社会福祉法人桜雲会から新刊『世界に誇れる盲偉人杉山和一―江戸期に視覚障害者の職業教育施設を開校』が出版された。本書は、杉山和一の一生を絵本仕立てで分かりやすく伝える。48頁、2750円(税込)。
視覚障害を持ちながらも鍼灸の神様と呼ばれ、時の将軍の治療に当たり関東総検校にのぼりつめた杉山和一は、苦労をいとわず生涯を鍼治療の研究に捧げた努力の人だった。武家に生まれ将来を期待されたが、幼いころに視力を失い、病気の人を助けたいと鍼医の道に進むことを決意。治療所で内弟子として修業を積む。しかし、技術は一向に上達せず、師の元を去ることに。途方に暮れた和一は、神仏に頼りたいと訪れた江ノ島神社で管鍼術のきっかけをつかむが……。
巻末には英訳も掲載し、この日本の偉大な医療人を世界に紹介する一助になるだろう。