連載『未来の鍼灸・柔整を考える』最終回 未来の鍼灸柔整を想像する―大阪万博
連載『未来の鍼灸・柔整を考える』最終回 未来の鍼灸柔整を想像する―大阪万博
2025.02.12
高齢化が進み、人口が減少する未来において、鍼灸師や柔整師はどのような役割を果たすのでしょうか?
将来、高齢者が増えることで医療の必要性も高まります。しかし、医師をはじめとする医療従事者の数は次第に減少していくため、現在と同じような医療体制を維持するには、人手不足を補うためにAIなどのデジタル技術の活用が必要になります。さらに、専門的な治療をいつでも同じレベルで行うには、AIを活用した病態管理や診察・治療が可能な電子カルテを用いた診療システムの構築が求められるでしょう。 (さらに…)
令和5年の機能訓練指導員数、通所系で柔整師が減少に転じる
令和5年の機能訓練指導員数、通所系で柔整師が減少に転じる
2025.02.11
施術者全体でも伸びが鈍化
通所系の介護事業所で機能訓練指導員として従事する施術者は、令和5年10月時点で1万5209人だった。厚労省がこのほど公表した『令和5年介護サービス施設・事業所調査』で示された。近年、通所系で1万人を超えるなど順調に増加を続けてきた柔整師が一転して減少となった。
免許別でみると、柔整師は、通所介護事業所で5292人、地域密着型事業所で4968人となり、合わせると1万260人(前年比123人減)。あん摩マッサージ指圧師は、通所介護1775人、地域密着型1838人で計3613人(同52人減)だった。また、はり師・きゅう師は、通所介護586人、地域密着型750人の計1336人で、前年より99人減った。 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』246 止まらぬ咳嗽
連載『汗とウンコとオシッコと…』246 止まらぬ咳嗽
2025.02.10
1月は秋桜やホトケノザの開花や、花粉の飛来と、季節のグローバル化を見たわけだが、立春を過ぎたころに大寒のごとき寒波が訪れた。現在は温暖化の影響により、60年ターンで繰り返す運気論のようにはいかない場合もあり、臨機応変に対応しないと人の身体の変化を見落としてしまう。傾眠や帯状疱疹や、ギックリ腰など春には多い症状だが、皮膚の乾燥、下肢の浮腫みや怠さ、肩関節などの春らしからぬ症状も多く、一番厄介で治りにくいのが、咳嗽を伴う場合である。
「年末年始に寝込んでから、咳が止まらないんです。花粉も重なるのか鼻もグチュグチュするし、咳のしすぎで腰は痛いし……」 (さらに…)
新年度はじまりに向け鍼灸業界を総ざらい! 鍼灸POWER UP DAY2025
新年度はじまりに向け鍼灸業界を総ざらい! 鍼灸POWER UP DAY2025
2025.02.07
3月23日に、セイリン株式会社主催『鍼灸POWER UP DAY2025』が東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区)とオンラインにて開催決定! 第一線で活躍中の講師陣を迎え、2024年度を総括し、業界の「今」を知ることができる一日になっている。
セミナーは、2024年度にセイリン主催で行った中で反響が大きかった松浦悠人氏(東京有明大学保健医療学部鍼灸学科助教)と兵頭明氏(衛生学園中医学教育臨床支援センターセンター長)によるアンコール講演。
