連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』4 痛みの程度を聞く一言
2025.05.18
痛みの程度を聞く一言
宮口先生/宮 鍼灸師の佐藤さん/佐
佐:「先生、外国人の患者さんに『どのくらい痛いですか?』と聞きたいのですが、どう言えばいいですか?」
宮:「そうですね、英語では (さらに…)
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』4 痛みの程度を聞く一言
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』4 痛みの程度を聞く一言
2025.05.18
痛みの程度を聞く一言
宮口先生/宮 鍼灸師の佐藤さん/佐
佐:「先生、外国人の患者さんに『どのくらい痛いですか?』と聞きたいのですが、どう言えばいいですか?」
宮:「そうですね、英語では (さらに…)
口腔から全身へ深刻化するフレイル、口腔ケアと運動で予防する
口腔から全身へ深刻化するフレイル、口腔ケアと運動で予防する
2025.05.16
福島県鍼灸師会の春期学術講習会が4月20日に福島県郡山市の会場とオンラインのハイブリッドで開催された。口腔フレイル、全身のフレイル、認知症など、それぞれの予防と対策をテーマに意見が交わされた。
「食べる力」は健康長寿につながる
前半の講演では、原純一氏(はら歯科口腔外科・嚥下曾根田駅前院長)が登壇。オーラルフレイルと身体的フレイルの関係などについて解説した。
「よくむせる」「食べこぼしが増えた」といった日常の些細な変化は、将来の健康リスクの前兆とし、咀嚼や発音、飲み込む力といった口腔機能の衰えであるオーラルフレイルを経て、やがて嚥下障害や低栄養、筋力低下、身体的フレイルへとつながり、さらには転倒や認知症にまで深刻化しうると警告した。「しっかり噛んで、しっかり食べることが最も身近な予防策。歯を失った高齢者は、3年以内に認知症を発症するリスクが (さらに…)
「三焦鍼法」に基づくツボ習慣! 『認知症専門鍼灸師が教える 脳を整える10分ケア』が発刊
「三焦鍼法」に基づくツボ習慣! 『認知症専門鍼灸師が教える 脳を整える10分ケア』が発刊
2025.05.14
『認知症専門鍼灸師が教える 脳を整える10分ケア』が株式会社徳間書店から4月18日に発刊された。著者は認知症専門の鍼灸師として活動中の佐川聖子氏(鍼灸サロンSeira代表)、監修は著者の師でもある兵頭明氏(学校法人衛生学園中医学教育臨床支援センター長)。1,980円(税込)。
母親の認知症を機に三焦鍼法に出会った著者は、「認知症の患者、苦しむ家族を一人でも多く救いたい」との思いのもと、体験談とともに脳に働きかける、自宅でできるツボ押しを解説する。
認知症は現在の医学では完全に治すことができない。著者の母親は、薬漬けになりながらの認知症治療に症状は悪化の一途をたどり、優しかったかつての姿はなくなり別人のように変貌してしまったという。藁にもすがる思いで様々な治療を試した中で、効果を発揮したのが三焦鍼法だった。 (さらに…)
『アースデイ東京2025』でモクサアフリカがお灸体験
『アースデイ東京2025』でモクサアフリカがお灸体験
2025.05.13
灸の普及に努めるチャリティ団体「モクサアフリカ」が、4月19日、20日に代々木公園(東京都渋谷区)で開催された『アースデイ東京2025』でお灸体験を行った。ボランティアには、全国から約40名の鍼灸師や学生が集合。総勢260名が灸を体験した。
コロナ前から恒例となっている同イベントでの出展は今年で5回目。ボランティアは、SNSやインターネット、教員からの紹介などで集まり、お灸好きが意気投合して灸の啓蒙や普及に努めるという醍醐味に、一度参加すると継続するメンバーも多いという。
いろんな種類を楽しんでほしいと今回準備した灸は「直接灸」「竹箱灸」「焙烙灸」の3種類。
直接灸は、モクサアフリカでも海外での普及活動の基本としている毎年の定番。竹箱灸はやけどしにくく広い範囲を温められる親しみやすい灸として紹介、焙烙灸は恒例だったのを昨年休止したところリクエストが多く再開したという。
