世界はシンプルなほど正しい 「オッカムの剃刀」はいかに今日の科学をつくったか
ジョンジョー・マクファデン 著 水谷 淳 訳
光文社 2,860円
オッカムの剃刀は「不必要に要素を増やしてはならない」という意味の言葉として知られている。提唱者は14世紀の神学者ウィリアムで、オッカムは出身地にちなむ。
当時、難解な出来事は神や霊魂の領域で、宗教と政権は密接につながっていた。真理の追究は権力を脅かす一大事であったが、オッカムの剃刀はそれらしがらみを切り離す思考を根付かせ現代文明の発展に寄与した。
さて、「単純に考える」この理論がどうして正しいのか? ――それは世界の根底に宇宙の究極の法則が横たわっているからだという。