福島県立医大が鍼灸院を開設
2024.08.09
付属病院と連携で医療拠点に
公立大学法人福島県立医科大学が、福島市の同大学敷地(キャンパス)内に鍼灸院を立ち上げ、8月1日に開院した。隣接する付属病院の各診療科との連携も視野に入れ、現代西洋医学と東洋医学を融合した統合医療を中心とする鍼灸治療を展開していくという。公立の医科大学が鍼灸院を運営する新たな取り組みとして期待が高まる。
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福島県立医大が鍼灸院を開設
福島県立医大が鍼灸院を開設
2024.08.09
付属病院と連携で医療拠点に
公立大学法人福島県立医科大学が、福島市の同大学敷地(キャンパス)内に鍼灸院を立ち上げ、8月1日に開院した。隣接する付属病院の各診療科との連携も視野に入れ、現代西洋医学と東洋医学を融合した統合医療を中心とする鍼灸治療を展開していくという。公立の医科大学が鍼灸院を運営する新たな取り組みとして期待が高まる。
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「国家資格のデジタル化」始まる
「国家資格のデジタル化」始まる
2024.08.09
あはき師は11月頃、柔整師は来年3月頃
紙での申請・手続き等が行われている国家資格について、デジタル庁が今夏より「デジタル化」をスタートさせる。8月6日には介護福祉士を含む4資格が住所等の変更や、資格者証の取得をオンラインでできるようになった。今後、他の国家資格にも拡大していく予定で、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師は11月頃、柔整師は令和7年3月頃に運用を開始するとしている。
国家資格に関する事務の「デジタル化」が始まれば、住所・氏名等の変更申請がオンライン上で行えるほか、マイナンバーのデータ連携により住民票等の写しの提出といった作業も省略可能となる。また、スマホなどのデジタル端末で自身の資格情報を「デジタル資格者証」として表示できるため、対面で施術者免許の保有者であることを素早く提示するなどの活用もできるようになる。
『医療は国民のために』396 オンライン請求導入に向けた業界・団体の意気込みに期待したい
『医療は国民のために』396 オンライン請求導入に向けた業界・団体の意気込みに期待したい
2024.08.09
将来的に導入が予定されている療養費のオンライン請求については、その「過渡期」における請求代行業者の位置付けが問題となっているのは周知のことと思う。例えば、療養費請求代行業者をどのレベルまで認めていくのかという点だ。中小企業組合法に規定される事業協同組合が良いのならば、日整の各都道府県社団も協同組合での事業であるから、何ら問題はないということになろうか。
一方で、一般社団法人や会社組織などの場合はどうなのか。定款・約款の有無や行政への報告義務、行政の立ち入り検査といった観点も含めた議論を今後していくことが求められる。
行政側としては、できれば医科と同様な仕組みを構築したいだろう。なぜなら、医科本体の診療報酬明細書のオンライン請求方策に則り、これに準じた仕組みを展開すればいいだけだからだ。 (さらに…)
日本産科婦人科学会 PMS・PMDDの診断・治療管理指針に「鍼治療」
日本産科婦人科学会 PMS・PMDDの診断・治療管理指針に「鍼治療」
2024.08.09
日本産科婦人科学会の『月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療管理指針』において、「鍼治療の使用」が選択肢に記載される可能性が高い。公表は令和7年3月を予定。
PMS・PMDDに標準治療以外の選択肢を
同指針は、武田卓氏(近畿大学東洋医学研究所教授)や渡邉善氏(東北大学病院産婦人科講師)らのグループが中心となりまとめているもの。