参加者が「じわっと温かくなって、ピリッとした。効果はよく分からない」というと、ボランティアは「直後より少し経ってから実感する人も多い」と説明した。また、「灸の効果は信じていないけど、本当に効くなら通いたい」という参加者に、すかさず「行きつけの治療院を作って体調管理すると、調子の変化に気づきやすくなる」と後押し。 (さらに…)
日鍼会『第6回医療連携講座』、膝痛においての医療連携の実践
日鍼会『第6回医療連携講座』、膝痛においての医療連携の実践
2025.05.07
公益社団法人日本鍼灸師会の第6回医療連携講座が、3月20日に大宮呉竹医療専門学校(さいたま市大宮区)とオンラインで開催された。テーマは『膝痛の医療連携―膝OAとスポーツ』。
同会会長の中村聡氏は、2040年問題に向け健康への注目が高まる中でフレイルや孤独のきっかけになる「膝痛」は、日本の社会問題のために鍼灸師が取り組むべき大きなテーマであると語った。
人工関節になったからとスポーツを諦める時代ではない
乾洋氏(埼玉医科大学総合医療センター整形外科教授)は、医師の立場から変形性膝関節症(膝OA)の診断や治療を解説した。膝OAはロコモティブシンドロームの主因とされ、2023年には診療ガイドラインも発刊されるなど世界的に注目されているという。リスク因子は肥満、女性、外傷、高齢、筋力低下と様々あり、X線画像を評価するKL分類によってGrade0~4の5段階で評価する。Grade2前後の場合は、運動を組み合わせた減量や、O脚を矯正する装具療法、痛みを緩和する薬物療法など保存療法を中心に行う。改善がない場合やそれ以上のGradeは手術適用となり、高齢者の場合は人工膝関節全置換術(TKA)が多く行われていると説明した。 (さらに…)
『小児はり国際交流セミナー』、海外の鍼灸師とともに小児はりを学ぶ
『小児はり国際交流セミナー』、海外の鍼灸師とともに小児はりを学ぶ
2025.04.30
小児はり国際交流の会(代表:井上悦子氏)が主催した『小児はり国際交流セミナー』が 4 月 5 日、6 日に森ノ宮医療大学(大阪市住之江区)で開催された。ブラジルやポルトガルから来日した鍼灸師9人も合わせ、2 日間でのべ42人が参加した。
人により肌は違うと理解して治療する
「大師流小児はり」を紹介したのは大内アルベルト・敏雄氏(アルベルト治療院院長)。子どもの頃ブラジルから来日し、生活を通し日本語を学び鍼灸師になったというバックグラウンドを持つ。現在は地域に根差した治療院を営みながら、ブラジルに日本鍼灸を学べる学校をつくる活動にも尽力している。アルベルト氏が「教育格差のため、職が選択できず生活に困っているブラジル人に、鍼灸師という職を紹介して生活の糧にできるようにしたい」と語ると、会場から感嘆の声がもれた。
大師流小児はりに興味を持ったのは、衛生の保ちやすさや、優しい刺激に加え、刺激量が 体系化され教えやすい点にあったという。月齢や部位ごとに鍼具を接触させる圧力や距離、1分あたりの回数、時間などの目安を記した表を示し、参加者の腕に順に鍼を当て刺激量の違いを体験させた。さらに、アトピー性皮膚炎や、かぶれが改善した症例を紹介し「一番大切なのは、体表の声を聞くこと。過緊張や弛緩のある皮膚を探し治療する」とアドバイスした。
また、「子どもだから柔らかい肌をしているとは限らない」とも。気候や水の違いなど様々な要因で肌は変わるため、年齢や性別に固執せず、よく観察し刺激量を見極める重要性を強調した。
(さらに…)
日東医第50回学術大会 エビデンス充実で鍼灸は更に前へ
日東医第50回学術大会 エビデンス充実で鍼灸は更に前へ
2025.04.24
日本東洋医学系物理療法学会の第50回記念学術大会・総会が3月8日、9日に東京呉竹医療専門学校にて開催された。大会テーマは『国民の健康に貢献する鍼灸手技療法の歩むべき道』で、特に臨床実践について、議論・報告がなされた。大会長講演では山口智氏(埼玉医科大学医学部客員教授)が鍼通電治療の歴史や機序を解説。症状に応じた東西医療の使い分けや、使用する周波数の違いなどを紹介し、今後も治療法の確立と機序の解明、専門家の育成に取り組んでいきたいと語った。
鍼灸に求められることは、先進医療に鍼の技術応用
