あはきの業団・学会で構成される鍼灸医療安全性連絡協議会が、3月に発生したプロ野球選手の折鍼事故を受けて、「折鍼に対する注意喚起と予防策」に関する共同声明を発表した。
4月27日付で出された声明では、3月22日に生じたプロ野球投手への鍼施術による折鍼事故について詳細な経緯が報告され、注意喚起として今後の予防策を提示している。
今回の事故で生じた抜鍼困難な状況では、「施術者は、筋層内に鍼がある状態では、強い筋収縮を誘発するような手技や四肢・体幹の関節運動を行わせる手技は控える」などと注意を促している。また、▽必ず賠償責任保険に加入しておくこと、▽危機管理対策マニュアルを作成し、事故後の対応をシミュレーションしておく、といった鍼灸のリスクマネジメントにも言及している。
鍼灸医療安全性連絡協議会では、日本鍼灸師会、全日本鍼灸マッサージ師会、日本理療科教員連盟、東洋療法学校協会、全日本鍼灸学会の5団体からなる組織で、「今回のような重篤な有害事象が発生した場合に、鍼灸師全体に情報の共有・周知が可能となるようなシステム作りを進めてたい」としている。