孤独なバッタが群れるとき
『バッタを倒しにアフリカへ』エピソード1
前野ウルド浩太郎 著
光文社新書 1,166円
不定期に大発生し、大移動しながら農作物に壊滅的な被害を及ぼす害虫、サバクトビバッタ。体を黒く染め、大型化した「群生相」となり一方向に押し寄せる――古くは聖書に書かれた蝗害は、現代も健在だ。2年前にも東アフリカで発生し、数万ヘクタールの農地・牧草地が壊滅。関係者の尽力で今年ようやく「収束」したものの、世界の食糧危機の一因となっている。バッタに触れると蕁麻疹を起こす「バッタアレルギー」になるほど研究に明け暮れてきた第一人者、「バッタ博士」の前半生を追う自叙伝が新書化。