福島の甲状腺検査と過剰診断 子どもたちのために何ができるか
髙野徹/児玉一八ら 著
あけび書房 2,200円
福島第一原発事故から10年。当時18歳以下だった福島県の子どもたちには現在も定期的な甲状腺がんのスクリーニング検査が行われており、これまで300人以上ががんと診断を受けた。だが、この割合は正常なもので、事故の影響はないとの見方が一般的だ。増悪リスクが低い若年型甲状腺がんの検査には近年、過剰診断……治療が必要ない疾患を発見し、逆に不利益を生むリスクが指摘されてきた。著者らはエビデンスを基に、検査中止を強く訴える。今なお続く不要な治療。子どもたちを守るため本当に必要なことは――。