認知症の私から見える社会
丹野智文 著
講談社+α新書 880円
39歳で若年性アルツハイマーの診断を受けてから8年、講演などの活動を通じて多くの認知症当事者と対話を続けてきた著者。「認知症になってから言われ方がきつくなった」「何もできないという先入観を持たれている」「(支援者に)すべてを奪われた」――。介護を行う支援者の苦労、苦悩とはまた異なる、当事者目線の「現実」。多くの当事者は「ケアマネジャーが家に来ているようだが、話はしたことがない」と話すという。ケアプランの作成を本人不在で進めていないか――介護に携わる医療従事者にも必読の一冊。