業界代表する2学会 対面開催中止
2020.07.10
接骨医学会、全日本鍼灸学会
コロナ禍でやむなく
新型コロナウイルスの新規感染の収束が見通せない中、業界内では大規模な学会の対面開催中止が相次いで発表された。
一般社団法人日本柔道整復接骨医学会(櫻井康司会長)は6月15日、11月に東京都内で開催予定だった第29回学術大会の対面開催中止をホームページで発表。 (さらに…)
業界代表する2学会 対面開催中止
業界代表する2学会 対面開催中止
2020.07.10
接骨医学会、全日本鍼灸学会
コロナ禍でやむなく
新型コロナウイルスの新規感染の収束が見通せない中、業界内では大規模な学会の対面開催中止が相次いで発表された。
一般社団法人日本柔道整復接骨医学会(櫻井康司会長)は6月15日、11月に東京都内で開催予定だった第29回学術大会の対面開催中止をホームページで発表。 (さらに…)
東方医学会、コロナの医療従事者に無料の鍼灸施術を提供
東方医学会、コロナの医療従事者に無料の鍼灸施術を提供
2020.07.03
日本東方医学会が「ありがとう! スマイルケア」と銘打ち、新型コロナウイルス感染症に携わる医療従事者に無料の出張鍼灸施術を行っている。
首都圏の病院に鍼灸師を派遣し、医師や看護師、薬剤師、理学療法士など施術を行う。派遣するのは、同学会で医療連携に関する認定制度をクリアした鍼灸師。マスクや手袋、フェイスシールドなどの感染予防具は鍼灸師が持参するという。
日本東方医学会「ありがとう!スマイルケア」プロジェクト
「部活動再開後は0.8~1.3倍の負荷から」JSAT指標
「部活動再開後は0.8~1.3倍の負荷から」JSAT指標
2020.06.01
6月以降、学校再開の本格化に伴い、部活動も順次活動が解除され、施術者によるトレーナー業務も再び動き出す。一般社団法人日本アスレティックトレーニング学会(JSAT)が5月中旬、中高生の部活動再開後の練習でケガをしないためのガイドラインを作成し、公表している。
休み明けの練習はケガが起こりやすいため、自粛中のトレーニングの「0.8~1.3倍の負荷」で始めるよう勧めている。指標となる負荷を割り出す計算式も紹介しており、まず1週間程度は「計算した負荷」で練習に取り組み、徐々に増やしていくことが望ましいとしている。急がば回れだ。
JSAT『中学校・高校の部活動自粛解除後の練習でケガをしないために』
全日、新型コロナ感染予防に指針
全日、新型コロナ感染予防に指針
2020.04.27
全日本鍼灸学会がホームページ上に『鍼灸施術における新型コロナウイルス感染の拡大防止のための注意点』を公表。施術者は毎日施術前に体温を測定する、予約などで患者を分散させる、患者が発熱している場合や感冒症状がみられる場合は施術を行わない、といった10の項目を施術の指針として挙げている。
一般的な感染予防法については同学会がまとめた『鍼灸安全対策ガイドライン2020年度版』を参考にしてほしいと呼び掛けている。
新型コロナ、鍼灸関連学会など大会延期
新型コロナ、鍼灸関連学会など大会延期
2020.04.10
全日は9月に、東洋医学会は来年夏に
5月下旬に京都で開催予定だった全日本鍼灸学会の第69回学術大会(北小路博司会頭)が、新型コロナウイルス感染症の拡大予防のため、開催の延期を決めた。日程を3カ月以上延ばし、9月11日から13日の間で開催される。会場(国立京都国際会館・京都市左京区)の変更はないが、大会内容に変更が生じた場合は随時通知するとしている。
同様の事情から、6月中旬に開催予定の日本東洋医学会の第71回学術総会(三潴忠道会頭)も来年8月に延期すると発表。会場の仙台国際センター(仙台市青葉区)に変更はないとしている。11月に名古屋で開催予定だった第35回経絡治療学会学術大会も開催の中止が決定された。
JLOM ICD-11収載で会見 医療現場での伝統医学活用を
