10月から施行される柔整療養費の「明細書発行体制加算」について、厚労省が疑義解釈資料(Q&A)を追加で発出した。8月30日付。
同加算は、施術所が「明細書を無償発行できる体制」である点を評価し支給するもの。事前に、▽明細書発行機能のあるレセコン使用、▽常勤職員3人以上、の2要件を満たしている旨を地方厚生(支)局長に届け出る必要がある。今回のQ&Aでは、同加算を算定するのであれば、来院した全ての患者に対して算定する点を示しており、例外は認めないとしている。 (下記ににQ&A全文)
厚労省8月30日付「柔整療養費の明細書交付の義務化に関する追加Q&A」【明細書関係】
問1
「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」の届出を行った場合における明細書発行体制加算の算定は、明細書を無償交付した全ての患者について行わなければならないのか。
答
「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」の届出を行った場合、明細書発行体制加算を算定することとなるが、この場合、全ての患者に対して当該加算を算定する取扱いとする必要があり、一部の患者に限り明細書発行体制加算を算定しないこととする取扱いは認められない。
なお、施術所において特段の事情がある場合、その判断により、明細書発行体制加算を一律に算定しないことを妨げるものではない。
問2
明細書を無償交付しなければならない施術所(明細書発行機能が付与されているレセプトコンピュータを使用している施術所であって、常勤職員が3人以上である施術所。以下「義務化対象施術所」という。)に該当しない施術所(以下「義務化対象外施術所」という。)が「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」を届け出た場合、正当な理由がない限り、全ての患者に明細書を無償交付しなければならないのか。例えば、同一月に複数回の施術を受けた患者に対して、一回は明細書を無償で交付し、それ以外は有償で交付する取扱いをしてもよいか。
答
「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」は、届け出た施術所は全ての明細書を無償で交付することを前提としたものであり、同一月の施術のうち、一回のみ明細書を無償で交付し、それ以外は有償で交付するといった交付方法は、明細書無償交付の趣旨に反するものであり認められない。
なお、義務化対象外施術所であっても、「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」を届け出た場合は、明細書発行体制加算を算定することを可能としている。
問3
明細書の無償交付を行う施術所であっても、明細書発行体制加算を算定しない場合は、「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」の届出は不要としてよいか。
答
「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」は、当該届出を基に、厚生労働省ホームページに明細書を無償で交付する施術所情報を掲載することで、保険者や被保険者等への周知を図り、患者が明細書の無償交付を適切に受けられるために必要なものとなっている。
そのため、義務化対象施術所であるか義務化対象外施術所であるかに関わらず、全ての患者に明細書を無償交付するのであれば、明細書発行体制加算を算定しない施術所であっても、「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」の届出が必要となる。
問4
明細書発行機能が付与されているレセプトコンピュータを使用している施術所であって、常勤職員が3人以上である施術所が明細書無償交付義務の対象施術所となっているが、「常勤職員」の対象に施術管理者も含まれるのか。
答
そのとおり。
問5
「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」は、いつまでに届け出る必要があるか。
答
義務化対象施術所の要件に該当する施術所及び明細書を無償で交付することとした義務化対象外施術所は、速やかに「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」の届出を行う必要がある。
なお、義務化対象施術所は、届出が遅れる場合であっても、義務化対象施術所の要件に該当した時点から明細書無償交付の義務が生じることとなる。
また、明細書発行体制加算の算定を行う場合は、算定する月の前月末日までに届出が行われている必要があり、届出年月日を遡って届出を行うことはできない。
(例)令和4年11月施術分から明細書発行体制加算の算定を行う場合は、令和4年10月中の届出年月日となる。
問6
「明細書無償交付の実施施術所に係る届出書」の届出をしていない義務化対象外施術所は、全ての患者に対して有償で明細書を交付することは可能か。
答
当該義務化対象外施術所については、従前の取扱いと同様に、患者から求められたときのみ明細書を交付することとなるため、患者の求めがない場合は、有償で明細書を交付することは認められない。
なお、患者の求めに応じて明細書を有償で発行する場合であっても、発行に係る費用については、「柔道整復師の施術に係る療養費について(通知)」(平成22年5月24日付け保医発第0524第3号)2(2)③アにあるとおり、実費相当とするなど、社会的に妥当適切な範囲とすることとし、掲示で示した内容に沿って説明し、患者の了解を得た上で柔道整復療養費の一部負担金とは別に支払を求めること。