日本は諸外国に比べPMS(月経前症候群)・PMDD(月経前不快気分障害)の認知が医療サイドでも低く、多くの患者が未治療である現状という。そして、令和3年に日本産科婦人科学会女性ヘルスケア委員会が「PMS・PMDD診断・治療実態調査小委員会」により、全学会員(1万6,732名)を対象に調査したところ次のような様々な問題点が浮かび上がった(1,312名回答)。 (さらに…)
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』76 オートファジーの発展
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』76 オートファジーの発展
2024.08.09
本稿第37回でオートファジーについて述べました。大隅良典氏がこの分野でノーベル賞を取られて8年が経過しましたが、大隅ラボの研究者としてノーベル賞授賞式にまで同席された吉森保氏が、兵庫県鍼灸師会の夏季講座で講演されると知り、細胞生物学大好きの私は、何がなんでもと聴講に出かけました。7月21日の神戸は猛暑日で、途中のコンビニトイレでハンカチを濡らして首に巻いて、元町駅から会場まで坂を登りました。
当院通院中の京都大学の研究者から、吉森先生は話が面白いとお聞きしていましたが、エンジンがかかるとフリートークで笑わせながらも、しっかりと要点を押さえたご講演でした。ところで氏の著書を読んでいて、私はいくつかの疑問を感じ、どうしても吉森先生に尋ねたいことがありました。 (さらに…)
JATAC第29回全国活動報告会 ATとして他機関と連携するには
JATAC第29回全国活動報告会 ATとして他機関と連携するには
2024.08.09
特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会(JATAC、片岡幸雄理事長)の第29回全国活動報告会が7月21日に東京海洋大学越中島キャンパス(東京都江東区)で開催された。
足病とケアの変遷
特別講演ではアンドリュー・エッセン氏(オーストラリア足病医協会・前会長)が登壇し、『海外の足底板療法の変遷とこれから』と題し、過去40年における足病の変遷について解説した。同時通訳は蛭間栄介氏(帝京大学教授)。
エッセン氏は1980年代に興った第一次ランニングブームでランニング人口が増加、それに比例して足病患者も大きく増加したと説明。以降、90年代、2000年代と新たな機器や技術の登場で効果的な治療法の開発にも役立ったとした。
近年、身体活動不足は健康への影響のほか、経済活動の鈍化にもつながるとされており、スマートフォンやスマートウォッチなどの機器を用いたアプリなどエンターテインメント性を高めることで運動の継続に一役買っていると解説した。
地元でのAT活動を紹介
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鍼灸安全対策マニュアル 鍼灸治療のリスク対策を網羅 医歯薬出版から発刊
鍼灸安全対策マニュアル 鍼灸治療のリスク対策を網羅 医歯薬出版から発刊
2024.08.09
医歯薬出版株式会社が7月、鍼灸師に必要なリスクマネジメントの知識を網羅した『鍼灸安全対策マニュアル』を発刊した。公益社団法人全日本鍼灸学会の臨床情報部安全性委員会が編集し、2020年に公表した「鍼灸安全対策ガイドライン2020年版」に準拠した内容で、「鍼灸の安全」に関する最新の考え方や知見が盛り込まれている。
監修は坂本歩氏(同会監事、学校法人呉竹学園理事長)、編集は形井秀一氏(筑波技術大学名誉教授)と同会安全性委員会。
本書は法律や科学的根拠に基づいた鍼灸師が遵守・注意すべき事柄や、臨床で遭遇することの多いアクシデントへの対策などを網羅的に紹介。「総論」「各論」「関連療法の安全対策」の3章構成で、有害事象が発生した場合の具体的な対策・対処法も提示している。
「刺鍼深度」や「気胸」などの項目が並ぶほか、コロナ禍を経て重要度が増している「感染対策」についてもページを割いて解説する。有事の際の対応マニュアルとして活用できる一冊。
価格4,620円(税込)、B5判、266頁。
医歯薬出版ホームページ『鍼灸安全対策マニュアル』
