連載『汗とウンコとオシッコと…』231 Phantom light

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投稿日:2023.11.10

あはき連載

 急に寒くなったと思えばまた暖かくなる、まるで三寒四温のような気候である。豊臣秀吉が花見をしたことで有名な京都の醍醐寺がある。筆者は、そこで秋に狂い咲く桜と金木犀のかぐわしい香りを嗅いだ。生まれて初めての経験であった。「運気」では在泉に少陰君火が入るので暖かいとはいえ異常な光景だ。このような時は通常、体表温度を守るために太陽が腠理を閉じて体温を維持する。だが、上手くいかなかった時に肝が少陽経の熱を奪い、少陽経が冷えて眩暈、片頭痛、ギックリ腰、寝ちがい様の頸部痛が生じやすい。特に秋の収穫と気温低下により血圧を上げようと過食傾向に入る人がこれに陥りやすい。

 関節リウマチで足が痛む廣田さんというやせ型の高齢女性が来院している。彼女は、腎機能低下のためにプレドニンなどのステロイド剤があまり使えず、桂枝加朮附湯と下剤で何とか調整している。手関節の変形もあり痛むそうだが、気候の変化が激しいと特に足関節周囲が強烈に痛むらしい。これを定期的に治療しながら現状維持を試みている。

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