JLOM ICD-11収載で会見 医療現場での伝統医学活用を
2020.03.25
電子システム化を学会で検討
日本東洋医学サミット会議(JLOM)はICD-11への伝統医学分類(漢方・鍼灸)収載を受けた記者会見・記念講演会を2月20日、東京都内で開催。現在の状況や今後の展望について報告した。
【ICD-11(国際疾病分類第11版)】
国際疾病分類(ICD)は、WHOが作成する国際的に統一した基準で定められた死因及び疾病の分類。日本では公的統計や診療報酬明細書などの死因・疾病分類に、ICD準拠の統計基準を利用している。昨年6月に約30年ぶりの改訂が行われ、「伝統医学の病態」などの章が追加された。
会見に臨んだのは、JLOM議長の伊藤隆氏(一般社団法人日本東洋医学会会長)、同副議長の若山育郎氏(公益社団法人全日本鍼灸学会副会長)。 (さらに…)
第37回日本東方医学会 『大腸が寿命を決める』テーマに
第37回日本東方医学会 『大腸が寿命を決める』テーマに
2020.03.25
便秘への鍼灸や近年の知見など
第37回日本東方医学会が2月9日、『万病撃退! 大腸が寿命を決める』をテーマに都内で開催された。
マリーゴールドクリニック院長の山口トキコ氏が『大腸肛門病専門医の視点で健康を再考する』をテーマに会頭講演を行った。 (さらに…)
第1回健康施術産業展 施術所向け商品・サービス出展
第1回健康施術産業展 施術所向け商品・サービス出展
2020.03.25
70社がブース構え、15,818人来場
『第1回健康施術産業展』が2月12日~14日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。ブティックス株式会社(東京都港区)主催。 (さらに…)
新型コロナ あはき・柔整業界も自粛ムード
新型コロナ あはき・柔整業界も自粛ムード
2020.03.10
催しやイベント中止・延期、相次ぐ
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、あはき・柔整業界に「自粛ムード」が広がっている。政府が「今後2週間の大規模イベントの中止や延期」を要請した先月26日頃を境に、業界内の学会やセミナー、講習会や研修などの中止・延期が相次いでいる。併せて、治療の現場でも影響が出ている。
あはき関連では (さらに…)
催し物案内 鍼灸師・歯科医師が講演と実技、函館で
催し物案内 鍼灸師・歯科医師が講演と実技、函館で
2020.02.10
―『実践!! 臨床歯科東洋医学』テーマに―
3月14日(土)16時半から、サン・リフレ函館(北海道函館市)で開催される。函館鍼灸マッサージ師連絡協議会(函鍼連)主催、函館歯科医師会後援。
鍼灸師・歯科医師で、日本スポーツ歯科医学会認定医や美容鍼灸の会「美真会」顧問、アスレティックトレーナーなど、様々な肩書を持つ関根陽平氏が登壇。歯科医師の立場から、また東洋医学的な視点からも、顎関節症・不正咬合・オーラルフレイル・口腔機能低下症などについて解説し、歯科領域と東洋医学の「相性の良さ」にも触れる。「明日から使える鍼灸実技」も披露する。
参加対象は医療系国家資格所持者で参加費5,000円。申込みは函鍼連事務局(TEL/FAX 0138-41-8901)もしくは函館歯科医師会(TEL 0138-23-3650/FAX 0138-23-4765)へ。申込締切りは3月9日(月)。
日本伝統医療看護連携学会 第1回設立記念総会・学術大会 「伝統医療」「看護」の連携へ向け発足
日本伝統医療看護連携学会 第1回設立記念総会・学術大会 「伝統医療」「看護」の連携へ向け発足
2020.01.24
