連載『柔道整復と超音波画像観察装置』235 スポーツ外傷におけるエコー観察の役割

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投稿日:2024.10.21

柔道整復連載

後藤陽正(筋・骨格画像研究会)

 前回、救護活動におけるエコー観察の役割として、損傷を迅速に把握し、適宜、エコー観察を活用することが大会関係者の安心に繋がるという内容の紹介をした。実際に多くの救護依頼は成長段階のスポーツ大会が主であり、本人をはじめ監督、保護者へエコー画像を通じて状況説明を行うことで納得が得られる。つまり、成長期のスポーツ外傷はその後の選手生命にどのような影響を及ぼすのか? またチームへの損失はどの程度なのか? など選手本人および携わる人たちにとって懸念要素である。今回は成長期に関節付近を負傷した2症例を紹介する。

 症例1は中学3年生の橈骨遠位端骨端線離開。柔道大会で手をついて負傷。主訴は手首の痛み。本人は痛みを堪えて出場を希望しており続行可能かの判断に迫られた状況。視診では手関節の腫脹は軽度、橈骨遠位端部に若干の腫脹。

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