特別企画としては伊藤和憲氏(明治国際医療大学鍼灸学部長)と鈴木雅雄氏(福島県立医科大学会津医療センター附属研究所漢方医学研究室教授)の対談「現代社会における鍼灸師の役割と、未来の鍼灸の可能性」をラインナップ。「鍼灸大学では同期だった2人の対談を実現したかった。鍼灸業界の未来を詳しく聞きたい」とセイリン担当者もイチオシの企画になっている。
学会・業団を超えたコラボ企画では、全日本鍼灸学会から脇英彰氏(教育研修部若手分科会、日本鍼灸師会から野村森太郎氏(広報普及IT委員会)、全日本鍼灸マッサージ師会から長嶺芳文氏(会長)と、各団体から推薦された3名が集合。2024年度にそれぞれの団体で話題になったトピックを語り合う。
他にも、首藤傳明氏の動画によるランチョンセミナーや、交流会もあり。
「第一線で活躍する鍼灸師の先生方のお話を聞けるだけでなく、現地では参加者同士の交流の場も設けました。自身のスキルアップや業界研究の場としてはもちろん、新たな仲間との出会いの場となれば幸いです」とセイリン担当者。
現地参加は先着順なので、参加を検討している方は早めの申し込みを。詳しくはセイリンセミナー&イベント情報ページ『鍼灸POWER UP DAY2025』まで。
一鍼堂出版から新刊 東洋医学考 第一巻 肺
一鍼堂出版から新刊 東洋医学考 第一巻 肺
2025.02.07
一鍼堂出版より新刊『東洋医学考 第一巻 肺』が刊行された。著者は一鍼堂代表の林玄弌氏と同院所属鍼灸師の下野貴弘氏。四六判、74頁、4400円(税込)。
本書は林氏自身の臨床経験や学術探求を通して得た独自の解釈や仮説をまとめたもので、東洋医学を科学的な態度で更新し続け、臨床に生かすことを目的としている。
事の始まりは院内での早朝勉強会。臨床や東洋医学など、あらゆることを話し、学び合った内容について、第一巻として肺にスポットライトを当てた。「通調水道」「相傅之官」など肺について東洋医学的に掘り下げるとともに、学問に向かう姿勢や醍醐味についても説いていく。
林氏は東洋医学を含め、専門的な学びは螺旋階段のようなものと著している。問いの全てに解があるわけではないが、考察を起点とした気付きを回収することが一段ずつ位置を上げることにもつながるという。重要なのは「分からない」を抱えたまま上り続けることだといい、グルグルと回り上る途中で以前は分からなかった問の解を手に入れることができるとし、一連の流れとこの瞬間こそが学びの醍醐味だとする。
上記の書籍を抽選で1名に読者プレゼント
ハガキに希望の本のタイトル、郵便番号、住所、氏名、電話番号を明記し、
本紙編集局(〒530-0057 大阪市北区曽根崎2-2-1 梅新21ビル)まで。
3月10日到着分まで有効。
鍼灸師として、作家として 古都こいと先生特別インタビュー
鍼灸師として、作家として 古都こいと先生特別インタビュー
2025.02.06
自身の経験生かした児童小説が文学賞受賞
昨年11月に株式会社Gakkenの児童小説レーベル「ティーンズ文学館」より『きさらぎさんちは今日もお天気』が出版された。著者は鍼灸師の古都こいと先生で、同年2月に日本近代童話の父とも評される小川未明を冠する第32回小川未明文学賞にて本書の前身『如月さんちの今日のツボ』が大賞を受賞。出版社の目に留まり、編集・改題され今回の出版へとつながった。
本書は小学校高学年をメインターゲットとした児童小説で、自宅は鍼灸院、父親は鍼灸師という主人公の少年が家族や友人と触れ合い成長していく姿が描かれる。作品への思いや鍼灸師・作家としての心構えなどを聞いた。
鍼灸師と作家、それぞれを目指したきっかけは?