昨年末、あはき・柔整などの伝統医療と看護の連携を模索し、学術の発展や社会貢献を目指して、『日本伝統医療看護連携学会』(佐竹正延会長)が発足。昨年12月18日には、第1回の総会・学術大会が仙台市青葉区の仙台赤門短期大学で開催された。講演やシンポジウムでは、伝統医療と看護はともに全人的であり親和性が高いということが、異口同音に言及されていた。
―ともに『全人的』で高い親和性―
佐竹会長(仙台赤門短期大学学長)は開会のあいさつで、看護学も医学にならい、実証科学を踏襲しているが、それは方法論としての側面であると指摘。看護することの本来的意義から見れば、看護学では人間を全体的・全人的に把握する傾向があるのは歴然としており、一方、伝統医療もまた「パーツではなく全体」として人間を捉えていると述べ、二つの分野が連携することで相互に利益を与えて学際的な発展を遂げ、ひいては社会福祉にも貢献できるよう願うと語った。
鍼灸師と看護師が担う「在宅」
シンポジウム『医療連携の未来を拓く―融和』は村上理恵氏(なの花訪問看護ステーション仙台訪問看護師/鍼灸りえる院長)、柴田克実氏(晩翠通り治療院院長)、亀井啓氏(亀井接骨鍼灸治療院院長)、佐藤喜根子氏(仙台赤門短期大学教授)が登壇した。村上氏は、在宅療養中の末期癌患者や要介護状態の利用者の便秘や浮腫、痛みなどの症状緩和に対して鍼灸治療を行っていると説明。その際、患者宅にある各事業所の記録などから他職種のケア内容や患者の状況を把握し、自分の施術記録も残すことで情報を共有していると述べた。看護師や利用者の家族に温灸の指導をしたり、指圧のツボの位置をマーキングしたりするなどのアドバイスを行い、看護師とともに症状緩和に取り組むケースもあると解説。治療院では、地域包括支援センターを通じて患者に介護予防教室を紹介するなど、個々に適した社会資源につなげるようにしていると話した。柴田氏は十数年携わってきたリンパ浮腫治療について、治療が受けられる医療機関の情報が入って来ない、施設を見つけても予約が一杯ですぐに治療が受けられない、といった患者の現状を紹介。医療リンパドレナージを行えるのは医師や看護師のほか理学療法士や作業療法士、あマ指師なども含まれるとして、それぞれの立場からリンパ浮腫治療に関わっていくことが望ましいと語った。亀井氏は『疼痛の本質を探る―治療のピットホール』、佐藤氏は『東洋医学と看護の「融和」』をテーマに講演を行った。
ほかに、佐竹会長の学術大会長講演『医学にあるもの、医学にないもの』、矢野忠氏(明治国際医療大学学長)の『東洋医学の再発見―医療連携の可能性』と谷口初美氏(九州大学大学院教授)の『補完代替医療(CAM)と看護ケア』の特別講演2題、『看護・介護の場での小さいゴムボールを使ったリハビリテーションの一考察』(藤井裕文氏・ふじい接骨院院長)など一般口演10題、ポスター発表3題が行われた。
『鍼灸5G』 鍼灸学生がイベントを開催
『鍼灸5G』 鍼灸学生がイベントを開催
2020.01.24
―津田昌樹氏、建部陽嗣氏が参画―
昨年12月21日、大阪市東成区の森ノ宮医療学園専門学校で「鍼灸5G」が開催された。
鍼灸学生を中心としたイベントで、「5G」は「学生の、学生による、学生のための、学術が好きになる学会」の略。発起人は大阪行岡医療専門学校長柄校鍼灸科3年の岸井広樹さんで、アドバイザー・座長に鍼灸業界向けウェブマガジン『ハリトヒト。』代表の津田昌樹氏と『閃く経絡』の翻訳者・建部陽嗣氏を招聘。学生、鍼灸師、業界関係者ら約50名が参加した。
