鍼灸柔整新聞

連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』39  素問・一 『上古天眞論』

 今回から、黄帝内経についてのお話を始めたいと思います。黄帝は、大昔の人が百歳を過ぎても元気にすごしていたと知り、医学者の岐伯に聞きます。岐伯は、今の人も上古聖人のように生きれば天寿を全うできるのに、しないから五十歳ぐらいで衰えるのだと答えます。

岐伯:
 「陰陽とこの世界の法則を知る」、「季節に合わせて暮らす」、「ちょうどいいを守る気持ち[節]を持つ」、「まるで水を飲むようにお酒を飲まない」、「房事に溺れない」、「働き過ぎないように気を付けつつ働くことは続ける」、「浮かれすぎず落ち込みすぎず穏やかな心で過ごす」、「自分が住む土地と静かな暮らしを大切にする」。
 これらを守って生きれば、病気になってもちゃんと治り、疲れてもぐったりせず、思うように生きることができます。心は惑わされないし、たくさんの不安に恐れることもありません。そうして百歳をこえてなお元気に過ごした後に天寿を終えて、世を去るのです。

 

【連載執筆者】
かしはらたまみ
あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師
自身の子どもに東洋医学の概念を伝えるため「絵本」という表現を選択。色粘土を使った独自の手法で絵を描いている。これまでに『陰陽五行 まわるき』『おなかがいたくなるまえに』を自費出版し、ブログで『やわらか黄帝内経』も連載。絵本の購入はネット通販サイト・BASE「やわらか東洋医学」から。

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