三和書籍より『東洋医学古典 全訳 神応経』が出版されている。中国明代の医師である明劉瑾、訳者は中国鍼灸翻訳家で鍼灸師の淺野周氏(北京堂鍼灸)。A5判、200頁、2750円(税込)。
『神応経』は劉瑾が1425年に自身の師である陳会の教えを著したもので、さらにその先には宋の御殿医・席弘賦につながっている。日本では、1645年に写本が作られたとされている。
同書は『東洋医学臨床論』でも触れられているものの、訳本がないので、淺野氏が訳したという。『甲乙経』や『資生経』と同じく、中国鍼灸の基礎として多大な影響を与えているといい、募穴も背兪穴も、下合穴も母子穴も、絡穴も原穴も、郄穴も含めた疾患ごとの配穴、さらには刺鍼する穴位の順序まで記載されている。
淺野氏は思い付きのような我流には根拠がないと厳しく叱責する。だからこそ、古典を読み込んで理解し、その根拠を手の内に入れた上で、自分なりの推論や刺鍼方法を開発すべきだという。
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