『医療は国民のために』380 柔整・あはきは「87条のおまめさん」から 抜け出すことが必要

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 「国民の財産権に及ぶことには必ず法律に基づく規制が伴う」。つまり、法令なくして強制力なし、ということだが、実は柔整療養費もあはき療養費も特定の法条文がない。健康保険法第87条の規定により「事務取扱い」として、行政である厚労省の通知で運用されているに過ぎず、法律に基づく「制度」ではないのだ。

 もう少し詳しく説明すれば、「87条の療養費」とは、緊急避難的な療養の給付に対する例外的措置としての現金給付である。急に病気・ケガになったため保険証を持っていない時や、診療を受けた医療機関がたまたま保険診療をしていない非保険医(これは現在は事実上無いのだが)だった場合、とりあえず全額自費で支払っておいて、後日、領収書を持って健保組合等の保険者に申請して治療料金を取り戻すことになる。この際の支給決定に当たっては、療養の給付を受けることが困難であったことや、保険者がやむを得ないと認めた場合に、あくまで保険者の合理的裁量によって決められる。療養の給付と87条に規定される療養費に「患者の医療選択権」が存しない所以である。すなわち、必ず療養の給付が優先され、療養費を選択する自由はない。

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あはき柔道整復療養費・保険連載

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