前半は学生による研究発表、後半は学生、鍼灸師に加え、商品・サービス等を出展していた企業関係者らも交えたディスカッションを行った。研究発表は岸井さんの『耳鍼の痩身効果について』と、もう1名の学生による『皮膚刺激が人体に与える影響』の2題で、前者はマグレイン(チタン粒)と偽鍼(セイリンのパイオネックス)を使用して耳ツボの痩身効果を検証、後者は皮膚刺激に関する文献を集めてまとめたもの。耳ツボ効果の検証において、体重の減少に関してはマグレインと偽鍼で大きな違いは無かったものの、体脂肪率はマグレインの群で有意に低下しており、津田氏はこの点が「面白い」と指摘。「ではなぜそうなったのか?」との疑問を立てて次の研究につなげてほしいと述べ、フロアから「VASとは何か?」との質問があった際には、学生のうちから学術用語に触れ、その意味を知ってもらいたいと呼び掛けた。文献研究については演者が発表したのち、建部氏がそのスライドをアレンジしたものを披露。研究テーマのイメージに合ったフォントや色、背景を使う、キーワードの文字サイズを大きくする、参考文献はタイトルだけでなく表紙も使う、といった「魅せる」作り方をレクチャーした。ディスカッションでは「流派や団体が多すぎて業界の全体像が分からない」「横のつながりも縦のつながりもない」といった意見を上げた学生や、他校生と話してみて初めて「養成校の実技教育の質・量にバラつきがあること」が分かり、「卒後のスタートラインで既に経験値に差がある」と指摘した学生もいた。
岸井さんは『ハリトヒト。』の書籍化第2弾のクラウドファンディングのリターンとして津田氏の「講演権」を取得。これを契機に、学生が「主役」に、鍼灸師が「参加者」となって互いにコミュニケーションが取れ、また学生は他校生とも交流できるイベントを目指して今回の催しを企画したという。
レポート YNSA(山元式新頭鍼療法)米国セミナー報告
レポート YNSA(山元式新頭鍼療法)米国セミナー報告
2020.01.24
―アメリカ西海岸「初」、盛況に―
我が校、鍼・統合医療バークレー専門職大学院(Acupuncture and Integrative Medicine College, Berkeley/カリフォルニア州バークレー市/理事長:後藤修司 学長&CEO:田中康夫)では昨年11月22日から24日までの3日間にわたり、山元式新頭鍼療法(YNSAR)のセミナーが開催されました。世界的な知名度を誇るYNSAですが、アメリカにおいては、2007年5月にハーバード大学大学院にて創始者の山元敏勝医師が招待講演をされて以来のことであり、また、アメリカ西海岸では初のYNSAセミナーということもあって、関係者の間で大きな反響を呼びました。フロリダ州や遠く日本からの参加者もいて、最終的には、受講生は当初の定員を大きく上回る25名となり、大盛況の中、熱心かつ真剣な技術指導が展開されました。
セミナー講師は、YNSA学会事務局長の冨田祥史先生。大阪の治療院より、はるばる駆けつけていただきました。時差調整に苦戦しながらの3日間のセミナー指導でしたが、関西スタイルの洒落も受講生に大いにウケ、笑いを交えた独自の技術指導は、アメリカ人受講生一同から絶大な評価を得ていました。セミナーが終了する前に、早くも来年度のセミナー開催への要望が数多く寄せられ、現在、その計画が進んでいます。
「薬理療法以外のケア」研修等、全米の病院で義務化
YNSAは、脳神経疾患やパーキンソン病及び、急性・慢性疼痛の症状緩和に顕著な効果をもたらすことで、世界レベルで広く知られています。疼痛治療の分野においては、アメリカでは疼痛緩和に使用されるオピオイドによる中毒死が相次ぎ、深刻な社会問題化していることは周知の通りです。本年度、トランプ大統領による緊急大統領令が発令され、オピオイド対策は医療界での緊急課題に指定されました。また、「薬理療法以外の疼痛ケア」については、全米の各病院で、研修・勉強会が連邦レベルで義務化されており、当校の講師も、カリフォルニア州立サンフランシスコ大学付属小児病院(UCSF Benioff Children’s Hospital)からの要請を受け、同病院のレジデント(研修医)を対象とした鍼による痛み治療について講義を行っています。
