鍼灸柔整新聞

今日の一冊 もしニーチェがイッカクだったなら?

もしニーチェがイッカクだったなら?
ジャスティン・グレッグ 著 的場知之 訳
柏書房 2,420円

 「神は死んだ」フリードリヒ・ニーチェの最も有名な言葉だ。哲学者として名を成した一方、彼の晩年は陰鬱で悲惨だ。

 聡明すぎた彼は思考の末に人類の破滅的性質に気付いてしまう。あるいは思考を止めて動物的になれば? 拒否した結果、彼は思考の渦に落ちて狂死に至った。

 人類と動物の差異は知性の有無だと我々は納得している。では、知性とは何だろうか? 唯一たる知性を持つ人類は不幸を回避できない一方で牧場の牛は今日も幸せそうに草を食んでいる。

 人類の拠り所たる知性について、本質へと迫る一冊。

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