連載『先人に学ぶ柔道整復』四十 真之神道流柔術(前編)武術(殺法)において陰陽を重視

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投稿日:2024.05.24

柔道整復連載

 今回から、天神真楊流柔術の源流の一つである「真之神道流柔術」を取り上げていきます。真之神道流柔術は江戸後期に大阪・同心の山本民左衛門によって創流され、天神真楊流柔術の伝書『当流大意録』において、磯又右衛門が楊心流柔術と真之神道流柔術とを合流して創始したとの記述があります。このことから、天神真楊流柔術と深い関係があることが分かります。

 同流の伝書には『真之神道流上檀巻』、『柔術秘学抄』、『九箇条之極意』などがあり、これらの史料と『当流大意録』を参考にその成立と考え方について解説します。

真之神道流上檀巻(『日本武道全集』より)

 真之神道流柔術は楊心流柔術から分派されたこともあり、手形手数(技の形や数)や名(技の名称)が楊心流柔術と重複するところが数多くみられます。民左衛門は楊心流柔術の303手から抜粋し、初段・中段・上段と段位を定め、また技の数も68手に絞りました。また、同流の要点は、心と体の動きを一致させ、陰陽を自在にすることとあります。そのため、戦場で組討ちとなった際、甲冑を着用し動きが不自由な状態にあっても、寝起きや行動が自由にできるとあります。以下、伝書より引用。

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