このような大きなトレンドの中、さらには、メインストリーム医療への参画という大きな課題の達成に向けて、今回の冨田先生によるアメリカ西海岸初となったYNSAセミナーは、アメリカにおける慢性疼痛の治療において、とても重要な「一石」、そして「起爆剤」になることでしょう。(AIMC学長&CEO 田中康夫)
訃報 元日マ会会長、時任基清さん死去
訃報 元日マ会会長、時任基清さん死去
2020.01.15
日本あん摩マッサージ指圧師会の元会長、時任基清さん(ときとう・もときよ)が昨年12月18日、死去した。86歳だった。日本盲人会連合副会長や東京都盲人福祉協会副会長などを歴任。
時任さんは、新宿区立障害者福祉センターに自治体運営の施術室設置の働きかけなど、視覚障害者のあん摩マッサージ師の雇用改善に尽力された。
元IMJ名誉学会長の渥美和彦さん死去
人工心臓、レーザー医学、生体磁気などの研究を行った世界的な医用工学のパイオニア・渥美和彦さん(あつみ・かずひこ)が昨年12月31日、死去した。91歳。日本統合医療学会(IMJ)の創始者であり、名誉学会長だった。IMJによると、四十九日頃に「偲ぶ会」を予定しているという。
接骨医学会、第28回学術大会 『スポーツと伝統医療』テーマに
接骨医学会、第28回学術大会 『スポーツと伝統医療』テーマに
2020.01.10
一般社団法人日本柔道整復接骨医学会(櫻井康司会長)の第28回学術大会が昨年11月23日、24日、東京有明医療大学(東京都江東区)で開催された。大会テーマは、『スポーツと伝統医療―東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて』。
大会会長の田渕健一氏(田渕整形外科クリニック)による講演では、第4趾の長趾伸筋(EDL)の診断的価値や重要性が解説された。EDLの筋腹は一つだが、「第2趾と第3趾はL5、第4趾と第5趾と第3腓骨筋腱はS1」と支配神経が異なるとし、第4趾のEDLが弱いと第3腓骨筋も弱く、足を外返しする力が弱くなるため捻挫しやすいと説いた。L4、L5、S1の知覚チェックでは下肢のデルマトームを提示し、L5神経根への注意を促したほか、ホッペンフェルドの図を持ち出し、徒手筋力・知覚テストがヘルニアの高位の診断に役立つとした。
また、骨盤を引き上げて片足立ちを安定させる腸脛靭帯と第4趾のEDLとの関係や、足関節の捻挫癖の原因となる靭帯の機能不全などにも言及した。
柔整術の伝承には「文書化」「実体験」など
「外傷に対する技術の伝承―柔道整復における承前啓後」をテーマとしたシンポジウムでは、栗原友介氏(栗原整形外科)、根本恒夫氏(東京有明医療大学)、高崎光雄氏(高崎接骨院)、柴田仁市郎氏(仁接骨院)、田邊美彦氏(タナベ整骨院)の5名が登壇。栗原氏は、高齢化に伴い、骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折での来院が増えており、体幹ギプス固定を多用していると説明。疼痛緩和や圧潰進行抑制で高い効果がみられるが、まれに不快感を訴える患者もおり、「ウエストを絞るモデリングの徹底」で装着困難例の減少に努めていると述べた。根本氏は、柔道整復術の伝承には整復法・固定法・後療法を文書化(可視化)した上で、信頼性を担保するため、現代医学的見地から解剖学・生理学的な検証が求められると訴えた。高崎氏は、臨床現場での助手の存在の必要性を説き、整復時に術者と呼吸を合わせたり、対牽引を体感したりと経験を積ませることが後継者育成につながると呼びかけた。また、軟部組織への対応を「柔整治療手技」としてまとめ、柔道整復学の基礎とするよう提案した。柴田氏は、伝統的な包帯法「合わせ包帯」をアキレス腱損傷に応用した実例を紹介した。田邊氏は、かつて徒弟制度で「骨を動かす術」を実践する場が確保されていたが、現在は少なくなったとして、疑似体験ができるシミュレーターを開発したと説明。情報社会の進展で「知る」ことはできるが、施術は実際に「触り慣れる」ことが大切であり、学校教育でも学習ツールとして有用だと語った。