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連載『織田聡の日本型統合医療“考”』240 WEBサービスの利用で海外文献をもっと身近に
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』240 WEBサービスの利用で海外文献をもっと身近に
2024.08.09
新しいことを始める時はいつもとてもワクワクします。広く浅く得ていた知識をさらに深くしなければならない時、本屋で専門書を買い漁るのですが、システマティックに知識を武装していくには、その中から一つ軸となる書籍を選んで、難解で理解が及ばない部分を複数の情報に当たると案外スッと理解できたりします。
また、生成AIは広く浅い知識を得たり、一定程度であればクリエイティブな活動にも充分に活用できます。一方で、専門書を超えたレベルの知識が必要となった場合には、ウソや架空が増えてくるので裏を取るのが大変になってきますので要注意です。 (さらに…)
左右社から新刊 医学問答―西洋と東洋から考える からだと病気と健康のこと
左右社から新刊 医学問答―西洋と東洋から考える からだと病気と健康のこと
2024.08.09
株式会社左右社より『医学問答―西洋と東洋から考えるからだと病気と健康のこと』が発刊されている。著者は鍼灸師の若林理砂氏(アシル治療室)と元大阪大学大学院教授の仲野徹氏。四六判変形、296頁、1,980円(税込)。
東洋医学と西洋医学の専門家がそれぞれの見地から体・病気・健康のことを対談形式で考える医学本。対談は「一番の違い」という「西洋医学は科学で東洋医学は哲学なのか?」との説を議論する「歴史編」から始まり、体、病気、治療、くすり、未来へと話題は展開する。著者の二人はかつても対談しざっくばらんに話せる仲ということもあり、「なんで?」「どうして?」とストレートに疑問をぶつけ合い、体験談や知見をふまえテンポよくやり取りする様子はまるで井戸端会議のよう。
気さくな雰囲気のなかにも「東洋・西洋、どっちも使うたらええんやん!」のメッセージが深く刺さる一冊。 (さらに…)
連載『中国医学情報』233 痙直型脳性麻痺児への下肢CPM装置と鍼の併用治療―ランダム化比較 ほか
連載『中国医学情報』233 痙直型脳性麻痺児への下肢CPM装置と鍼の併用治療―ランダム化比較 ほか
2024.08.09
☆痙直型脳性麻痺児への下肢CPM装置と鍼の併用治療―ランダム化比較
福建省泉州市の解放軍910病院・夏美玲らは、脳性麻痺児の70%以上とされる痙直型で、下肢CPM(持続的他動運動)装置と鍼の併用治療を行い、CPM単独群と比較(上海鍼灸雑誌、2024年5期)。
対象=
同院中医リハビリ科100例(男50例・女50例、2020年5月~2022年6月)、平均4±1歳(2~6歳)、分類は四肢麻痺14例・両麻痺86例。これらをランダムに、併用群52例・CPM単独群48例に分けた。
治療法=
毎日1回、連続3カ月間。
<鍼治療>
①取穴―主穴:百会・通天・曲鬢・前神聡(奇穴で百会の前1寸)。配穴:上肢(曲池・合谷)・下肢(太衝・足三里)・背部(夾脊穴)
②操作―0.25×40mmの毫鍼使用。頭部は後方に透刺し、得気後に置鍼1時間。上下肢背部へは、浅刺(原文「半刺法」)で得気後に置鍼30分間(半刺法は一般に速抜)
<下肢CPM>南翔宇医療設備社製の装置を使用。毎日1回・毎回30分間。 (さらに…)
令和6年度第2回東京都委託施術者講習会 がん終末期の人に鍼灸師ができることとは
令和6年度第2回東京都委託施術者講習会 がん終末期の人に鍼灸師ができることとは
2024.08.09
6月16日に公益社団法人東京都はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師会が令和6年度第2回東京都委託施術者講習会『鍼灸マッサージ師は緩和ケア病棟で何が出来るか―がん終末期の人とひととの関わりから』を東京都千代田区の会議室とWEBで開催した。
協調して患者を診るチームの一員になるには
