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2024.11.19
投稿日:2023.06.23
株式会社人文書院から新刊『医学と儒学―近世東アジアの医の交流』が刊行された。著者は立命館大学助教の向静静(こう・せいせい)氏。四六判、344頁、5,720円(税込)。
現代医療における主流は間違いなく近代西洋医学である。しかし、前近代においては各文化圏において、それぞれに発達した伝統医学がそこで暮らす人々の健康を支えていたのは言うまでもない。
本書では、第一部で後藤艮山、香川修庵、山脇東洋、吉益東洞の古方派(江戸時代の漢方医学流派のひとつ)四大家が取り組んだ「復古」について詳細に調査・考察しており、また、彼らと儒学の密接な関係にも言及している。第二部では東アジアにおける医の交流について後漢末期の医学古典『傷寒論』を軸に考察する。
古方派医家が実践した「復古」の多様性を解き明かすとともに、彼らが生きた当時の東アジア学術思潮から伝統医学が近世日本でどのように展開したのかを追う。
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