このほか、参院議員・武見敬三氏の特別講演『東京オリンピック・パラリンピックのレガシー:活力ある健康長寿社会の実現』、モンゴル国立医療科学大学での柔道整復術導入の現状が報告されたインターナショナルセッション、実践スポーツ医科学セミナー、各分科会フォーラム、一般発表204題などが行われた。
日本臨床鍼灸懇話会 第58回全国集会大阪大会 鈴木氏、「丁寧な診察を」
日本臨床鍼灸懇話会 第58回全国集会大阪大会 鈴木氏、「丁寧な診察を」
2019.12.25
―故・米山榮氏を偲んで―
日本臨床鍼灸懇話会の第58回全国集会大阪大会が11月30日、12月1日、森ノ宮医療学園専門学校(大阪市東成区)で開催された。
同会理事の鈴木信氏は、診察を丁寧に行うことで患者への病態説明や鍼灸治療が自信を持ってできるようになり、効果が思わしくなかった時の反省材料にもなると説明し、患者負担の最も少ない診察法の一つとして、聴診について概説。腹部の聴診において、腸管の蠕動音が低下・減弱したら麻痺性イレウス、亢進したら機械性イレウスなどが疑われると指摘、丼鉢にサイコロを入れた時のような金属音がしたら腹膜炎の可能性が高いため、直ちに医科での受診を勧めるべきだと説いた。恩師である故・米山榮氏は患者への説明に30分かけていたといい、「患者さんは診察室を出たら話の3分の2を忘れている。しかし内容は忘れても『よく分からないが何か一生懸命に話してくれていた』と記憶に残り、熱意も伝わる」との米山氏の言葉を紹介。自分が丁寧な診察を心掛けるようになったのは、米山氏の影響が大きいと述べた。
また鈴木氏は、痛みや違和感、イガイガなどの喉の症状に対し、顎下リンパ節周縁への刺鍼で症状が改善した10例を提示し、その刺鍼法と、頸肩腕症状への刺鍼の実技を供覧した。
▲鈴木信氏と、その実技の様子
研究発表の実績で集患
まり鍼灸院院長の中村真理氏が、『HOW TO 鍼灸院経営―最高のサクセスストーリーはEBMから』と題して登壇した。中村氏は鍼灸院の経営に注力するとともに、全日本鍼灸学会や日本東洋医学会、日本刺絡学会など複数の学会に所属し、学術大会や学会誌で臨床研究の発表実績を積み重ねてきたと説明。院のホームページにはその実績を掲載して積極的にアピール、それが信頼感を与えて集患につながっていると述べた。また、増毛や子どもの夜泣きへの小児はりなど、特定の治療に対して「最低限、〇回は通ってください」という一定の治療回数を設けていると解説。この回数は自院での統計に基づいていると話した。中村氏は、中途半端な回数で通院をやめて治らなかった患者は、必ずと言ってよいほど治療院や施術者を批判すると指摘。風評被害を防ぐためにも、治療の回数設定は必要であると説いた。
佐野善樹氏(北辰会、さの漢崇院)は、現代医学的病態把握からは座骨神経痛とされたが、東洋医学的病態把握によって「舌根部、腎の部位に黒色に近い灰苔」を認めたことから重篤な疾患を疑った症例を紹介。鍼によって一時的な症状は改善していたが念のため病院での精査を勧めたところ、神経腫瘍だったため緊急手術となったと述べ、病態の重症度と症状の改善は「別物」であるとして注意を呼び掛けた。
ほかに、尾﨑朋文氏による会長講演『鍼灸診断学の再考―本会での鍼灸診断学の歴史と意義』や研究討論『刺鍼手技の違いによる生体の変化―超音波診断装置を用いて』(松下美穂氏・森ノ宮医療学園専門学校鍼灸学科長)、症例報告『左臀部の筋力低下による歩行障害に併発したパーキンソン病の1症例』(中島茂氏・みどりの風鍼灸院)などが行われた。
「伝統医療」と「看護」の連携へ向け、学会発足
「伝統医療」と「看護」の連携へ向け、学会発足
2019.12.19
伝統医療と看護の連携を模索、学術の発展や社会貢献を目指して、『日本伝統医療看護連携学会』(佐竹正延会長)がこのほど発足。昨日12月18日には、第1回の学術大会が仙台市青葉区の赤門短期大学で開催された。