医師であり参議院議員でもある古川俊治氏(自民党、「鍼灸マッサージを考える国会議員の会」事務局長)による特別講演が行われ、超高齢社会を迎える日本における医療の行方と、東洋医学・鍼灸治療の役割について語った。
講演の冒頭で古川氏は、急速に進む高齢化社会において、いかに不健康な期間を短くするかが社会保障費の抑制にとって重要であると述べた。その上で「歩行機能は生存率に直結する」と強調し、運動器の健康に寄与する鍼灸治療には今後さらに大きな期待がかかると語った。近年注目されている認知症への対応についても触れ、 (さらに…)
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』3 症状が始まった時期を聞く一言
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』3 症状が始まった時期を聞く一言
2025.04.18
症状が始まった時期を聞く一言
宮口先生/宮 鍼灸師の佐藤さん/佐
佐:「先週、外国人の患者さんが来院したんです。肩こりを訴えるので、勇気を出して“When did it start?”(それはいつからですか?)って聞いてみました』
宮:「素晴らしい! どんな反応でしたか?」
佐:「何か言ってくれたのに、聞き取れなくて……。あたふたしていたら、スマホの翻訳アプリを開いて「2週間前から」って見せてくれました」
宮:「なるほど、それは良かったですね」
佐:「でもどう答えていいか分からなくて、 (さらに…)
セイリン主催『鍼灸パワーアップ DAY2025』、鍼灸業界の今を知る
セイリン主催『鍼灸パワーアップ DAY2025』、鍼灸業界の今を知る
2025.04.16
3月23日にセイリン株式会社主催によるセミナー『鍼灸パワーアップ DAY2025』が東京都立産業貿易センター(東京都港区)で開催された。テーマは『1日で業界の“今”をキャッチ!』。当日は、会場とオンラインを合わせ約150人が参加した。
社会が鍼灸に求めるものは変化している
特別企画『現代社会における鍼灸師の役割と未来の鍼灸の可能性』では、学生時代を同期として共に明治国際医療大学で過ごした鈴木雅雄氏(福島県立医科大学会津医療センター漢方外科・鍼灸部教授)と伊藤和憲氏が(明治国際医療大学鍼灸学部長・教授)が登壇した。
鈴木氏は「病院で働く鍼灸師」の目線から講演を行った。内科病院で鍼灸師が求められるのは、「困っている患者を医師と一緒に助けること」だという。外来患者を、医師の治療が必要な症状か見極め各科に送り出すことに始まり、急性期を過ぎた患者の痛みや不調を緩和する。しかし、医師は鍼灸の知識が乏しいというハードルがあり、鍼灸で成果が出れば、こちら側から機序などを解説し、次の紹介につなげているという。
また、鈴木氏は病院の赤字経営問題などにより、厚労省で「医療の前向きな撤退」が検討されていると伝えた。大病院のみを残し、在宅医療での対応を推進する方向性にあり、医師は専門性や在宅医療を求められる中で、鍼灸師の未来は明るいと話す。鈴木氏が勤務している同センターでも、地域医療に鍼灸を組み込む取り組みが進んでいると報告した。
伊藤氏は、鍼灸の発展のため手を尽くしたが業界は変わらず、企業やマスコミ、医療の世界に身を置いた経験をもとに「ヒールの視点で話す」と前置きし、講演を始めた。 (さらに…)
宮城県鍼灸師会のスキルアップ研修会 臨床で遭遇する危険な兆候と隠れた疾患
宮城県鍼灸師会のスキルアップ研修会 臨床で遭遇する危険な兆候と隠れた疾患
2025.04.14
宮城県鍼灸師会のスキルアップ研修会が3月16日に仙台市内で開催された。開会に際して稲井一吉会長は、鍼灸師が治療にあたる際に重大な疾患の兆候を見逃さず、必要に応じて医療機関と連携できるようになることの重要性に言及。「今回は命に関わるサインを知る機会にしてほしい」と呼びかけ、研修への意欲を後押しした。
徴候を逃さない観察力が必要、改善なければ医科に相談も
救急科専門医の宮﨑敦史氏(みやざきクリニック院長)は、「取り扱いに注意が必要な疾患」や「慎重な経過観察が求められる疾患」、いわゆる「レッドフラッグ」をテーマに、臨床現場や緊急時における実践的な知識と技術を解説した。救命の場においては「救命の連鎖」と呼ばれる4つの要素があると語り、
