連載『柔道整復と超音波画像観察装置』230 肩甲挙筋周囲の筋の滑走性の一考察

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投稿日:2024.05.24

柔道整復連載

松本尚純(筋・骨格画像研究会)

 頸椎捻挫や頸肩部の筋挫傷などに起因する肩こり症状への施術効果について、超音波画像観察装置(以下US)を用いて観察しながら施術を行ったので報告する。

 肩こり症状を引き起こす要因としては僧帽筋(以下Tra)や肩甲挙筋(以下LS)の筋の実質部が筋緊張もしくはスパズム等により収縮や伸長ができなくなっていることが考えられる。一方で、以前から発痛部位に対して疑問を感じており、筋の実質部には痛点となる受容器があまり存在せず、筋膜部に集中しているはずである。そこで、筋腹より筋膜への施術が効果的であると仮定し、筋の滑走性を観察しながら施術を行った。

 患者の主訴となる肩甲骨内側縁からやや上方の部位を中心に肩甲骨内上角に付着するLSをランドマークとし、描出しながら隣接する各筋の滑走性を確認した。

 まず肩甲骨内側縁を描出し、ターゲットのLSを短軸で追いながら上方へ操作する【画像①】。

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