同学会の主だったメンバーは、赤門鍼灸柔整専門学校と昨年設置された系列校で看護学科の赤門短期大学の関係者で構成され、両校のシナジー効果も見込まれる。
同学会の今後の活動、発展が期待される。(今後発行の弊紙で、講演内容などを詳述)
第64回日本生殖医学会学術講演会 JISRAMの徐大兼氏が登壇
第64回日本生殖医学会学術講演会 JISRAMの徐大兼氏が登壇
2019.12.10
―生殖医療「国内最大級」の学会で―
第64回日本生殖医学会学術講演会が11月7日、8日、神戸国際会議場・展示場(神戸市中央区)で開催された。同学会はヒトと動物の生殖医療に関する学術の発展を目的として活動しており、医師や獣医師、研究者など、数千名の会員を擁している。今回の学術講演会は演題数600弱、参加者2,500人以上という「国内最大級」の規模となった。統合医療をテーマとしたシンポジウムではJISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)代表理事の中村一徳氏が医師と共同で座長を担当し、シンポジストの一人として、鍼灸師の徐大兼氏(アキュラ鍼灸院、JISRAM事務局長)が講演を行った。
徐氏は、近年、米国ではART(高度生殖医療)と鍼灸を併用する患者が増えていると説明。マサチューセッツ州の高度生殖医療施設「ボストンIVF(体外受精)」のドマール博士の研究によると、対象患者の30%がIVF前に鍼灸治療を受け、47%がIVF中に利用していたと解説。現在鍼灸を現場で提供している、または鍼灸院と提携している施設は米国の高度生殖医療施設全体の50%以上に上るのではないかとの、博士の推論を紹介した。
反復不成功例でも鍼灸で妊娠率向上
また徐氏は、自身が責任者を務める京野アートクリニック高輪の鍼灸ルームで行った、不妊患者への鍼灸治療の効果についての調査結果を発表した。調査では、2002年にPaulusらが不妊に対する鍼灸治療で有意な結果を示したプロトコールに星状神経節へのレーザー照射を追加。鍼灸を実施しなかった群の妊娠率が33.4%で流産率が28.3%だったのに対し、鍼灸群では妊娠率54.3%と大きく上回り、流産率は15.8%と低く抑えられたと述べた。対象となった患者のうち凍結胚移植3回以上の反復不成功例の患者については、鍼灸を実施しなかった患者の妊娠率は24.8%だったのに対して、実施した患者の妊娠率は54.5%に上ったと説明した。
シンポジウムにはほかに、著書『The Fertility Diet(邦題:妊娠しやすい食生活)』で知られるジョージ・E・チャヴァロ氏(ハーバード大学公衆衛生大学院栄養免疫学准教授)、太田邦明氏(福島県立医科大学産科婦人科学講座ふくしま子ども・女性医療支援センター)、古賀文敏氏(古賀文敏ウイメンズクリニック)が登壇、栄養学などの観点から妊孕性について語った。
日本伝統鍼灸学会第47回学術大会 ICD-11における経脈病証の使用状況
日本伝統鍼灸学会第47回学術大会 ICD-11における経脈病証の使用状況
2019.12.10
―ICD-11における経脈病証の使用状況
最多は膀胱経、次いで胆経など―
日本伝統鍼灸学会の第47回学術大会が11月23日、24日、東京都内で開催された。テーマは『日本伝統鍼灸の確立に向けて―日本の鍼灸の発想と継承』。
