泉 貴人 著
晶文社 1870円
イソギンチャクの新種発見数24種で、日本人歴代トップの著者が東大落研で鍛えた話芸をもって、「俺が」「俺の」と超強気にしゃべり倒す。えび天そっくりの表題の他にも「イチゴカワリギンチャク」や「リュウグウノゴテン」など、印象的な名前を付けたその経緯が余すことなく語られる。
「俺様」な文体とは裏腹に分類学の専門書としても詳細に記されており、学問としての楽しさや研究者の奮闘を垣間見ることができる。肩肘張らずに読めるのに、読み終わる頃には分類学の見方が少し変わっている、そんな一冊。