連載『食養生の物語』107 『新種より新酒』

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投稿日:2022.04.25

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 「ボジョレーヌーボー」というワインはご存知でしょう。ヌーボーとは秋に収穫されたもので造られるしぼりたてのワイン。フランスのボジョレー地区で夏に収穫したブドウで醸造された初物のワインで、11月の第3木曜日に全世界で一斉に解禁されます。ワインと同じように日本酒にも「新酒」があります。秋に収穫されたお米で造られたしぼりたてのもので、11月から出荷が始まりますが、解禁日が定められているわけではないようです。また、秋に収穫された米で醸造し、10月から3月の寒い時期に造られ、しぼりたてで火入れをせず「生酒」として春に出荷するお酒も同じく「新酒」。いずれも爽快感のあるフレッシュな味わいが特徴です。

 外食が控えられるようになり、新酒を家飲みで楽しむ人が増えているようです。「酒は百薬の長」と言われる通り、お酒を飲むことで血液の循環がよくなり、ストレスの解消にもなり、ちょっとした不調であれば治ってしまうという人もいるでしょう。一方、『徒然草』には「百薬の長とはいえど、万の病は酒よりこそ起これり」とあり、健康を害する万病の元となりえるとも言われます。適量を楽しむことを外れ、量が過ぎてしまうのがいけないと言えそうです。

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