JLOM委員会報告では明治国際医療大学大学院特任准教授の斉藤宗則氏が登壇し、国際疾病分類第11版(ICD-11)に伝統医療分野が導入された経緯と現状を概説した。中国や韓国はICD-11の活用のために国を挙げて症例集積を行っていると指摘。日本でもその作業が急務であるとして、昨年10月から12月にかけて行った『国際疾病分類第11版における経脈病証の鍼灸臨床使用状況の調査』の結果を発表した。症例数2,617(調査協力者213名)のうち最も多かったのが膀胱経(811例、31.0%)で、次いで胆経(447例)、腎経(431例)などとなっており、奇経八脈は正経と比べると少ないと説明。主訴は腰痛が447例(17.1%)と最多で、膝痛、肩痛が続いたとし、上位10主訴(49.5%)は「痛み」と「こり」が占めたと述べた。斉藤氏は、このようなデータを集め続ければ鍼灸受療患者の実態を明らかにできるだけでなく、主訴や西洋医学的病名と経脈病証との関連性も追求できるとして、協力を呼び掛けた。
学生限定のセミナーでは同学会会長の形井秀一氏(洞峰パーク鍼灸院院長)、長野仁氏(森ノ宮医療大学大学院教授)、寄金丈嗣氏(六然社)が講演や実技を行った。形井氏は、触診では「圧痛があるということを、圧痛を感じさせる前に分かるのが理想」だと説明。触診の練習の際には、術者側はとにかく手の感覚を磨き、被術者側は常に、左右差などの感覚を言語化して術者に伝えなければならないと学生らに説いた。長野氏は、押手で鍼を回旋させて刺手で送り込む古法による刺鍼法を、寄金氏は散鍼を披露した。
ほかに会頭講演『易と鍼灸』(小林詔司氏・積聚会名誉会長)や教育講演『「黄帝内経」千年の定説を覆す』(松田博公氏・日本内経医学会)、特別対談『脈診と経絡治療について』(篠原孝市氏・日本鍼灸研究会/浦山久嗣氏・経絡治療学会)、実技講演『散ずる鍼を尋ねて』(南谷旺伯氏・旺針療所)、一般口演などが行われた。
ハリトヒト。マーケット 「教員、学生を支援できていない」?
ハリトヒト。マーケット 「教員、学生を支援できていない」?
2019.11.25
養成校、教員の在り方で提言など
『ハリトヒト。マーケット』が10月27日、関東鍼灸専門学校(千葉市美浜区)で開催された。
鍼灸業界、鍼灸学生向けウェブマガジン『ハリトヒト。』の製本化第二弾を記念したイベント。これまで掲載してきたロングインタビューのインタビュイーの中から、内原拓宗氏(関東鍼灸専門学校副校長)、赤星未有希氏(鍼灸師、がん情報ナビゲーター)、横山奨氏(アイム鍼灸院)、松田博公氏(鍼灸ジャーナリスト、黄帝内経研究家)が講演や対談を行い、企業や団体などのブースも出展した。
内原氏は業団や各流派、保健所、医師、税務署、メーカーといった就業鍼灸師を取り巻く環境について図説。教員は通常の教育だけでなく、これらに対する理解を深めた上で業界の水先案内人として学生をサポートしなければならないと指摘。しかし実際は学校の中にこもっていることが多く、十分にできていない現状にあると述べた。また、看護師やPTなどの他の医療職に比べ業団の組織率が低いことや、学術団体に所属している鍼灸師の数が全体から見るとわずかに過ぎない点に言及。養成校が、業団や学会と卒業生とをつなげられていないのが要因の一つだと説いた。
学生、色々な流派学びたい
内原氏からの「どんな養成校が望ましいか、養成校に何を求めるか」との主旨の質問に対して複数の参加者から意見が挙がった。教員経験を経て開業したという甲野功氏(あじさい鍼灸マッサージ治療院)は、近年の養成校が国試対策を重要視している実態に触れた一方で、臨床の大切さも強調。「国試に受かりさえすればいい」という生徒向けと、「卒後すぐに開業したいので臨床も充実してほしい」というニーズに応える二つのコースを設けるのはどうかと述べた。小貫英人氏(日本伝統鍼灸学会理事)は養成校では実技教育が不足しているとして、「卒後養成校」を提言。関東圏など同じエリアの複数の養成校が共同で、諸流派の臨床家を招いて実技の授業を行う場を設けるといった案を挙げた。鍼灸学科2年生の学生は、通っている学校は授業時間外のセミナーが豊富だが、スポーツや美容といったカテゴリーの内容が多いと指摘。古今の流派や治療法を学んで、自分に合ったものを見つけたいと訴えた。
▲企業などもブースを出展。施術体験も