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連載『柔道整復と超音波画像観察装置』208 野球肘後遺に伴う尺骨神経障害 

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今回の執筆者:後藤 陽正(筋・骨格画像研究会)

 現在、柔道整復師や理学療法士、スポーツドクターなどの医療従事者が少年野球に関わり、競技における傷害予防に携わっている。近年、超音波観察の普及が急速に進み、競技会場や医療施設などで定期的に野球肘の観察が行われている。成長期の無理なオーバーユーズはその後の選手生命に大きく影響し、投球制限、定期的な超音波検査など野球関係者や世論からも傷害予防が認識されてきている。それでも野球肘や野球肩を罹患する例は後を絶たない。痛みなく野球を続けたい、少しでも長く野球を続けたいと思うのは当然のことであり、野球肘や野球肩などを少しでも減らし、予防していくこともスポーツに関わるトレーナーや医療従事者の役目とも考える。

 野球肘が要因となり、尺骨神経障害を罹患した症例の内側走査の超音波観察を紹介する。患者は小学2年生から野球を始め、小学5・6年生でピッチャー、中学・高校ではファースト、サード、バッティングピッチャーを務め、ピッチャー時代には肘内側の痛み、野手に転向してからは肘痛が消え、逆にバッティングピッチャーの際に肩痛を発症した経緯を持つ。日常生活への影響はないが、背臥位、肩関節外転90°、肘関節屈曲90°の肢位を長く続ける際に薬指、小指にしびれが出現する為、超音波観察を行う。

 今回、使用した機器は日立アロカ製のNoblus。観察部位は前斜走線維、後斜走線維、尺骨神経溝内の尺骨神経。走査法は前斜走線維長軸走査、後斜走線維長軸走査、尺骨神経短軸走査を行う。観察肢位は背臥位、肩関節外転90°、肘関節屈曲90°とした。

 【画像①】は前斜走線維長軸像であり、靭帯付着部に骨隆起を認め、靭帯表層は不整を呈し、厚さは正常より薄く映し出されている。さらに鈎状突起の位置関係から外反を示唆する画像が観察される。

【画像①】前斜走線維長軸像(画像は全てクリックで拡大)

【画像①】前斜走線維長軸像(画像は全てクリックで拡大)

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