①心停止の予防
②心停止の早期認識と通報
③現場で行う一次救命処置
④救急隊による二次救命措置
を挙げ、この4つがつながって初めて、人命を救うことができると説明した。鍼灸師にはその中でも特に、①~③に関わる知識と技術を持つことが求められると強調した。
宮﨑氏は、臨床で遭遇することがあるレッドフラッグについて現れる症状と隠れた疾患のペアで紹介。問診の段階から命に関わる疾患の兆候が現れることもあるので注意してほしいと述べた。例えば、発症の時期がはっきりと分かる頭痛は、 (さらに…)
仙台赤門短大の入学式、短大初のあはき課程新設
仙台赤門短大の入学式、短大初のあはき課程新設
2025.04.11
鍼灸手技療法学科に54人入学
4月3日、仙台赤門短期大学(仙台市青葉区)で令和7年度の入学式が行われ、今年度より新設された「鍼灸手技療法学科」の新入生54人が治療家に向けた一歩を踏み出した。
同学科は、晴眼者が入学可能な大学・短大では全国初となる、はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧の教育課程を持つ学科として誕生。同大学の運営母体である学校法人赤門宏志学院内の仙台赤門医療専門学校が持っていた「鍼灸マッサージ東洋医療科」を移行する形で今春より設置された。
坂本正憲理事長は告辞で、「当法人が高等教育機関の鍼灸学と手技療法学の学科設置の構想を立ててから約30年。国内で初めて認可された新学科に入学される皆さんに深甚なる慶賀を表します」とし、「年々歳々花相似たり、年々歳々人同じからず」との漢詩を贈って多様な学生が入学してきてくれたことを歓迎した。
また、笹野公伸学長は、「本学科は短大と大学を併せても初となる鍼灸手技療法の学位を取得できる教育課程です。その一期生として、3年間3つの国家資格を取得できるよう勉学に励み、また本学の基本理念であり、医療人として重要な“尊厳・自立・融和”を念頭に置いて過ごしてください」と式辞を述べた。
令和6年度柔整師・あはき師国家試験の合格者数等 柔整57.8%と再び低下
令和6年度柔整師・あはき師国家試験の合格者数等 柔整57.8%と再び低下
2025.04.08
柔整が2千人台へ転じた一方、あはきは合格者数・率とも上昇
3月26日、第33回柔整師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師国家試験の結果が発表され、計9,752人(延人数)が合格を果たした。
免許別で見ていくと、柔整師は、受験者4,513人のうち2,607人が合格した。合格率は前年度より8.6㌽減少し、57.8%だった。再び合格率が下がり、合格者数も2千人台へと転じた。
柔整の学校関係者によると、問題の難易度は (さらに…)
業界ニュースや東洋医学を音訳で必要な人に! 日本ライトハウス東洋医学チーム
業界ニュースや東洋医学を音訳で必要な人に! 日本ライトハウス東洋医学チーム
2025.03.25
社会福祉法人日本ライトハウス(大阪市西区)には、全国に86ある点字図書館の中でも珍しい、東洋医学に特化した出版物の音訳を行う東洋医学チームがある。30年を超える歴史のある同チームでは、古典や治療本のほか、本紙の音訳にも取り組んでいる。
音訳作業は、新聞や雑誌の場合は記事ごとの担当者を決めることから始める。文章を読み録音する人、音声の内容を確認する校正者に振り分け、完成した音源の編集を経て、全国から利用可能なインターネット図書館「サピエ図書館」で公開する。 (さらに…)
日本東洋医学会第31回埼玉県部会 現代医学で鍼灸治療の立ち位置は
日本東洋医学会第31回埼玉県部会 現代医学で鍼灸治療の立ち位置は
2025.03.20
日本東洋医学会関東甲信越支部の第31回埼玉県部会が2月11日、川越市内の会場とオンラインのハイブリッドで開催された。冒頭、会長の斎藤晶氏(和光耳鼻咽喉科)は久しぶりの対面開催を喜び、オンラインではできない参加者同士の交流や実技の充実に期待を込めた。
顔面神経麻痺など、診療ガイドラインで鍼の推奨「増」
