大学病院の奈落
高梨ゆき子 著
講談社 1,728円
『腹腔鏡手術後8人死亡 高難度の肝切除 同一医師が執刀 群馬大病院』。平成26年11月14日付けの、読売新聞朝刊の一面記事の見出しである。腹腔鏡手術は胃や腸の手術では比較的安全性が高いと言われているが、肝切除に関してはベテランの医師でもその危険性に二の足を踏むという。その後の院内調査によって同様の術後に死亡した患者は18人いたと判明、さらに、保険適用ではない肝臓の「区域切除」の手術で不正請求が行われていた。なぜこのようなことが起きたのか、気鋭の記者が背景にある深い闇を暴く。