誤作動する脳
樋口直美 著
医学書院 2,200円
30代の頃、自動車での帰宅時に助手席に存在するはずの無い「女性」が座っていた――。それが著者の「幻視」の始まりだった。以降、行く先々で「巨大なクモ」を見たり、自宅の誰もいないはずの隣室からガサガサと物音がしたりと、幻視だけでなく幻聴、さらには味覚や嗅覚の異常などに悩まされることに。40代で「鬱病」として治療を受け始めたがそれは誤診で、「レビー小体型認知症」と診断されたのが50代になってからだった。全ては目や耳の異常ではなく「脳の誤作動」。「どう付き合っているか」を赤裸々に綴る。