先に目指したのは作家でした。子どもの頃から本の虫で、読み続けるうちに自然と書くことにも興味を持つようになり、社会人として働きながら執筆活動も並行していました。鍼灸師を目指したのはこの頃で、体調不良で治療を受けた際に、体の治療はもちろん、心まで支えてもらった実感が興味を持つきっかけでした。その後、養成校に通って鍼灸師になった、という流れです。
作家としてのデビューはさらにその後で、別の出版社の新人賞入選とその作品の書籍化のタイミングです。だから、目指したのは作家が先、デビューしたのは鍼灸師が先という形ですね。
鍼灸師と作家の二刀流ですが、軸足はどちらにあるのでしょうか? (さらに…)
連載『中国医学情報』239 慢性非特異的腰痛136例での常軌鍼法と経筋排鍼法―超音波画像でランダム化比較 ほか
連載『中国医学情報』239 慢性非特異的腰痛136例での常軌鍼法と経筋排鍼法―超音波画像でランダム化比較 ほか
2025.02.05
慢性非特異的腰痛136例での常軌鍼法と経筋排鍼法―超音波画像でランダム化比較
上海中医薬大学付属普陀病院・周立晨らは、腰痛(LBP)のうち慢性非特異的腰痛(CNSLBP)患者で、超音波画像を利用し常軌鍼法群と経筋排鍼法群を比較(上海鍼灸雑誌、2024年6期)。
対象=同院リハビリ科の136例。男60例・女76例。これをランダムに常軌群・経筋群各68例に分けた。
常軌群は、男32例・女36例、平均55±12歳、罹患期間6.50月。経筋群は、男28例・女40例、平均55±13歳、罹患期間6.00月。
治療法=両群とも毎週3回、計4週間治療。
<常軌群>梁繁栄ら『針灸学』(中国中医葯出版社、2021年)の腰痛処方。①取穴―左右の腎兪・大腸兪・委中、阿是穴。②操作―腹臥位で快速直刺0.8~1.2寸、得気後に提挿捻転手法、平補平瀉、置鍼20分間。
<経筋群>「経筋排鍼法」は経筋の走行に沿って「痛を以って腧とする」刺鍼法。①取穴―腰背部の太陽経筋に密集刺鍼、L1~5の腰痛棘突起下の傍ら左右1.5寸の三焦兪・腎兪・気海兪・大腸兪・関元兪から選択。②操作―腹臥位で快速直刺0.8~1.2寸、得気後に提挿捻転手法、平補平瀉、置鍼20分間。 (さらに…)
全盲の美術作家で鍼灸師の光島貴之氏が『〈感覚の点P〉展』に参加
全盲の美術作家で鍼灸師の光島貴之氏が『〈感覚の点P〉展』に参加
2025.02.04
2月15日から、全盲の美術作家であり鍼灸師の光島貴之氏と、美術作家の今村遼佑氏の展覧会『感覚をめぐるリサーチ・プロジェクト〈感覚の点P〉展』が開催される。会場は東京都渋谷公園通りギャラリー(東京都渋谷区)にて、入場料は無料。
展示会のみどころは、「さわれる展示」。光島氏のレリーフ状の作品『さやかに色点字 ― 中原中也の詩集より』は、金属や樹脂が木片に様々に配置され、触れることで光島氏の感覚世界を旅することができる。今村氏のインスタレーション作品『プリぺアド・トイピアノ』は鍵盤と同じ32個のしかけが3部屋に渡り設置され、音を鳴らすと作動するという大作。
これらの作品は、2022年ごろより始めたリサーチや対話を形に表したもの。2人の地元でもある京都にある石庭を訪れたり、バリアフリースポーツのスルーネットピンポンを体験したりと多彩なリサーチを行い、刺激を受けて感じた変化や心の動きを共有するなど対話を重ねた。リサーチの様子も同展覧会でみることができる。
10歳のころ視力を失い、肌や音に触れるのは目で見ることに近いという光島氏。鍼灸師となり、聞き、触る感性はさらに研ぎ澄まされた。同時に視覚を伴わない美術表現の模索を続け、美術館に多数の作品を出展している。
タイトルの「感覚の点P」は、数学の問題で用いられる「任意の点P」になぞらえ、「わたし」あるいは「誰かの」感覚のありかを示す。他者の感性を通し、多様な世界を楽しむことができる展示会に足を運んでみてはいかが。
『今村遼佑×光島貴之 感覚をめぐるリサーチ・プロジェクト〈感覚の点P〉展』