「医師・鍼灸師のための鍼灸講座」では山口智氏(埼玉医科大学東洋医学科客員教授)が登壇。『足の陽明胃経と鍼灸治療―顔面の痛みと麻痺、消化器症状の臨床』と題して、陽明胃経のメカニズムとガイドラインにおける鍼灸の立ち位置について解説した。
山口氏は、一例として足三里を挙げ、刺鍼することで陽明胃経上にある頭、顔、腹など全身の症状に効果があると説明。刺鍼の際、深腓骨神経も刺激されるため、ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎L5神経根症状、脳卒中の片麻痺などにも効果的と補足した。近年、鍼灸治療が科学的にも効果があると認められるようになってきたと語り、 (さらに…)
日鍼会スポーツ鍼灸トレーナー研修会 鍼灸トレーナーとし、どうアスリートと関わるか
日鍼会スポーツ鍼灸トレーナー研修会 鍼灸トレーナーとし、どうアスリートと関わるか
2025.03.19
日本鍼灸師会によるスポーツ鍼灸トレーナー研修会が、2月11日に東京学院ビル(東京都千代田区)で開催された。テーマは『コンディショニングを考える』。
3名の鍼灸トレーナーが活動を報告
泉重樹氏(法政大学スポーツ健康学部スポーツ健康学研究科教授)は、ボクシングをはじめ様々なスポーツでトレーナーを務めた経験を踏まえ、スポーツ外傷や障害の予防に重点を置いたストレッチとエクササイズについて解説した。
事前にすべきは、アスリートの柔軟性や筋力、バランス能力などを正常な状態で確認し、ケガの前後で比較できる状態にしておくこと。そのうえで、既往歴や性別などによる「外傷・障害リスク」なども考慮し、弱点をカバーできるプログラムを作成する。ガイドラインほか、プログラムに関する研究を総括すると、その内容は「ウォーミングアップ」「ストレッチング」「自体重での体幹筋群や下肢筋群のトレーニング」「バランスやプライオメトリクストレーニング」「アジリティランニング」の5つの要素に集約されるという。 (さらに…)
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』2 痛みの場所を聞く一言
連載『現場で使える! 治療家のための実践英会話』2 痛みの場所を聞く一言
2025.03.18
『痛みの場所を聞く一言』
宮口先生/宮 鍼灸師の佐藤さん/佐
佐:「先生、" "Where do you feel pain?" と " Where is your pain?" は、どちらも『どこが痛いですか?』という意味ですよね?」
宮:「はい、そうですよ。私も最初の頃は両方使っていたんですが……」
佐:「何かあったんですか?」 (さらに…)
「医療人としての覚悟で社会へ」、平成医療学園専門学校の令和6年度卒業式
「医療人としての覚悟で社会へ」、平成医療学園専門学校の令和6年度卒業式
2025.03.13
3月10日、平成医療学園専門学校(大阪市北区)の令和6年度卒業式が大阪市内のホテルで開催された。柔道整復師科41名、鍼灸師科23名、東洋療法教員養成学科3名、日本語学科94名、応用日本語学科31名の計192名の卒業生の新たな門出を祝った。
当日は着物やスーツ、各国の民族衣装と思い思いの晴れ着に身を包んだ学生が集まり、和やかなムードで式は執り行われた。
学校長式辞にて、北野吉廣氏は「医療や日本語というコミュニケーションツールを使い、人のためになりたいという心や思いを表現してほしい」と話した。「勇気・覚悟」としたためた書を掲げ、「勇気は信念を曲げず、覚悟をもって向かう心意気。覚悟とは、勇気を出すための光や意思のこと」と力強く語りかけた。
同理事長の岸野雅方氏は「自分の力を患者さんに使うことを喜べる医療人になってほしい。これから、困った時、悩んだ時はいつでも母校に帰ってください。気を付けて社会に行ってらっしゃい!」と温かく呼びかけた。
在校生が「先輩の手本を目標とし、追いかけてきた。活躍を心から応援している」と送辞を述べると、卒業生は答辞とし「仲間と協力して学ぶうちに、身体を酷使する人の多さに驚き、医療人として役に立ちたい気持ちは強くなっていった。学び続け、業界の発展に貢献できるよう尽力したい」と覚悟を語った。
卒業証書授与のほかにも、優秀者、校長賞、理事長賞など各賞の表彰や、来賓の祝辞、祝電披露なども行われた。
「大阪お灸の陣」開催、灸文化や透熱灸の魅力を再発見!
