江戸の好奇心 花ひらく「科学」
池内 了 著
集英社新書 1,210円
体系的な学問である西洋科学に対して、江戸の科学は好奇心に根差した「幅広く、難しくもなく、近寄りやすい」生活的な文化だと著者はいう。
本書は、特殊例や脇道に拘泥した末に極まっていった江戸科学について、「和算」「博物誌」「園芸」「育種」「技術」の5つに分け専門家や専門書の紹介を交えて解説する。町人たちが軒先で語り合った奇問・難問、奇種・珍種は江戸全体を巻き込んだ文化として根付いていく。
洒落や粋では収まらない、とことんまで突き詰められた江戸科学をご照覧あれ。