才村雅志氏は千葉県南房総市にある花の谷クリニックの緩和ケア病棟で、鍼灸師としてがん終末期の人と向き合っている経験をもとに講演を行った。同院は入院にて緩和医療とし、余命が限られたがん終末期の患者をみている。
平成23年に才村氏は同院で初めての鍼灸師として勤務した。当初は医師と知識や感覚が共有できないことが多くジレンマに陥った時期もあったと振り返った。ある時、「理解できなくてもお互いの仕事を尊重しよう」と思い、ケアチームの中でできることを考えだしたのが転機となった。 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』240 Triple heat
連載『汗とウンコとオシッコと…』240 Triple heat
2024.08.09
7月後半から、秋の気配が忍び寄るようになった。日中は殺人的な暑さではあるが、明け方はすっかり涼しい。山に入れば7月半ばから虻が飛来し、最近は夜の野菜の水の吸い上げが少なく夜露を感じさせるような空気が漂う。今年は土運太過なので土地に含有する水が多いために雲の発生が多いようだ。
このような気温の時は、暑さが酷いのにもかかわらず、身熱の反応より下肢に障害が現れやすく、浮腫みや引きつり、痺れが多く現れ、脱力して動けなくなる場合もある。そのような人は決まって過食系の人が多いのだ。
常は川端が担当している70代後半で小柄な女性の谷村さんに、たまたま横転先生が当たることになった。谷村さんは、狭窄症により下肢神経症状が現れ痺れや脱力を訴えていた。糖尿があるにもかかわらず食べるのが好きで、注意されても饅頭を食べては具合が悪くなるということを繰り返していた。
「婆さん、足の具合はどうや。痺れはマシになったか」
と横転先生が言う。 (さらに…)
連載『未来の鍼灸・柔整を考える』第18回 未来型治療院を考える
連載『未来の鍼灸・柔整を考える』第18回 未来型治療院を考える
2024.08.09
新型コロナの影響により、奇しくも日常生活の至るところでオンライン化が進みました。医療においても感染防止の観点からビデオ通話などを活用した「オンライン診療」やアプリを利用した「デジタル治療薬」といった新たなサービスへの期待が高まっています。
MMD研究所による調査では、オンライン診療認知度は84.1%、うちオンライン診療利用経験は18.0%であり、20代~30代男女で利用経験が多く、どの世代でも半数以上が関心を示しているとされています。ただ、現時点では思ったほど普及していません。しかし、オンライン化の波は生活全般に及んでいることから、今後はオンラインとオフラインの長所を生かした診療を鍼灸・整骨院でも考えることが必要となります。
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『ちょっと、おじゃまします』 経絡治療の優しい鍼で 現代の疲れを癒す 神奈川県藤沢市<柿田鍼灸院>
『ちょっと、おじゃまします』 経絡治療の優しい鍼で 現代の疲れを癒す 神奈川県藤沢市<柿田鍼灸院>
2024.08.09
「生まれ育った地に足をつけて鍼灸院を続けていきたい」と話すのは柿田千鶴先生。大人になって出会った鍼灸に魅了され、様々な場所に足を運んで学びを深めながら、働く女性の不調を治療しています。
鍼灸に興味を持ったのは、社会人になって10年ほどが経ったころ。仕事の疲労やストレスからくる不調に悩まされる日々に限界を感じ将来を模索していた時、母親から鍼灸師のことを聞いたのがきっかけでした。「病気になったら病院で治療するしかない」と考えていた当時、他の選択肢があることに衝撃を受けたと話します。調べるほどに驚きと興味が大きくなり、次の春には養成校に入学しました。 (さらに…)
オン資アプリ、「資格確認結果画面」の機能追加
オン資アプリ、「資格確認結果画面」の機能追加
2024.08.08
柔整・あはき施術所で今春から運用が始まっている「オンライン資格確認」(オン資)について、7月末に専用アプリで新機能が追加されるなどのアップデートが行われた。