「大阪お灸の陣」開催、灸文化や透熱灸の魅力を再発見!
2025.03.11
3月2日、お灸イベント『大阪お灸の陣&お灸セミナー』が大阪医療技術学園専門学校(大阪市北区)で開かれた。主催したのは日進医療器株式会社と鍼灸ウェブメディア「ハリトヒト。」で、近年見過ごされている灸文化や透熱灸の効果・魅力を改めて知ってもらおうと企画された。
体験型イベントで「様々な灸法に触れたり、艾を捻ったり」
午前中は「大阪お灸の陣」と銘打った体験型イベントが行われ、日進医療器、株式会社メイプル名古屋、株式会社チュウオーの3社がブースを構えたほか、お灸専門の治療院を開く鋤柄誉啓氏と、「ハリトヒト。」メンバーの滝沢ゆみえ氏(はりいんT院長)がそれぞれ灸法を披露した。 (さらに…)
兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会 周産期に求められる鍼灸師の役割とは
兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会 周産期に求められる鍼灸師の役割とは
2025.02.20
兵庫県鍼灸師会の第3回学術講習会が2月2日に神戸市産業振興センター(神戸市中央区)で開催された。テーマは『鍼灸師のための周産期ケア講座2024』。
安全な出産のために鍼灸師と協働したい
齋藤いずみ氏(関西国際大学保健医療学部看護学科教授)は、助産師は看護師の国試に合格したのち更に1年以上大学などで教育を受け、国試を受験し取得すると説明した。近年は高齢出産などハイリスクな出産が増えたこともあり、助産師の大多数は病院で勤務する現状があるが、「助産師が雇われるばかりでなく、鍼灸をはじめ他職種と連携し、地域でグループで開業する方法を模索したい」との思いを語った。
周産期で特に鍼灸に期待するのは、妊娠7カ月を過ぎ腹部が増大したころから増える、むくみ、静脈瘤、食欲の低下、気分障害などの対処だという。出産が始まってからは産痛、分娩後は子宮を早く元に戻し、母体を回復させるのにも、鍼灸の技術やセルフケアのアドバイスが必要だと力を込める。
また、「出産は体だけの変化ではない」と齋藤氏。かつてイギリスの大学で産婆指導にあたった際、繰り返し「シアツ」という言葉を耳にしたこと、アメリカの医学研究の拠点機関・アメリカ国立衛生研究所(NIH)は代替補完療法に研究を費やしていることなど、海外では伝統的な療法や代替療法の研究・教育に注力している現状を伝えた。他にも海外では身心両面から「女性らしさ」を守ることにも重点が置かれ、出産後には骨盤底筋を保護し尿失禁や膣のゆるみを防ぐケアが保険診療で行われる国もあると話した。日本において医療の発展で救える命が増えたことに反し、出産後に自殺する母親が増えている現状にふれ、産後ケアは医療者で協力して取り組むべき課題であると強調した。 (さらに…)
第28回日本統合医療学会学術大会 地域ぐるみで統合医療を実践する社会に
第28回日本統合医療学会学術大会 地域ぐるみで統合医療を実践する社会に
2025.01.27
日常生活において疾病予防や健康増進を推進する
第28回日本統合医療学会学術大会が昨年12月14日、15日にライトキューブ宇都宮(栃木県宇都宮市)で開催され345人が参加した。テーマは『地域共生社会における統合医療の役割』。
大会長の鶴岡浩樹氏(つるかめ診療所副所長)は、2025年問題に加えて次なる課題の2040年問題を視野に、厚労省が「地域の住民や多様な主体が制度や分野の垣根を越えて支え合う地域共生社会」の実現を掲げており、この流れは統合医療において追い風になると話した。
同学会が考える統合医療は、病院や診療所で疾病の治療を目的とした「医療モデル」と、日常の生活の場で疾病予防と健康増進を目的とする「社会モデル」に二分できるという。今回は社会モデルに光を当てるとし、自身の活動する在宅医療の現場では様々な民間療法に接する機会があり、地域で学び合い共有する場が設けられている旨を伝えた。
「統合医療的アプローチを地域住民にどう役立てるかを心にとめ、2日間の学会に臨んでほしい」と語りかけた。
(さらに…)