会場:東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室1・2、交流スペース
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 東京都渋谷公園通りギャラリー
『ちょっと、おじゃまします』ゲーマー鍼灸師は患者に寄り添う 大阪府堺市<錦はり>
『ちょっと、おじゃまします』ゲーマー鍼灸師は患者に寄り添う 大阪府堺市<錦はり>
2025.01.31
「患者さんが訴える痛みを患者さんが望む方法で取ってあげるのが僕らの仕事」。そう語るのは錦はりの佐藤想一朗先生。大学院修士卒で、火鍼や熱刺激について研究したといいます。大学院まで進んだ理由を尋ねると「動物実験ができるのはこのタイミングしかない」と考えたから。以降に取り組むことはできないだろうから、何としても経験しておきたいと大学院への進学を決めたそうです。院生生活は朝早くから夜遅くまで研究漬けの毎日でとても大変だったけれど、いい経験ができたと佐藤先生。とはいえ「二度は無理」と渋い表情で濃密な2年間を総評しました。
「学生時代も今も中医学が好きで、勉強を続けているし自信もある。とはいえ、患者さんにしてみれば関係ないこと」とバッサリ。そう言い切れるのは自身の苦い経験があったから。「痛みを大きく減らすには強い刺激を与える方が効果的」と考え、そうした治療を続けていたところ、客足は遠のき、誰も来なくなってしまったそう。 (さらに…)
あはき師・柔整師の「国家資格のデジタル化」、秋以降に予定
あはき師・柔整師の「国家資格のデジタル化」、秋以降に予定
2025.01.30
昨年8月からスタートしている国家資格の各種手続きの「デジタル化」について、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔整師の運用開始が今年の秋以降になる予定のようだ。デジタル庁がホームページ内で公表している。
当初、デジタル庁は、あはき師が昨年11月頃、柔整師が令和7年3月頃の開始予定としていたが、運用時期がずれ込んだ模様だ。
昨年11月時点で、社会保険労務士を含む5資格が既にオンライン上で、住所等の変更申請や「デジタル資格者証」の取得等が可能になっている。
【参考記事】「国家資格のデジタル化」始まる
セイリン本社工場を見学。独自の生産ラインと徹底した衛生管理
セイリン本社工場を見学。独自の生産ラインと徹底した衛生管理
2025.01.29
昨年12月20日に、実践美容鍼灸研究会主催によるセイリン本社工場の見学が開催され、西は熊本から東は東京と各地から鍼灸師や鍼灸学生が集まった。同社屋は2023年に移転新設されたもので、現時点でセイリンの国内拠点は7カ所、海外拠点はドイツ、中国、オーストラリアの3カ所となる。
社屋のエントランスはほこりや塵の侵入を少しでも減らすためとの配慮で2重扉に。参加者は感心した様子で門をくぐった。
(さらに…)
厚労省、オン資未導入の施術所へアンケート依頼
厚労省、オン資未導入の施術所へアンケート依頼
2025.01.28
昨年末に原則義務化されたオンライン資格確認(オン資)について、厚労省が未導入の柔整・あはき施術所に対し、アンケート文書を1月下旬頃に送付していることが分かった。
昨年の12月26日時点でオン資の利用申請を行っていない施術所を対象としており、導入への意向を把握するとともに、導入促進もかねて実施されたと思われる。
アンケートでは、義務化の対象外である「やむを得ない事由」に該当するのか、またそうでなければ「いつ頃、オンライン資格確認の導入を想定されているか」といった旨を質問しているという。
2月7日までを回答期限としており、厚労省は「未導入の場合は地方厚生(支)局等による個別の働きかけ等や、受領委任払いの取扱いを中止する場合がある」としている。
【参考記事】
オン資義務化で例外措置、「70歳以上」や「視覚障害」など