今回、メインとなるアップデートは、「資格確認結果検索機能」の追加。専用アプリでマイナンバーカードより取得した資格確認結果の画面を閉じた後も、同機能を利用することで事後的に(翌月末まで)資格確認結果を再度確認できる。
また、資格確認結果の画面右上に「資格確認結果をコピーする」ボタンを設置。表示されている資格情報をテキスト形式でコピーすることが可能となった。
マイナ資格確認アプリのアップデートの方法については、下記の施術者等向け総合ポータルサイト内のページを参照に。
【お知らせ】マイナ資格確認アプリのアップデートについて
【重要】マイナ資格確認アプリの資格確認履歴閲覧機能におけるエラーについて(R6.8.6)
あはき師国試の受験料値上げについてパブコメを募集
あはき師国試の受験料値上げについてパブコメを募集
2024.07.30
あん摩マッサージ指圧師国家試験、はり師国家試験及びきゅう師国家試験における受験手数料の改定について、厚労省が7月18日よりパブリック・コメントを募集している。
改定の理由は「受験者数の減少による収入減及び諸経費高騰の影響による試験の実施に係る支出増により、試験事務に係る収支が悪化していることから」としており、受験料は現在の14,400円から19,500円と大きく上がることとなる。
1,4400円【改定前】 → 19,500円【改定後】
同改定は、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)第2条第7項を根拠としており、公布日は今年8月の予定で、施行は公布日と同一となるため、改定が決まれば、次回令和7年の国家試験から適用される。
パブリック・コメントは郵送、電子メール、電子政府の総合窓口「e-Gov」のフォームから応募することができ、募集期間は8月17日(土)まで。
郵送先住所
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 厚生労働省医政局医事課宛て
メールアドレス(厚生労働省医政局医事課宛て)
isei-ijika1@mhlw.go.jp
e-Gov入力フォーム
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495240097&Mode=0
なお、柔整師は昨年9月末に同様の改定が行われ、16,500円から23,900 円とこちらも大きく値上がりし、今年2月の国家試験から適用されている。
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令和6年実施の柔整国試、3月3日に
ガイドライン案が最終合意 第11回 広告検討会
ガイドライン案が最終合意 第11回 広告検討会
2024.07.25
整骨院は項目除外「これまで通りで」
7月12日、11回目となる「あはき師・柔整師等の広告に関する検討会」が開催され、違法広告の取り締まり強化などを目的とした広告ガイドライン(GL)の原案が合意された。新型コロナの影響で中断時期もあったが、6年以上に及ぶ議論がようやく終結した。最終盤になって再び持ち上がった「整骨院」の名称使用の可否については、GLに盛り込まないこととなり、結果的に「整骨院」を名乗っていくことは継続できることとなった。
柔整側、歴史・実態から再度訴え
今回の会議でも、5月下旬の前回と同様、柔整側メンバーである日本柔道整復師会(日整)の徳山健司氏が、「整骨院の名称を不可」とする意向で固まっていた同検討会の考えを今一度見直してほしいと強く訴えた。
柔整師と「整骨」の歴史的背景にも言及し、両者が切っても切り離せない関係にあると強調。古くは『養老律令』(757年)や『医心方』(984年)に骨損傷の治療に関する記述があり、時代が下った江戸期にも『整骨新書』(1810年)といった整骨専門書も多数出され、その著者・各務文献が「昔から日本に伝わり未だ精しく究められていない整骨術を研究して、もっと盛んにしたいと志して整骨医になった」と自序で述べていると紹介した。
