短期連載『鍼灸教育 復興への道』第2回 卒後研修制度の改善が 喫緊の課題

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投稿日:2024.01.10

あはき連載

 現在の鍼灸養成施設の教員は、臨床未経験でも、2年間教員養成コースに通うことで教員資格を取得できます。この点は率直に疑問しかありません。その者たちが養成学校で基礎医学から実技までを教えることができるのですが、免許取得後にたった2年足らずで、しかも学生と年齢もほとんど変わらない者たちが、鍼灸科目の全部を教えることになるのですから、これはもう今昔の感を拭えません。

 また、国家試験では実技試験が廃止されました。大阪府のかつての試験では、鍼・灸の試験官がそれぞれ2人いて、例えば、五十肩の原因などを問いただし、「どういうツボを使うのか」といった口頭試問が行われていました。その際、ツボを指定されて「管鍼法で刺入してください」とか、「撚鍼法で刺入してください」といった質問をするなど、実技を合わせた回答で試験をパスしなければいけません。さらに20分をかけて実施される試験時間の中では、受験者の人間性など総合的に審査をしていたのです。

 ところが今、新しい鍼灸教育の仕組みが作られた結果、どうでしょう。そのきっかけになったのは、公益財団法人東洋療法研修試験財団が創設されたことだと考えています。

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