病気は社会が引き起こす インフルエンザ大流行のワケ
木村 知 著
角川新書 924円
「カゼ薬のCMのキャッチコピーは真っ赤なウソ」「早期のインフルエンザ検査は無益」「皆勤賞やめませんか」――内部告発を糾弾されたことを機に大学病院を辞して以来、在宅医療に従事する医師の著者が、インフルエンザ流行の原因を「風邪でも休めない」日本の社会に求め、舌鋒鋭く医療界のタブーに切り込んでいく。昨今叫ばれがちな「健康自己責任論」や医療費亡国論の問題点、医療現場の労働問題などにも触れるほか、現政権の医療政策批判にも及ぶ。互いを尊重できる「困ったらお互い様の社会」へ向けた提言。