連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』74 生殖鍼灸の夜は明けて3(真の育卵を)

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投稿日:2024.06.10

あはき連載

 第73回全日本鍼灸学会宮城大会が終わりました。古い付き合いの先生から、初めて知り合った先生まで、出不精で人見知りの私でも親交を深めるのは楽しいものです。

 私が務めたランチョンセミナーは、受精卵の質向上のデータとその効果を再現するための基礎研究の解説、それを踏まえた「術者側の4つの要素」と「患者側の4つの要素」の説明、これら8つの要素を満たしてこそ育卵治療はその効果の再現とデータ化が可能になるというお話です。採卵成績が向上するのは決まった治療手順があればこその話です。

 鍼灸師の経験を問わず、このプロトコルを厳密に守れば、同様の効果が出せるようになっています。これは個人の感覚に依存せずに、医科学的に確立した手法だからです。ここがもっとも大切なのです。ただ、私は採卵成績が施術介入から3、4カ月後に改善することはホームページなどには一切書きません。それは過去に、明生鍼灸院が中髎穴施鍼の有効性をデータ化した時に、その手法を学ばず「鍼灸が不妊に有効」という言葉だけが一人歩きしたので、それを警戒したのです。

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