日本伝統医学総合研究所と日本内経医学会共催 中国留学経験を日本でどう活かすか

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投稿日:2024.03.08

あはき学術・教育

 2月4日に日本伝統医学総合研究所と日本内経医学会共催でシンポジウム『老中医の教えによる実践とその応用―中国留学経験と日本鍼灸へのまなざし』が都内の日本伝統医学総合研究所とオンラインで開催された。

教えをもとに日本の患者に合わせた治療を模索する

 日色雄一氏(傳統醫學研究所日色鍼灸院院長)は平成16年から約7年間の中国留学と師事した鄭魁山教授や鄭俊江先生からの学びについて話した。

 師らの鄭氏鍼法は1850年代におこり明の時代の鍼灸の主流となった流派。陰陽論、五行学説、八卦などを軸に、どの時間にどの穴に気が流れるかなども考慮する伝統鍼法だと解説した。中国は国策とし中医学を推進しており、中医は学校教育の中で育成された学院派と家伝や徒弟制度で継承された民間派の2通りあるという。

 中医学の治療法は中医六芸とし、砭・針・灸・薬・導引・按蹻に大別されるが、細分化すると薬膳、薬敷、芳香療法、手診手療、耳穴療法など多様であると説明し「得意なものを伸ばし取り入れてはどうか」とアドバイスした。

 揣穴は経穴の深さ、筋肉の厚薄、血管の有無、鍼感などを図る必要不可欠な操作だと話し、鄭魁山教授が「揣穴也是一種功夫!(揣穴は一種の鍛錬だよ)」と話したエピソードも紹介。実技では合谷を使う揣穴、提挿、捻転の様子や鼻鍼などを見せた。

日色雄一氏

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