また、日整と全国柔道整復師統合協議会(全整協)の所属会員に対して緊急で調査をしたところ、全28,617の施術所のうち、「整骨院を名乗っている」のが16,545カ所で、57.8%と半数を超えていたと報告。徳山氏は、柔整師の源流は「整骨術」にあると言っても過言ではなく、整骨院の使用実態から国民一般に広く浸透し、認識されているとして、従来通り整骨院の名称を使用できるよう求めた。
この要望を受け、厚労省が、①GLに広告可能な名称の例として記載する、②GLに広告不可な名称の例として記載する、③GLには記載しない、の3択を提示し、話し合いを促した。
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錦房から新刊 医療のパラダイムが変わる 鍼灸の再発見
錦房から新刊 医療のパラダイムが変わる 鍼灸の再発見
2024.07.25
錦房株式会社から新刊『医療のパラダイムが変わる 鍼灸の再発見』が刊行された。著者は矢野忠氏(明治国際医療大学名誉学長)、監修は一枝のゆめ財団。A5判182頁。定価は3,080円(税込)。
鍼灸医学の面白さや偉大さは根底となる世界観や生命観に由来し、そこに古代中国から連なる科学的思考が乗る形で構成されていると著者はいう。本書は、鍼灸の思想や新しい鍼灸医学についてなど4章に分けられ、図表も豊富に用いて解説する。
また第2章では「皮膚」についても取りあげており、体を覆うただの膜ではなく、優れた感覚器であること、刺激や接触によってストレスの原因物質を抑制し、一方でリラックス効果を与えるホルモンの分泌を促すことなど、鍼灸施術を通して脳を整えることも可能だいう。
著者は「鍼灸療法は受療者のwell-beingを支援する医学」であり、受療後には症状の軽減だけでなく、軽やかな心地を伴う「感動できるからだ=well-being」を創ることができると語る。疾病構造の変化で鍼灸の方向性も変わりつつある近年、これまでとこれからを見つめ、手を引いてくれる一冊。 (さらに…)
プライマリケア学会で施術ブース設置
プライマリケア学会で施術ブース設置
2024.07.25
昨年に続き、医師の学会で「アピール」
6月7日から3日間、静岡県浜松市内で開催された『第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会』で、マッサージ施術の体験ブースが設けられるなど、あはき関係者が参加した。会期中は医師を中心に約4000人の医療従事者が集まり、多職種連携に向けたアピールとともに、交流を深める機会となった。
病鍼連携、地元鍼灸社団が実施
会場内の健康文化ゾーンで「マッサージ体験ブース」を実施したのは、病鍼連携連絡協議会(長谷川尚哉代表)。昨年の愛知大会で好評だったため、今年も主催者より声をかけられ、「こころよく引き受けた」という。当日はベッド3台を並べ、施術者4、5人で施術に当たった。
また今年は、順番待ちの長蛇の列ができた昨年の反省を生かし、ネット上で予約するシステムを採用。前日から予約も入るなど、2日間で医師、看護師、医学生ら120人を超す希望者が足を運び、全ての時間帯でベッドが埋まる盛況ぶりだった。 (さらに…)
『ちょっと、おじゃまします』 グローバルな活動で鍼灸の良さを広めたい 東京都八王子市<だいちの鍼灸院>
『ちょっと、おじゃまします』 グローバルな活動で鍼灸の良さを広めたい 東京都八王子市<だいちの鍼灸院>
2024.07.25
訪問と治療院で女性の不調に向き合いながら、海外で灸のボランティア活動をしたり、他業種とのコラボイベントを開催したりと多彩な活躍をする佐々木大地先生。人とのつながりを大切にして鍼灸の良さを多くの人に伝えています。
「世界で活躍したい」と考え、全く接点のなかった鍼灸の世界に突然飛び込んだ佐々木先生。教員養成科にも進み経絡的・現代医学的・中医学的治療を、流派を超えて幅広く学びました。その後は治療院で勤務。乳幼児から年配者の痛みを治療する中で、患者さんは痛みが取れると通院をやめてしまうことや、灸を使うには時間や場所が限られることにジレンマを感じるようになり、令和3年にだいちの鍼灸院を開業しました。
(さらに…)