『医療は国民のために』400 「訪問施術料」の問題点はQ&A発出等で解決を重ねていくしかない
2024.11.01
投稿日:2024.10.30
高遠書房から『和一青嵐』が刊行されている。著者は黒澤絵美氏。四六判112頁、1,210円(税込)。
言わずと知れた管鍼法の祖、杉山和一を題材とした小説。著者の黒澤氏はデザイナー・イラストレーターとして勤めていた頃に中途失明となり、後に鍼灸師となる。その後、鍼灸師として勤めるかたわら、作家活動にも精を出し、複数の文学賞も受賞している。こうした足跡は奇しくも和一のそれと通じるものがある。
本書は和一の人生を追うとともに、そばで支えた女性セツにも光を当てる。セツは和一の実家で和一の母付きの奉公をつとめていたところを気に入られ、当時京都で鍼医を営んでいた和一の世話を頼まれる。和一と出会った後もその利発さと快活さで和一を支え、ときに引っ張っていく。
作中では「大柄な図体の和一が小柄なセツに導かれて親子のように歩いて行く」と描かれており、ふたりの温かな関係が見て取れる。そしてそれは江の島にある和一の墓の傍に「せつ女」の墓が寄り添うことからも疑うことはない。
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