公益社団法人全日本鍼灸学会の「高木賞奨励賞」を、東京有明医療大学大学院博士課程における向ありさ氏の研究論文が、先日行われた同学会の第70回学術大会で受賞した。当該論文は『企業就労者の身体的・精神的疲労感に対する鍼灸治療と円皮鍼治療の比較―ランダム化比較試験』。企業就労者の疲労は仕事の効率低下を招くだけでなく、鬱病などの疾患も引き起こすとされている。そこで向氏らは、就労者に対して、通常の鍼灸治療と円皮鍼貼付による鍼治療の疲労改善効果を比較する臨床試験を実施。結果、鍼灸治療は直後効果、円皮鍼治療は持続効果が観察され、どちらも就労者の疲労感の軽減に有用であることが示された。
「高木賞」は、同学会の初代会長・高木健太郎氏の遺族からの寄付等を基金として、会員の優秀な研究業績に対して贈られる。