連載『柔道整復と超音波画像観察装置』229 救護活動におけるエコー観察の役割

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投稿日:2024.04.25

柔道整復連載

後藤陽正(筋・骨格画像研究会)

 各種スポーツ競技の救護依頼を受け、多くの柔整師が現場で活躍している。現場では多くの外傷を目の当たりにし、発生状況と外観より損傷名を推測することはある程度可能である。さらに、現在ではポータブルエコーを現場へ持参し、骨折の有無や靭帯損傷レベルを判断する柔整師も以前に比べて飛躍的に増加している。

 救護活動を行っている中、必ずと言っていいほど負傷者や関係者らか損傷名の確認を受ける。もちろん、明らかな外観変化や固有症状を呈している場合であれば回答も容易に行えるが、発生状況が曖昧、外観変化が乏しい、疼痛を強く訴えるなどの症例では、短い時間で損傷名を導き出すのは容易なことではない。

 競技救護の目的は治療ではなく応急手当であり、患部の動揺を防ぎ、適切な固定を施すことが活動の範疇である。つまり受傷者が医療機関を受診するまでの行為であり、損傷名を伝えることが目的ではない。とはいえ、関係者から具体的に質問を受ければ少なからず可能性のある損傷名を伝えるのではないかと推測される。

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