脳の意識 機械の意識 ―脳神経科学の挑戦
中公新書 994円
渡辺正峰 著
「我思う、ゆえに我あり」。近代哲学の父・デカルトは言った。DNAの二重らせん構造を発見した科学者・クリックは「あなたはニューロンの塊にすぎない」という言葉を残している。「わたし」を「わたし」たらしめるのは思うこと、つまり「意識」だが、意識が発生している脳は、物質と電気的・化学的反応の集合体で「少し手の込んだ電気回路に過ぎない」と脳科学者の著者は言う。感覚意識体験「クオリア」などの知見からそのメカニズムを探り、さらに「意識の機械への移植」という究極の命題に挑む。