世にも危険な医療の世界史
リディア・ケイン/ネイト・ピーダーセン 著
文藝春秋 2,376円
ペスト予防に土を食べ、梅毒治療のために水銀の蒸し風呂に入り、癲癇治療のために剣闘士の血をすする。ダーウィンはヒ素を飲み続け、モーツァルトは2リットルの瀉血を受けた翌日に死亡した……いずれも歴史上、実際に行われてきた、もちろん誤った治療法だ。だが、その背後にはなんとかして生き延びたいという人間のパワーがあった。試行錯誤を重ねてきた医学の歴史を柱としつつ、営利目的のにせ医者による「本物のインチキ医療」のエピソードを散りばめた、内科医とジャーナリストの著者らが綴る異色の医療史。