連載『汗とウンコとオシッコと…』187 緩んで開いて腰を打って開いて

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投稿日:2020.03.10

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 今年の春は早い! 3月上旬に早咲きの桜に鶯の鳴き声がするとは……。異常気象が当たり前になった近年、何を基準に考えていいやら悩むところだが、それでも古典を基準にすれば、この春は暖かさが強く、血管の緩みによる神経伝達異常と発痛物質が漏れる遊走性の痛み、関節の弛緩による問題が多く見られ、『難経・五十難』の実邪に属す症状が非常に多い。世間では新型コロナウイルスにより世界経済に打撃があり、馬鹿者がトイレットペーパーを買い漁るという石油ショックさながらの光景も繰り広げられた。「落ち着いて対応する日本人の美徳」は何処へ行ったことやら……。そうして人を慌てさせるのも、血管の緩みによる心拍数増加が引き起こすセロトニン分泌不良が成せる業かもしれない。

 70代前半の、松代某という口の達者な老婆が通院していた。主訴は急に左脚に力が入りにくくなり、時おり坐骨神経痛様の痛みが出るという。

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